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第84話 新たなお仲間です♪

次回は12月16日に投稿します。



「イヤなの〜〜〜〜〜っ!!」


はい、只今、我々は手を妬いておりますよ!!(涙)


前回、何故か優香ちゃんを拒絶したアンリちゃん。あ、名前はアンリちゃんで正式決定です。で、現在、アンリちゃんは、優香ちゃんを完全拒否。あたしや式神様の(はる)には何とか懐いてくれたんだけどね…………。

そしてビックリなのは、ジュビアン神官にも平気で懐いたこと。

あのー、アンリちゃん? 怖くないの??


「んー? だって、このおじちゃん、青くてキラキラしてるの!」


………………すいません、意味が分からん!! まあ、幼子の言葉を100パーセント理解は無理。でも、これは早急に理解しないといけないから、頑張って理解に努めますわ。


「とりあえず、優香ちゃん? いい加減に立ち直ってよ?」


「いいんだもん、どうせ私は、私はダメな子なんだもん!!」


……………はあ、仕方ない。

落ち込んだ優香ちゃんをメイドさんに頼んで部屋へ送り、あたしとジュビアン神官は、アンリちゃんを連れて、殿下の元にご挨拶に行くことにしました。アンリちゃんの立場を明確にしておかないと、何かあったら大変だからね。

そうそう、アンリちゃんは優香ちゃんが本当に苦手らしくて、彼女が部屋から出ると、ホッとした顔をしてたのが、ちょっと印象的だった。


「エルフのアンリちゃんが、何で優香ちゃんはダメなのかしら? 分かる? ジュビアン神官」


廊下を歩きながら、聞いてみるとジュビアン神官は何か思い当たる節でもあるらしく、顔が更に険しくなった。えー、あたしは普通に怖いんで、険しい顔は止めて!!


「恐らく、魔力の関係ではないでしょうか? ユーカ様は火の魔力が強いので、森に住むエルフであるアンリ様も、無意識に拒絶したのでは?」


……………あり得るわね。


「ねえ、アンリちゃん、アンリちゃんから見て、あたしはどう見えるのかな?」


今現在、手を繋ぎながら、廊下を歩いてるあたし達。勿論、殿下の部屋へは長いから、雑談してるんだけど……………。この質問はドキドキするわね(笑)


「ん〜とね、キラキラしてて、ピカピカしてて………ん〜と、一杯色んな色がキラキラてるの!」


え………………。


思わず、足を止めるくらい、ビックリした。そんな風に言われたのは、初めてだったし、何より。


「アンリちゃん、もしかして、属性が分かるの?」


そういえば、ジュビアン神官の時は“青い”とかいってたわね。青いは多分、水や氷を意味してるのかな。だとしたら、あたしの色についても説明がつくし。


「うにゅ?」


顔を傾げるアンリちゃん、可愛い! 可愛いいんだけど、それだけで見過ごしたら、危ういと思う。属性を視れるなんて、もし悪い奴らに知れたら、悪用されかねないわよ!?


「……………アンリちゃん、分かるのは秘密よ?」


そう無邪気さを装って、人差し指を口元にあてて、秘密のポーズを取ると、アンリちゃんはキョトンとしつつ、こくりと素直に頷いた。一々仕草が可愛いなんて、あたしの方がノックアウトじゃない!!


「サキ様、こちらです」


あら、気付いたら殿下の元に着いたみたい。さて、アンリちゃんの立場を明確にしないとね。さあ、勝負所よ、咲希!!


「失礼します、フランツ様」


「どうぞ」


部屋に入れば、相変わらず書類に埋もれた、げっそり顔のフランツ様。書類の山は、三山かな? あれ? おかしいな…………今は暇なはずなのに。


「やあ、サキ殿……………すまないね、立て込んでいて」


「い、いえ、こちらこそ突然すみません」


げっそり顔のフランツ様に、他になんて言えばいいのさ!? あたしゃ知らないわよ!?


「フランツ様、確か暫らくは暇と伺っていたんですが………」


思わず言ったあたしに、フランツ様は苦笑い。あ、何かあったのね?


「実は、この前、サキ殿のお陰で捕まえた奴らの報告書が来まして……………ちょっと中に、大きな闇組織のメンバーがいましてね、その報告書も来てます、他にも諸々と…………はぁ」


あらまぁ…………、これ、あたしの所為でしたか。アハハ、すいません。ま、まあ、悪い奴らも捕らえられたし、結果オーライよね? ねっ??


「少し休憩しましょう、流石に、ずっとは疲れます」


でしょうね。そういったフランツ様は、上品な椅子から立ち上がると、おもいっきり背伸びをしてから、あたしらがいる応接用の椅子の向かい側へと来た。丁度、あたしの隣にジュビアン神官。その膝の上には、緊張した感じのアンリちゃん。まあ、泣かないだけ大丈夫かな?

