表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
129/292

第97話 パーティーは戦闘ではありません

次回は5月4日更新です。

煌びやかな会場には、美しく着飾った貴族の方々が、和やかに穏やかに会話を楽しんでおり、中には今回のメインのお客様、エルフの方々がいます。こうやって見ると、エルフの方々は、あまり身長が高くないのよね。男性はあたしと同じくらいだし。

という訳で、毎回恒例!

ど〜も〜♪ あたし、クラリオン王国の第1勇者の咲希ちゃんです♪ 本日は綺麗に着飾って、パーティー会場におります。勿論、ドレスはエリー様監修ですよ。本日のあたしのドレスは、黄色のヒラヒラした可愛らしいドレスです……………。白いレースが、清楚さをアップさせており、可愛らしい部分も強調してまして。正直、恥ずかしいですよ! 諦めたけどさっ!!

さて只今、エルフの使者の皆様を歓迎するパーティーの真っ只中な訳です。


「ごきげんよう、ルイ様」


あたしが声をかけたのは、エルフの代表のルイさん。知的なエルフさんで、今回のリーダー役の方みたいね。隣には、同じ色彩の女性のエルフさん。身長はルイさんより少し低いくらい。淡い水色のドレスは、彼女によく似合っている。


「ごきげんよう、サキ殿、素晴らしい歓迎会、痛み入りますよ」


おいおい、皮肉ですか? エルフさん達はにこやかに談笑してるけど、時折、服を気にしているし。多分、着慣れない服に違和感を感じてるんだろう。まあ、歓迎用に用意したものだから、結構立派なものでもある。ビビっている可能性が物凄く高いわね。


「楽しんで頂けて良かったです、企画をした方々も喜ばれるでしょう……………ところで、そちらのご令嬢を紹介頂いても?」


ニッコリと微笑んで、隣へと視線を自然に向ける。勿論、殺気なんて物騒な物は出さないわよ? だから、あたしの後ろで自然体で居つつ、監視するの止めれ、翔太。絶対やらかすとか考えてそうだけど、今回は本当にやらない。というか、やらかすのは彼らには無理。

だって、ルイさん、アンリちゃんを本気で守るつもりらしくて、アンリちゃんに御守りとか言って、立派な宝石とか用意してるし。確認したら、滅茶苦茶凄い護りの呪文がかけてあって、思わず固まったのは仕方ないわよね? あれで疑うとか無理だから。だから、ルイさんに関しては、白だと思ってる。だって、御守りを渡したの、到着した次の日よ? マジで守る気なんだって、驚きより先に呆れたわよ。

どうやらエルフも一枚岩って訳じゃないみたいだからさ。


「あぁ、紹介が遅れましたね、彼女は私の妹で、ルカと言います、ルカ、自己紹介を」


何とっ!? 聞いた? この冷静沈着で、アンリちゃん至上主義のルイさんに妹だってよ!? 流石にビックリだわ。エルフだから、兄弟姉妹大量に居そうだけど、その辺りどうなんだろう?


「初めまして、ルイ兄さんの妹で、ルカと申します、この前は兄が失礼しました…………兄はこの通り、アン・リシャール様を大切にしております、故の発言なのです、どうか兄を嫌わないでやって下さい、この見た目の事もあって昔から苦労してまして」


あ、何か分かるかも。妹さん、マジで色々あったらしい。目がマジなんだもん。あたしの後ろに居た翔太も、同情の色をルカさんに向けているしね。暴走兄を持つと大変ね、お互いに。

ここで出てくるあたし側の兄は、勿論ソウ兄よ? 勝手に暴走した挙げ句、あたしに見事なトラウマ植え付けた張本人だもの。


「ルカさんですね? 大丈夫ですよ、疑うのは仕方ありません、アンリちゃんの情報はあまり有りませんでしたからね、彼の行動は間違ってませんよ」


きちんとフォローしておこう。きっと昔から、こうやって兄であるルイさんを庇ってきたんだろうし。


「ありがとうございます、そういって頂けて良かったです………、陛下達にも先程、謝ったのですが、皆様許して下さって…………、流石、この国の王族の方々ですね、素晴らしい方々です!」


目をキラキラさせるルカさんは、間違いなく素直である。交渉等には向かないようね。だからこそ、一癖もあるルイさんが来たんだろうし、ルカさんは間違いなく世話役ってとこだろうね。


「そういえば…………、本日は10人いらっしゃると聞きましたが、お一人はどうかされたのですか?」


さて、本日のメインと参りましょうか! 勿論、自然にさりげなく。あくまで純粋な質問として、聞くのがポイント。


「あぁ、彼は朝から体調を崩しておりまして、部屋で休んでおります」


あくまで白を切る気か。まあ、当然よね。あたしとは、協力関係にあるわけじゃないんだから。


「まあ、心配ですね? よろしければ後程、薬をお持ち致しますわ、あたしも勇者和磨も、薬学を嗜んでおりますから、パーティー後にでも様子を伺いに参りますね」


「お気遣い、痛み入りますが、し」


「まあ! それは良かったわ、流石に薬は、我々にもどうしようもありませんもの! お兄様、お願い致しましょう?」


ルイさんが断る前に、ルカさんが見事にぶった切った。マジか、もしかしてルカさん、暴走しやすい? いや、ま、まさかねぇ。

さて恐らくだけど、ルイさんは欠席の理由を知ってるわね。ルカさんは知らないからこそ、無意識にこっちに協力してるってところかな?

