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第96話 陰謀のパーティーが始まりました

次回は、4月27日に更新します。20日は短編小説を更新します。

さて、皆様。ごきげんよう。

只今、我々勇者一堂は、王様、お妃様方、王子様方、王女様方、更に宰相様、並びに高位貴族の方々と共に、パーティー会場で社交しております☆


え? 呪いはどうなったって??


暗殺者はどうしたんだって???


うん、簡単だよ。

あたしが呪いを、しっかりとプレゼントしたわよ? とーっても笑える物をね(笑)



◇◇◇◇◇



―――――回想。


「ゆらりゆらり、ゆらゆらと」


印を組んで唱えるは、とある呪文。陰陽師の皆からは、見かけ倒しと評判の、呪いでございますよ(笑)

ごたいそうな雰囲気を演出する変わりに、威力は微妙…………という、ね。うん、流石に殺すわけにはいかないから、見かけ倒しのこの呪文を唱えたんだけどさ。予想外に皆がビビっちゃって、う〜ん。どうしよう?


「ゆらりゆらり、ゆらゆらと、彼の者を捕えて離さぬ、ゆらりゆらり、ゆらゆらと、闇に落ち行くこの道は、ゆらりゆらり、ゆらゆらと、幸は闇に塗り替えて、ゆらりゆらり、ゆらゆらと…………急急如律令!」


あたしは印を素早く刀印に変えて、相手を切るかのように、振り下ろした。


「これから一生、悩むといいわ(笑)」


駄目だ、笑える! ぜーったいに、これは皆から笑われる事、間違いなしだもの!!

あたしが笑い始めた為か、場の張り詰めた空気がふっと緩んだ。


「っ! …………おいっ、咲希! 何やらかしたんだ!?」


はっと我に返ったらしい翔太から、開口一番に鋭いツッコミが! うん、やっぱり翔太はこうじゃなきゃね(笑)


「うん、凄くスッキリした♪」


いい笑顔で、親指立てて皆に言ったわよ? なのに、何で皆はそんな反応なわけ?!


「スッキリしたじゃないだろっ!? だから、何をやらかしたんだ!! 言えっ、早く言え!! 直ぐに言えっ!!」


「そうだよっ! 咲希ちゃん、何やったの!?」


「咲希さん、白状して」


いや、何か皆が怖いんだけど!? あたし、真面目にお仕事したよ? ちょーっとブチキレたけど(笑) 素敵なプレゼント、きっと気に入って貰えると思うんだ♪ 絶対に!(笑)


「んー、だから、呪いをプレゼントしただけだよ」


「だーかーらー!! 何をやらかしたか言えって言ってるだろっ!」


即答で返して来た翔太には、あたしだって苦笑する。間違いなく、只の呪いだとは思ってないんだろうな。本当に見かけ倒しの呪いなのに。


『我に何をした…………!』


あら、お相手も気になるみたい? なら、教えてしんぜよう!


「早くしてね、咲希さん」


……………和磨くんが冷たい。ぐっすん、いいんだもん。あたし、咲希ちゃん。頑張ったのに…………。


「咲希さん?」


あ、あれ? ただ、呼ばれただけなのに、背筋が冷たいよ? つーか、笑ってるはずなのに、和磨くんや。目が笑っておりません!!


「だから………………、頭が“ちょんまげ”になる呪いをね?」




『「「「はっ?(えっ?)」」」』




綺麗にハモッた。って、失礼な。変な呪いじゃないわよ?


「ぷっ…」


最初に翔太が吹いた。多分、あたしへの耐性が無駄についている為かと思われる。まだ二人は戻ってこないし。


「暗殺なんてしようとしたんだもの、反撃されたって文句は言えないでしょう?」


因みに、このちょんまげの呪い、きちんと何処ぞのバカ殿みたいに、ハゲる。頭の上の辺りが。そして、呪いが解けてもハゲは治らない。綺麗に毛根は消えるのだ!


「まあ、結果は明日になれば分かるわよ? きーっと、楽しんでくれるわよ!」


この結果を見たら、相手だって死にたくはないだろうし、手は出さないと思うんだけど、まあ、念には念を入れよう。


「本当なら、今ので殺す事も出来たんだけど……………アンリちゃんに感謝することね?」


本当は殺す事は出来ないんだけどね? まあ、はったりは必要だよ(笑) 奴の後ろに控えている大物さんに、尻尾切りなんてされたら、たまらないしね。


『……………っ、呪いを解けっ!』


焦ってるけど、あたしが解く訳ないじゃん!!(笑)


「何で良い笑顔なんだよ…………」


呆れた様子の翔太には、後で素敵なプレゼントをあげるよ(笑) ハリセンと言う素晴らしいプレゼントを!!


「だって、明日が楽しみなんだもん♪」


間違いなく、明日はエルフの皆さんが泊まっている部屋で、悲鳴が上がるはずだしね。これで迂闊に動く輩は出なくなるはずだ。誰だって自分が可愛いものね! それに、パーティーを休んだり、部屋から出る事が無くなったら、そいつが犯人て丸分かりだしね♪


「……………おっと、迂闊に動くなんて、バカな真似はしないよな?」


いつの間にか、歩み寄っていたのか。翔太は唖然としている暗殺者さんの背後から、剣を首筋に当ててた。まあ、それが分かったから、茶化して此方に視線を向けていたんだけど。


「ねえ、貴方は今のままでいいの? 間違いなく、貴方は消されるわよ?」


文化が違うから、そこまでは確定して分からないけど。沈黙を貫くのは、どういう理由かしらね? まあ、いいけどさ。


「素直に協力するか、それとも一生をハゲと付き合うか、決めるのは君だよ?」


まあ、解いた所で、ちょんまげが取れるだけで、ハゲは治らないんだけどね!