向かい合わせに座ると、召使の人が、美味しそうなケーキと、素敵な香りの紅茶を淹れてくれ、それが終わると、礼をして部屋を出ていった。大事な話だから、助かるわ。


「で、何の用だい? サキ殿がここに来るのは、急用が多いからね」


アハハ、ばれてる(笑) なら、単刀直入に言いましょう。


「保護したこの子に関して、少々、緊急事態とも呼べる展開になりまして」


「緊急事態? 何かあったのかい?」


てな訳で、アンリちゃんの名前や、エルフ、その他、気付いた事を諸々と説明していくうちに、フランツ様は頭を抱えてしまいました。アハハ、すいませんね。見事な厄介事で。


「サキ殿? つまりだ、この子、アンリの立場を明確にしたいと?」


「はい、このままでは、あまりにも危険ですので」


フランツ様は大丈夫。信頼できる人だし、政治の中心にいるような人だ。問題無い。けれど、悪い奴らがいるのも事実。ならば、身を守る為にも、立場を明確にする事は絶対条件だ。


「うん、それは構わない…………けれど、王家の庇護は受けない方がいいだろうね」


「え? 何か不味い事でも?」


てっきりすんなりオッケーが出るかと思ったんだけど。


「王家より勇者の庇護にいた方が、アンリは安全だろう、王家だと利用される事態にならないとも言えないからね」


それは利用するかもしれないと? あ、まずいわ。幼いアンリちゃんを利用なんて…………考えただけで無理!


「分かりました、ではアンリちゃんは我々勇者が保護すると言う事で」


「皆には私から説明しておくよ」


まだげっそり顔のフランツ様は、そう言うと、何かに気付いたかのように、机から一枚の紙を取ると、あたしへと寄越した。

何ですか、これは?


「前に話していた、新しい侍従候補の子だよ」


あぁ、そんな話、あったわねー。大分前だけど。


「ようやく仕事が落ち着いて、離れられるようになったらしくてね? もうすぐ君達の元へ来るそうだよ」


「どんな子ですか?」


「それは会ってからのお楽しみだよ」


えー、気になるじゃないですかー!?



◇◇◇◇◇



フランツ様の部屋を出てから、翔太を探して騎士団の事務室へ。今日は和磨君も訓練施設にいるって聞いてたから、一石二鳥でしょ?


「サキお姉ちゃん、どこ行くの?」


不安そうに周りを見渡すアンリちゃんの頭をそっと撫でてあげる。


「あたしのお仲間に会うんだよ、アンリちゃんを紹介しないとね?」


そう説明して、僅かにホッとした顔を見せた。この子は、アンリちゃんは、記憶が無い所為か、いつも不安そうな顔をしている。いつもとはいかなくても、笑顔で過ごせるようにしてあげたいと思うんだよね。昔のあたしを見てるみたいなんだよ。


「あ、いたいた、翔太〜☆」


可愛く呼んで見たら、あ、翔太に睨まれた。


「咲希〜〜〜、書類作成、手伝ってくれ〜〜〜〜」


ぐったりした翔太に、近くにいって書類を見てみれば………。


「これ、いつから書いてないのよ!? つーか報告書に活動報告に提案書、予算書に会計に……………もう馬鹿じゃないの?」


日付も三ヶ月以上前くらいからあるし……………。あたしも優香ちゃんも和磨君も、大体数日で書いて出してるのに、こいつときたら………っ!!


「自業自得よ、頑張りなさいな」


「マジかよ〜〜〜〜〜〜……………ん?? そのチビは誰だ?」


あー、ようやく気付くとか。遅いわよ。


「この子はアンリちゃん、あたしら勇者が保護する事になったから、宜しくね」


「色々とすっ飛ばされた気がするんだが、まあいい、どうせ説明はしてくれるんだろう? チビ、じゃないな、アンリ、俺はショータ・テンジョウって言うんだ、気軽にショータって呼んでくれ」


翔太の豪快な笑顔に、最初はビックリしてたみたいだけど、アンリちゃんはおっかなビックリな感じではあるものの、翔太とは何とか挨拶だけ出来た。


「その………アンリです、宜しくなの」


小さな声だったけど、アンリちゃん偉い! きっと恐かっただろうに……………。


「さあ、アンリちゃん? 馬鹿はほっといて、和磨君の所に行こうか♪」


「やっぱり手伝ってくれねーのか!?」


翔太が何か言っていたようだけど、無視☆ 自業自得くんは、勝手にやってなさい(笑)


さぁーて、和磨君とお会い………。


「サキ様っ、やっと見つけましたよ!」


あら? レイヴァンさん?? と、後ろにいるのは誰かな???


「初めまして、サキ様、私が新しい侍従候補に選ばれました」


そこに居た人物に、流石のあたしもビックリしましたよ。

さてさて、どうなる事やら…………。


読了、お疲れ様でした。


本日は、何だかドタバタしているテンシロです。

お陰様で、テンシロももうすぐ90話というところまで来ました。何だか考え深いですね。最初、始めた時は、こんなに続くなんて思いませんでした。本当に、単なる思い付きで始めたんです。それが、今ではブックマークが100人を超え、更に感想まで頂いて、秋月は感謝しかありません。本当に、本当に、応援してくれる皆様に感謝なのです。ありがとうございますm(__)m

そんな思いを込めて、今年最後の更新になるリクエスト企画は、皆様に楽しんで頂けるように、全力投球して参ります。

参加する方は、企画参加、名前だし不可を記入のうえ、秋月宛に送って下さいませ。勿論、お返事も書かせて頂きます。お一人様で何回も参加可ですので、どしどしご応募下さいね。

締め切りは12月20日ですので、お早めにご参加下さいね。


次回は、ようやくレイヴァンさんの後輩が現れます。果たして、テンシロにどんな風を吹かせるのか、今から楽しみです。


さて、本日は秋月の短編連載小説である『僕等は夢から醒める』の最新話を更新しています。そちらもよろしければ、御覧くださいませ。


それでは次回、またお会いしましょうm(__)m  なお、今月の更新予定は活動報告をご覧下さいませ。



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