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第8話 武器を選びましょー♪

今回、ようやく一歩を踏み出すサキちゃん達。

チートへの道は、案外ちかいみたいです(笑)


さて前回は、はしゃぎ過ぎて扉に入れなかったあたし達。


さあ、いよいよ入りますよ!


四人が一列に扉の前に並んで、扉を見る。扉は何とも美しく、彫刻が素晴らしい。素人のあたしから見ても凄いって感じるんだから、本当に凄いんだね。


「せーので行くぜ!」


『『『『せーの!』』』』


翔太の掛け声で一緒に踏み出したあたし達。呼吸があってますね♪ 結成してまだ、3時間程ですが。ちなみに時間や暦は日本と同じなんですね。いやはや、助かるわ。


「皆様、どうかお気を付けて………」


「ご無事にお戻り下さい」


何やらあたし達の背後で、不穏な会話がされていたけど、あたし達は返事をする暇がなかった。扉を開けた先に待っていたものは…………。




『『『ようこそ! 勇者様方っ!』』』




小さな子供達でした。


「えっ? 子供?」


「何でここに子供が?」


優香ちゃんと和磨くんが驚いたように呟いてる。


「良く見なさいよ、二人共」


「こいつら聖霊の子供…………………ん?そもそも聖霊に子供がいるのか?」


とんちんかんな事を翔太が言うけど、残念ながらあたしは突っ込めない。

何故なら…………。


『勇者さま、あそぼ?』


『ゆーしゃしゃま、なにをちゅかうの?』


『ボクを使ってよー』


『あしょんで!』


的な会話が、今現在、あたし達の足元で行われている。つまり、身動きが取れないんだよね。いやー、まさか、こんなに力が強いなんて予想外。

…………まさか、武器の聖霊が子供だけなんて言わないわよねぇ? えっ、マジで恐いんですけど!?




「おや? 懐かれたようですね?」



突然、知らない男性の声が聞こえた。男性にしては高いテノールのような声だ。


「さあ、お前達は元のお部屋へお戻りなさい」


そう言われたら、なんと子供達、その場でポンッと消えてしまった。


「えっ!?」


「消えた!?」


「な、何で?」


「…………え」


それぞれ、咲希、翔太、優香、和磨である。共通しているのは、驚愕、であろうか?


「初めまして、勇者様方、私は杖の聖霊であり、ここの空間で案内役をしております、名前はありませんので、お好きにお呼び下さい」


うわぁ、案内役とかいたんだ。てかやっぱり名前ないんだ。聖霊には使い主が名前を付けて契約をするのは、元の世界の小説ではよくある話だったけどね。

こっちでもあるのかな。

ちなみにこの聖霊さん、身長は翔太よりも高い。180センチ以上ね。顔立ちは柔和で優しい感じがするんだけど、心で何を考えているのか分からないような聖霊さんだ。髪は綺麗な白銀、それを肩で切りそろえている。瞳は虹色。色んな角度で見ても、同じ色で輝かない。そんな不思議な色だった。流石、異世界ね。


「お前さんが案内人か、じゃあさ、俺は大剣を使うんだけど、そこに案内してくれよ」


翔太は、ちょっとホッとしたみたい。確かに広大そうな武器庫から探すのは大変そうだしね。こんな人、いや聖霊がいるのは助かるわね。


「分かりました、では剣の聖霊に案内をさせますので………他には剣を使う方はいらっしゃいますか?」


「あ、私も使います!」


優香ちゃんが慌てたように手を挙げる。


「分かりました、他のお二人は?」


「僕は槍で杖の機能があるやつを考えてるんだけど」


「分かりました、槍の聖霊を呼びましょう、…………では貴女は?」


「あたしは杖で」


「では私が担当いたします、こちらへどうぞ」


彼について行くと、いつの間にか、辺り一面に杖が置かれた部屋についていた。整然と並べられた杖の間、荘厳で静かなこの場所は、あたしにとって凄く落ち着く雰囲気だ。昔から、図書館とか大好きだったからね。


「凄い……」


ポツリと呟いていた。それだけ凄い風景なんだから。


「勇者様、属性を教えて下さい、それに相応しい杖をお選びいたしましょう」


本当に彼は紳士的です。ではでは遠慮なく♪


「全部です」


「……………………もう一度、お聞かせ願いますか?」


うん、その間は何かな? 私は別にウソは言ってませんよ?


「ですから、ぜ・ん・ぶです♪」


「………………………」


あっ、固まってしまった。整っていらっしゃる私好みの顔が固まってしまい、さらには目を見開いて。

御馳走さまです♪


じゃなくて!!