この際、利用させてもらおうか。


「お気になさらないで下さい、我々は歓迎をしておりますし、皆様で良き思い出として頂きたいだけですから……………、体調を崩しただけの思い出は辛いでしょう、ですから我々でどうにか出来るなら、是非ともさせて下さいませ」


安心するように優しく微笑めば、ルカさんは嬉しそうにルイさんに同意をとっているから、大丈夫かな。ルイさんも断りにくいみたいだし。


「翔太、和磨くんは?」


「向こうで貴族連中と談笑中だ」


あら? 後ろに居た翔太に聞いたら、何故か意味ありげに笑っているわね。他の人達が見ただけなら、分からないような、そんな笑顔。嫌な予感がしてますよ? こういう予感て、絶対に外れないのよねぇ〜。


「あの談笑している貴族は、誰かしら? 今日は歓迎パーティーだった気がするんだけど?」


意訳すると、あんた達の話す相手は勇者じゃないわよね? 王命を無視するのかってーの!!

会場にエルフの方々が来る前に、王様が直々に話をしたのよ? もしもエルフを怒らせたら、この国は地図から消えるだろうって。まさか理解して無い奴等がいるとは……………。

あ、王様と目が合った。何故かニヤリと笑う王様に嫌な予感再び!

え? あたしが行って注意するの? バカを絞めろってか!?


「咲希、ご指名みたいだぞ?」


翔太や? 何でそんなに楽しそうなのよ?? おかしいでしょ!?


「……………えぇ、そのようなので、あたしが行って呼んできますわ」


今は、ルイさんとルカさんが居る。押さえるんだ、あたし! 怒りはあのバカ共に向けてやる。どーせ、今の内に勇者に取り入っておこうという浅知恵でしょうし? ならば、あたしは喜んで、そこに爆弾おとしてやるわよ!


「和磨くん、楽しそうね?」


最初は和磨くんへ。意訳するなら、役目を忘れてない? ってとこかな? 完全に嫌みですよ(笑)


「やあ、咲希さん、楽しんでるよ? 此方が中々離してくれないからね、まだ挨拶も途中なんだけど」


取り方によっては、こいつらと楽しんでいた、とも取れるかな? 明らかに嫌みしか入ってないよね、これ。和磨くん、相当苛立ってるでしょ? ちょっと素が出てますよ?


「あら、ごきげんよう、確か…………ダーメダリャ伯爵様でしたかしら?」


あたしの記憶をバカにしちゃあいけません! この国の男爵迄の人達は、全員覚えてるからね☆ 偽りなんて言えませんとも。

伯爵は確か善良な貴族だったはずよね? 今も、読めない笑顔だし。


「お久しぶりですな、勇者サキ様、後程、挨拶に参ろうと思っておりました」


ほお………、あたしもターゲットって事かしら? ちらりと見たのは、伯爵の家族らしい3人。直ぐ隣は夫人かしらね。茶髪でかなり気が強いタイプと見た。若いが赤いドレスはかなり目立つ。間違いなく、今日の歓迎パーティーを理解してないわね。してたら、こんな目立つドレスは着ないわよ?

彼女の一歩後ろにいる二人は、息子と娘だろう。

息子は黒いタキシードをピシッと決めているものの、表情からして自分達の失敗に気付いてるみたいね。顔が申し訳ないと、ずーっと語ってますよ。良かったわね、伯爵。息子はまともみたいよ?

さて娘の方は…………あら。和磨くんにロックオンしたまま。歳の頃は恐らく同い年くらいかしら? こちらも派手なピンクのドレスを着てるわね。夫人と同じ茶髪で、此方もキツい感じの目元である。和磨くん狙いを隠さない辺り、夫人と令嬢の二人に足止めされてた訳か。


「あら、手間が省けたわね、伯爵様、今日の歓迎パーティー、勇者である和磨くんが挨拶に回らないとマズいの知ってるでしょう? 地図から国が消えるなんて、王様も的を得た言い方よね」


実際、エルフの方々はまだ、疑っているだろう。文化が違う分、今日の歓迎パーティーは大きな意味を持つ。我々は犯人ではないと、少しでも信じてもらわねばならないのだから。


「うん、僕も急いで回らないとね、それじゃ、伯爵、僕は挨拶回りに行きますので」


「はい、失礼しました、カズマ様」


あら、伯爵はどうやら気付いてるわね。うん、間違いなく、息子はあんたに似たのね。現状を良く見てるみたいだし。と言うことは、夫人と娘が問題児か。はあ、今日はエルフさんがいるから、口だけで済ませよう。普段なら、威圧や殺気飛ばすけど、止めておく。問題は起こしたくないしね。


「伯爵様、今日の歓迎パーティーの意味はご存知ですよね?」


あたしは今、無表情である。視線が冷たいのは仕方ない。やらかしたのは、彼らなんだから。


「申し訳ない、勇者サキ様」


「父は散々注意したんですが、母と妹は聞き入れなかったのです」


息子よ、理解力ありすぎでしょ!? やっぱり問題児は、この二人か!



はあ、では、咲希ちゃん印のザ・楽しいお説教と行きますか♪


読了、お疲れ様でした。


本日はパーティー特有の問題発生です(笑) バカは何処にもおりますね。次回はざまぁ?展開が少し入りつつ、新たな展開に参ります。


さて、テンシロも話は100話に近付いて来ました。恐らく5月下旬頃が100話になるはずです。と、言う訳で、テンシロ恒例のリクエスト企画を行おうと思います☆

つきましては、今回はリクエスト送信方法をメッセージのみとさせて頂きたく思います。

理由は簡単。お礼に小話を送らせて頂きたいからです。感想だと、出来ない場合がありまして…………。ご了承下さいませm(__)m


では次回、お会いしましょう♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