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閑話 異世界のお正月……

本日は年末企画最後のお話です。ここまでお付き合い頂きまして、本当にありがとうございますm(__)m

本日は、EVE様のリクエストで、お正月です。本当に、ご参加ありがとうございました!

……………どうか、生暖かい目で御覧くださいませ。

今日は12月31日。

今年も後少しで日付が変わる大晦日が来ましたよ! いやー、あたしも初めての年末だから、緊張するわぁ。

因みに、年越し迄の流れは、以下に通りね。


大晦日から正装して儀式を行う。今年の厄を落とし、来年度からは善き年になるようにと、大神官様が貴族一人一人に縁起物の羽根でお祓いをするんだとか。そして日付が変わったら、皆で神殿に行き、善き年になるように祈願する。その後は、花火を上げて国民と共に盛大に祝う。この日ばかりは、国民もお祭り騒ぎである。


まあ、こんな感じ。貴族は、祈願の後、新年早々からパーティースタート。勿論あたし達、勇者も参加よ。その時も正装だから、凄く疲れる。あたしの正装は、本来なら契約した魔術服なんだけど、エリー様が張り切ってしまって、ドレスアップが決定。勿論、勇者仲間も巻き込んだ。あたし一人とか、死ぬほど恥ずかしいわ!


「本当に、咲希は落ち着いた色が良く似合いますわ!」


今現在、あたしの目の前には、エリー様がいて、あたしを見てはうっとりと…………。はあぁ………、あたしは無理だわ。こう、乙女にはなれないわね(笑)

因みに、あたしが着ているのは、水色のドレス。落ち着いたデザインで、ふんわりと広がる可愛らしい部分も取り入れたもの。


「あの〜、エリー様? そろそろ行かないと、大神官様のありがた〜いお祓いが受けれませんが?」


今の時間は、朝の9時。

実はこれぐらいから始めないと、王様から始まり、最下級貴族で終わる、このお祓いは。大勢の貴族がいる為に、日中から始めないと終わらないという、ね?

更に、終わったら終わったらで、別室にて神官様方のありがた〜い、お話を聞くという……………。うん、寝そうだわぁ。

うちの年末年始は、ほら。お祓いやら何やら………凄く忙しかったし。何だか新鮮な気持ちなのよねぇ〜。


「さ、咲希ちゃん、凄く緊張するよ〜〜〜」


隣では、優香ちゃんが緊張でガチガチになってる。彼女が着ているのは、可愛らしいをふんだんに盛り込んだ、桃色のドレス。白いレースが美しく栄えている。


「優香ちゃん、緊張するのは、あたしも同じよ」


苦笑気味に言えば、隣のエリー様からフォローが入る。


「まあ、サキもユーカも、緊張する必要はありませんわ、我々王族は明日の夕方まで寝れませんのよ?」


多分、冗談なんだろうけど、エリー様? 笑えませんて!


「まあ、わたくしよりも、お父様とお兄様、他の王子達の方が大変ですわよ?」


………………上には上がいたのね。王家の男性諸君、頑張ってくれたまえ。贅沢できるのは、それだけの責任を背負っているからだ。


「そういえば、新年の最初はパーティーなんだよね〜、楽しみだな〜」


優香ちゃんまで、うっとり………、あたしは、パーティーは苦手。ダンスもするだろうし。はぁ、逃げたい。あんまりパーティーは好きじゃないのよ。


「えぇ、お祈りをしてからですが…………花火が上がって、本当に美しいんですわ」


その光景を思い出したのか、エリー様はうっとりとため息を。いやいや、ちょっと!?


「ですから、遅刻しますって!」


おもいっきり突っ込みを入れたのは、言うまでもない。



◇◇◇◇◇



は〜い、今現在、王族の方々が正式なお祓いを受けております。あたしらは次。王族の方々は正式に受けるけど、あたしらからは略式でやるんだって。まあ、そうしないと終わらないよね〜。数百人の貴族全員が受けるんだから。


『主人はん、外の結界の辺り………なんやおかしい気配が』


突然、ドレスのポケットから声がして、ビックリしたけど。翠嵐がとても険しい声であり、流石に顔が引きつりそうになった。


『咲希様、如何いたしますか?』


(たつ)の言葉に、頭を抱えたくなる。もうっ! 何でよりにもよって、こんな日に来るかね?


「仕方ない、お祓いを受けたら直ぐに行くから、先に行って足止めを、後は状況判断で任せるわ――――龍、樹英様、宜しく」


『『御意』』


すっと、気配が影から動く。一応、あたしらは最前列に並んでいるから、どうしても会話は囁くような声になる。しかし、隣にいる人物には、バッチリと聞こえていたらしい…………。はあ、地獄耳なわけ? こいつは。


「咲希、何かあったか?」


怪訝そうに聞いて来たのは、翔太。流石2回目勇者様、こういった事に関しては、真っ先に気付いたか。野生の感でもあるのかしら?


「何か失礼な事を考えなかったか?」


「イエイエ」


「………………で、何があった?」


翔太の間が気になるし、何よりスルーされた!? あのツッコミとボケは何処へ!?


「咲希?」


あ、何か怖いオーラがビシッバシッと! ま、真面目に言いますから、そろそろ押さえて! 辺りの感のいい人達が気付くから!!