「いつまで固まってるのよっ!」


「はっ! 申し訳ありません」


あたしの突っ込みを受けて、ようやく再起動。案内役なのに、固まってたら、意味ないでしょう!


「全てとの事ですから、全ての属性に対応する杖を呼びましょう」


彼が右手をパチンと鳴らす。いやー、さまになってますねー。がんぷく、がんぷく(笑)

音が響くと周りの杖がさっと動いていく。滑るように動く杖は、奥に行くごとに姿を消し、私の前へと滑るように動いてくる。


「わぁー!!」


あたしの前には、美しい杖や昔ながらの伝統的な杖。さらには小さい杖まで。


「さあ、貴女様のお好きな杖をどうぞ」


「ありがとう、えっと、触っていいの?」


「はい、構いませんよ」


ニッコリと微笑んで、あたしに促すようにエスコートしてくれる。うん、紳士的な聖霊さんだ。彼と契約できたら、何かいいなーって思う。


「うんと、これは………違う」


あたしは右から一つ一つ、手にとって触れていく。綺麗な杖や格好いい杖とかあるけど、何かしっくり来なくて、次から次へと触れる。時には両手に持ったり、構えてみたりもしたけど、やっぱりしっくりこない。


「んー、何か違う」


ぶつぶつと言うけど、手は止めてないよ? ん、今のは惜しい。ちょっと違和感あるけど、これかな? 

まあ、最後までやりましょう! もっとしっくり来るやつがあるかも♪



そしていつの間にか最後の杖。最後は随分、シンプルだ。綺麗な白銀の持ち手。杖の長さはあたしの身長より、もう少し長いかな? その杖の先には、拳とほぼ同じくらいの不思議な輝きの宝石がついている。それには同じ白銀の蔦のような飾りがついていて、他には小さな花の飾りがあるだけの、シンプルな物だ。


「あっ……!!」


触れただけで分かった。これだ! この杖だ!!


「しっくりくる、うん、あたし、この杖と契約したい!」


「………………」


いつまでたっても、この杖の聖霊さんがあらわれない。おかしい、さっきは聖霊さん達が沢山あらわれたのに。

……………もしかして、聖霊さん達に嫌われたとか?

あり得る、これはあり得るわ!


「案内役の聖霊さん、あたし何かっ………………あれ?」


ここでようやくあたしも気付いた。遅いとか思うだろうけど、まあ、そこはあたしだし(笑)

って、んな事はどーでもいいのよ!

問題は案内役の聖霊さんが、固まってあたしをじっと見てる事っ!!


「あのー? 案内役の聖霊さん? おーい!」


目の前で手を振ってみる。しばらくして、ハッと気付くと、物凄い勢いであたしの肩をぐっと掴んだ。彼の顔があたしの間近まで迫ってきて、あたしの好みの顔だから尚更。

どーすればいいのよ!?


「本当に、本当に、この杖を選んで下さるのですかっ!?」


「は、はいっ!! あのっ、近い、近いですよー!?」


あたしの必死の叫びは、あっさりと無視され、彼の顔がさらに近くなる。

ヤバイ! ドキドキが………。


「名前を、つけて下さい」


「ひぇ………」


あたしの好みの顔が、目前に。そしてあたし好みの声があたしに囁く。

あぁ……、どうにかなってしまいそう。


「名前をつけて下さい!」


名前か、彼ならやっぱり、虹に関わる名前がいいよね。

レインボー……却下。んー? レイン? 違うわねー。白? 七色? そうだ、神様の名前は? 確か、虹の神様の名前があったわね?


「イーリス」


そう呟くと、目の前が突如、光だした。


「はい、これにて契約は終了しました、これから宜しくお願いします!マスター!」


…………………


……………


………



はっ!?


今なんつった!? マスター? 契約!?


「まさか、今の名前は……」


「はい、私の名前です、イーリス、素敵な名前をありがとうございます、因みに、私があの杖の聖霊です」


確かに、確かにちょっとだけ、彼と契約できたらいいなーって、考えた。まさか、本当に契約できるなんて、思わないわよ!?


「あー、うん、宜しくお願いします、私、サキ・アマギです」


「こちらこそ、サキ様、では杖を指輪に変えましょう、この指輪に、杖になれと念じれば、先程の杖の姿になります、さらに弓にもなりますので、お使いの際には気を付けて下さいね?」


おー、杖が光ったら、指輪に変わったわ! 細いリングに虹色の宝石のついた、可愛らしい指輪。それを彼は手にとると、あたしの左手の人差し指にはめた。


「さあ、広間に戻りましょう、他の皆様がお待ちかねですよ」


手を差し出され、迷わずあたしは手を出した。

うん、女の子の憧れのシチュエーションですよね♪


「皆、お待たせ」


そこには既に、皆が集まってましたよ。待たせたみたいで、申し訳ありません。


「おう、あれ? お前、誰と契約したの?」


「ん? 彼だよ」


紹介するように、彼を指差すと、何故か場が沈黙。

あれ? 何で?