「咲希さん……………はあ、心配して損した」


何か和磨くんが冷たい。毒舌とは行かないけど、辛辣すぎない? え、あたしが悪い?

……………すいませんでした。


「っお!?」


見れば、翔太の剣が弾かれていた。うそっ!? どうやって弾いたのさ!? あたしの所為か? あたしが注意散漫にしちゃったからか!?

あたしが現実逃避してる間に、翔太と距離を取った奴は、逃げる気満々だよねぇ。


『…………次回はないと思えっ!』


なんて、バリバリな悪役の捨てセリフと共に、姿が消えたマント野郎。一瞬、足元が光ったから、転移魔法の一種だろうね。まあ、意味ないんだけどさ、逃げた所で。あの髪型の所為で、逃げても意味がない。だって考えてみ? あんな特徴的な髪型の人が、こっちの世界でどれだけいると思うの。手配したら、ほぼ間違いなく捕まるわよ? それが分かるから、誰も追わなかったんだし。


「すまん、咲希…………逃がした」


あら、翔太は気にしてたみたい? 何か律儀ね、こう、いつものノリがほしいわ。あ、こういう時には、うってつけの物があるじゃない!




スパ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン




小気味いい音が鳴り響く。翔太は何故か唖然☆


「気にしないの、翔太! 人生失敗もあるさ!」


「?! 言ってる事はまともなのに、行動があってねぇ!」


何か喚く翔太は無視無視。一々付き合ってらんないわ。


「まあ、咲希さんだしね」


「うん、咲希ちゃんだもんね?」


何故か二人には、納得されたんだけど……………あのお二人さん? 何で苦笑いなのかな???



まあ、そんなこんなで、アンリちゃんを無事に部屋に送り届け、あたしらも夜遅い事もあって、あたし以外は就寝しましたよ。


(たつ)、出かけるから護衛よろしく、(はる)は悪いけど、部屋をお願いね?」


あたしの部屋にはヒマリがいるんですよ。護衛は必須なの! 戻ってくるまでは、今日はメイドさんが居てくれたけど、さっき帰したしね。


『畏まりましてございます』


顕現した春は、流石と言うべきか。着物の裾を美しい所作で捌き、優雅に一礼して下さる。見とれる程に綺麗だわ。う、羨ましい…………、あたしも頑張らないとね?


「そんじゃ、宰相様に会いに行きますか☆」



◇◇◇◇◇



「やっほ〜☆ 宰相様、緊急事態につき、勇者咲希ちゃん参上!」


「サキ様、普通に願います………」


丁度、帰るところだったらしい宰相様は、見事に硬直してしまった。まあ、普通に入るのは何か嫌で、窓から侵入したからなんだけどさ(笑)

あ、宰相様、頭をかかえちゃった。いや、そこまで深刻な事じゃないよね? だ、だよね?


「えーっと、宰相様? 明日ね、あたしが呪いをかけた人物が騒ぎを起こすから、対処をお願い出来ないかな?」


「………………サキ様? 何故に呪いが出てくるのです!? 騒ぎとは何ですか、騒ぎとは! 最初から説明して下さいませ!!」


あら、説明してなかったわ。アハハ……………、最近ちょっと忘れてる気がする。


「ごめんなさい、えっとですね?」


斯く斯く然々。説明したら、宰相様は天井を仰ぎ、頭をまたしても、かかえちゃったよ……………。てへ☆

いや、だって。無理でしょ? やらかしてる自覚はあるんだ、あたしだって。自覚はあっても、直すつもりが無いだけで(笑)


「………………はぁ〜、今から急ぎ、騎士団に声をかけておきます」


ぐったり気味の宰相様、胃の辺りを押さえてるから、後で胃薬でも差し入れしよう。きっと喜んでくれるはずだわ。


「それじゃ、宰相様、明日は頭が“ちょんまげ”の人にお気を付けて」


「……………? ちょんまげ?」


唖然とした宰相様を置いて、あたしは帰還した。自室に着いて後は寝るだけ。正直、疲れたのよね。



◇◇◇◇◇



回想から戻り、会場を見渡せば、―――――――いた。エルフの皆様。

彼らは今、此方が用意したタキシードやドレスを着て、貴族の方々とお話している。ここにいるのは、高位貴族の中でもエリートと呼ばれる方々な訳で。作法ミス等も、上手くさばいてくれている。まあ、だからなんだけどさ。彼らを呼んだのは。


「咲希? 呪いの人物は分かるか?」


隣にいる翔太から、ヒソッと聞かれたのは、確認済みのこと。呪いは陰陽師の十八番ですよ? 会場に入った時点で、調べたよ。



ウフフ、さあ、裏切り者さん? 最後のパーティーを楽しんで下さいな?

私が地獄へたたき込んで差し上げるから♪


お読み頂き、本当にありがとうございますm(__)m


今回はオチはキチンと出来たでしょうか? 面白くなかったら、本当にごめんなさい(-人-)


次回、20日更新の分は、予定を変えて短編小説をあげます。ちょっとテンシロが煮詰まってしまって……………、お待ちして下さる方、本当にすみませんm(__)m 今日は謝ってばかりですね。


さて少しだけ、次回作の予告を。とある王国の、5歳の王女様のパーティーで起きた婚約破棄騒動。バッチリお怒りの王女様は、一体どうなさるんでしょう?

はい、またしても、婚約破棄です(笑)


こちらは来週の20日更新です☆ 読んで頂けたら嬉しいです。


では次回、20日に此方の作品でお会いしましょう。

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