「ちょっと外で、イレギュラー発生中、詳細は不明、既に式神様を派遣したわ」


「行くのか?」


「まあね、このお祓いを受けたら直ぐに」


「……………その服装でか?」


「う゛っ」


そう、あたしは今現在、正式な正装を着ている。それもドレス。脱ぐのにも時間がかかる。緊急時の現在、そんな時間は無い。勿論、前のように術で着替えは出来ない。準備してないし! このまま戦うなんて、勿論、論外だし。


「うわっ………どうしよう」


「……………俺に考えがある、つー訳で、俺も行くぞ?」



◇◇◇◇◇



てな訳で、やって来ましたよ。式神様の気配を探しながら来たから、迷う事も無かったわ。


「本当に正装のままでいいの? 滅茶苦茶、動きにくいのよ?」


本当に、走るのに向かない服よね、ドレスって。


「おっ、あれか? ん?」


「みたいね、って、あれ?」


確かにあたしの式神様はいた。そして何故か、騎士の皆さんと、魔術師の皆様がいた。何でここにいるわけ?


「あら、サキ様、それにショータ様まで…………もしかして、これに来ました?」


声をかけて来たのは、魔術師長様。そして指差した方には、とある物と戦う、あたしの式神様………。


「もしかして、邪魔しちゃった?」


「いいえ、大助かりですわ」


ニッコリと言い切った彼女、本心ね。間違いなく……………。


「あれは何?」


あたしの式神様が戦っているのは、とりあえずモンスター、魔物は間違いない。長い牙と爪、更に四足で素早く動く、白と赤のマーブル模様の狼っぽい、巨大な魔物。そして何故か、超可愛らしいし。まさかのラブリーな魔物さん? まあ、龍と樹英様で戦っているんだけど。何か変、こう………上手く言えないけど、違和感があるのよねー。


「あれは、コウハークと言う縁起物でして、あれが出る年は、吉兆と言われております」


「……………じゃあ、何で戦っているわけ!?」


縁起物を倒したらダメでしょう!?


「はい? 倒すに決まってます、害獣に変わりはありませんから」


実も蓋もありませんね!? あなた方!


「なあ、あれ以外に、あっちからドラゴン来てるぜ?」




「「「「「「「はあ〜〜〜〜〜〜!?」」」」」」」




ここにいたメンバー、大合唱(笑) って、マジでどうすんのよ!?


「ちょっと翔太!? って、ドラゴン…………?」


何ていうか…………、こっちは金銀に輝くドラゴンさん!? 何か置物みたいに立派なお姿してますよ!?


「あら、キーンギーンドラゴンじゃない、縁起物がこんなに来るなんて、これも勇者様のお陰かしら?」


……………いやいや、何か違うでしょ? 魔術師長様!?


「おい、また何か来たぞ?」


「今度は何ッ!?」


もうツッコミが追い付かない!


「あれは…………エビ?」


土埃を上げながら来たのは、間違いなくエビだ。こっちは見事に赤色をしたやつで、何故かでかい。マジで何で今日になって、大怪獣みたいになるの?


「あら、イイゼエビではありませんの」


魔術師長様も呆れてるし…………。名前からして、もしかしなくても、立派な縁起物なんでしょうね!?


「どうすんのよ!? 翔太!」


一体ならまだしも、何でよりにもよって三体も一気に出てくるなんて。どうすんのよ!?


「まあ、確かにそうなんだがなぁ、そうだなぁー、一網打尽にしようか?」


「はい?」


いやいや、あのー?


「んじゃあ、やるわ」


………………すまん、翔太。あたしゃあ、ついていけないよ。


『我、古の契約の元、汝等に誓う』


って、無視ですかいっ! 本当、何なの!? 何なのよ!


『――――(中略)――――さあ、汝等により、彼のモノ達を成敗せよ! 無限氷(エターナル・アイス)!』


あらまぁ、魔物さんズ、凍り付いちゃった。まあ、これにて、平和って事でいいのかな?


「さあ、会場に戻るぞ、咲希」


「え? あ、うん………龍、樹英様いくよ」


何だかしっくり来ないけど、まあ、縁起物も出だし、来年は素敵な一年ならいいなぁ。


「あ………、雪」


初めての大晦日は、何だかドタバタで終わったみたい。



◇◇◇◇◇



そして時間は過ぎて…………。


「3、2、1! 明けましておめでとうございます!!」


新年が明けまして、簡単な祝福を受けた後、貴族の皆様は早速、パーティーをスタート。


「咲希ちゃん! 明けましておめでとう!」


「うん、優香ちゃん、明けましておめでとう!」


「おう! おめでとさん」


「翔太、きちんとやろうよ? 明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いしますね」


どうか、来年が素敵な年になって、そして、皆が笑顔で過ごせる、そんな年であったらいいなぁ。




―――――我願わくは、幸多からん年になることを……………。




「せーの!」


『『『明けましておめでとうございます! 来年も宜しくお願いします!!』』』


By クラリオン王国一同&勇者組より


はい、読了お疲れ様でしたm(__)m


本日で、年末企画も最後となりました。ご参加下さった皆様、そして秋月の作品を読んで下さった読者の皆様、本当にありがとうございました!! 無事に、無事に、この企画も終わりをつげました。

そして、明日からは、新年でございます。1年前、干支を題材にしてから、もう新しい年となります。今年の更新も、今日で終わりまして、来年は6日に最初の更新と行きます。

うん、何だか来年もテンシロは年始早々、ドッタバッタしそうな気配が濃厚ですが、ほら、秋月が作るテンシロですからね! 残念クオリティーは多分、変わらないでしょう(笑)

来年からはまた、新たにキャラクターが増えます! 最近は、秋月もうろ覚えなんて事が出てきたので、来年の目標として、気を付けていきたいですね。


それでは、皆様、良いお年をお過ごし下さいませ。皆様の健やかなる年になりますよう、お祈り申し上げます。


秋月煉

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