「咲希ちゃん………」


優香ちゃんの声が震えてる。隣にいる二人の少女達は、服装とかから察するに、優香ちゃんの契約した聖霊さんだね。二人共に固まって目を大きく見開いているけど。どうしたのかしら?


「咲希さん……」


近くにいた和磨くん。彼も微妙な反応。彼の隣には、ご老人が髭を撫でながら、興味深いとでもいうように、あたしを観察中。


「お前、彼が何者か気付いてないのか?」


若干震えた声の翔太に聞かれ、あたしは訳がわからず、首をかしげる。


「まったく、とんでもない子に選ばれたわね? 虹の方」


クスクスと笑ってそう言ったのは、翔太の隣にいる妖艶な美女。出るとこは出て、引っ込む所は引っ込んでる、ナイスバディな女性だ。彼女も聖霊なんだね。


「ええ、僕を選んでくれた素晴らしい方ですよ」


彼は嬉しそうに笑うけど、あたしは疑問だらけ。彼が一体、なんだっていうんだ。


「お嬢さん、気付いてないようだから教えてあげるわ、彼はね、この空間の中でも、一番強い聖霊なのよ? それを選ぶなんて、本当に凄いわ」


その言葉で、今度はあたしが固まった。ピシッって音が聞こえるくらいに、固まった。

まさか、あたし、やっちゃった? 最強の聖霊って、聞いてない。あたし制御できるの? 知らない、あたし知らないもん!



「さて、出るか」



固まった空気が、翔太の声で動き出す。

翔太、あんたが一番、大物だよ。あたしは本気で、そう思った。


あたしの平和カムバッ―――クッ!!!


お久し振りでございます。秋月ですm(__)m


今回はいかがでしたでしょうか? 何だか秋月は、上手くまとまらず、何回か書き直しをいたしました。頭では出来ていても、実際に書くと何か違う………そんな感じで、只今スランプ真っ最中な秋月。

誰か、気軽にメッセージ下さる方、おりませんか? そしたら、ホイホイ頑張れるはず?


さて今回、ようやくサキちゃん達の武器を出せました!! わー、パチパチ!

秋月は悩みに悩み、ようやく選んだ武器ですが、詳しくは次回に持ち越しです(笑)


次回・ドラゴンを退治しよう(予定)です。




優香:こんにちは!

翔太:よう! 今回は俺達で補則するぜっ!

優香:あれ?今回も作者さんは何か忘れたのですか?

翔太:んぁ?あー、まずな? 馬鹿作者は武器と聖霊を次回に出すために、頑張っていたらしいが、この小説の主人公は咲希だろ? あいつのは出さなきゃいけないから、必死に考えてようやく“イーリス”を決めたらしい。

優香:作中にも出てましたが、神様の名前だそうですね?

翔太:ああ、ギリシア神話に出てくるヘーラーの忠実な虹の女神として出てくる。

優香:えっ!? 女神って女性の名前をつけたんですか!?

翔太:らしいな。因みにヘーラー神はオリュンポス十二神の1柱で女神の中で最高位の神様だそうだ。結婚と母性、貞節を司るらしい。

優香:詳しいですね?

翔太:………オレにも黒い歴史はあるんだよ。触れてくれるな。

優香:はっ! すいませんm(__)m あれ? これって咲希ちゃんも知ってるんだよね?

翔太:ああ、知ってるぜ?

優香:咲希ちゅんて真面目な印象があったんだけど………。

翔太:(あれのどこが、真面目なんだ!?)まあ、理由があるらしいが、後で作者が出すはずだ(苦笑い)

優香:そうですねっ!

翔太:それにしても作者、手を抜きすぎだ!(怒)


秋月:ひーー!? ごめんなさいm(__)m


こうして秋月は、翔太から激しい拳骨を頂いた。優香からは、生暖かい視線を貰った。

…………作者の沽券は何処に?



感想、誤字脱字、ありましたら、どしどしお送りください。尚、優しく言って下さいますと、助かります。秋月はあまりメンタルが強くございません。しかし、お返事は必ず出させて頂きますので、今後とも宜しくお願いしますm(__)m


次回、10月9日更新です。

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