第82話 ピンチを乗り越えよう!
次回は12月2日です。
リクエストも、まだまだお待ちしております♪
はーい☆ 皆の勇者、咲希ちゃんです♪ って、白い目で見ないで!? 立ち直れなくなるからさぁ!
さて、冗談はさて置いて。
只今、絶賛大ピンチ中です☆
「咲希っ! ぼやっとしてる暇があるなら、さっさと何とかしろっ!」
何て現実逃避してたら、隣に並んだ絨毯から、翔太の怒声が響いた。いやね? やれたらあたしだってやるわよ?
「ちょっと、あたしは今、無理よっ!?」
式神様を2人も出してる上に、不安定な空のど真ん中。周りは戦闘中に加え、夜で視界が悪い。いくら鞍を着けた龍の上とはいえ、流石にこんな状況で戦える訳がない。もし、視界を確保する為に魔法の光を増やしても、ブラックバード達に狙ってくれといってるようなものだしね。
でも、何とかしないといけない訳で……………。
こうなったら、腹を括ろうじゃない!! 女は度胸だ!!
「優香ちゃん、しっかり掴まっててね!」
「え………? 咲、咲希ちゃん!?」
驚く優香ちゃんをそのままに、翔太に伝える。大切な事だからね!!
「翔太っ! 悪いけど、スピード上げて!」
「はあ!? 何をやらかす気だ!?」
うわっ、何か凄い言われよう………。はい、自業自得よね。流石に自覚あるもの…………。
「一気に片付けるから、皆で先に行っててっ!!」
「……………分かった、無理はするなよ?」
最初の間が妙に気になるけど、まあ、いいわ。思う存分、ストレス解消しちゃいましょう♪ 全力で、ノリノリで、相手が後悔するまでさぁ☆
「え? 咲希ちゃんっ! 怖いよー!?」
後ろで優香ちゃんが騒いでいるけれど、まあ、うん。先に謝っておくよ。ごめんなさいっ!!
そうして一気に魔力を練り上げていく。狙いは翔太達、絨毯一向を狙う魔鳥の群れ。ウフフ、翔太は言われた通りに加速してるし、大丈夫ね?
『炎の大爆発!!』
火の上級呪文を、おもいっきり放つ。多分、あの辺り、しばらく爆発が連発するわね……………。
「龍、翔太達に追い付くわよ!」
そう、言った矢先。
ドォッカァァァァァァ―――――――――――ンッッッ!!!
放ったあたしでさえ耳を塞ぐ程の大爆発が、後ろで起こる。真っ赤な火花が、夜空に一輪の巨大な花を作り上げて。
………………やり過ぎたかしら?
内心、冷や汗ものですよ!? ちょっと、威力あげただけで、何でこうなる!!
「咲希ちゃ〜ん!」
あ、優香ちゃん…………。後ろをちらりと見れば、完全に泣いてしまった彼女の姿が。や、やらかした………………。
はい、皆からのお説教が、決りましたよ〜……………。嬉しくない、嬉しくないよー!!
まあ、さっきの爆発で、ブラックバードは散り散りに逃げて行ったので、結果オーライと言う事で………すまないよねー。
◇◇◇◇◇
てな訳で、翌日のお昼頃に無事に王都に着きました。あの後は、特にバトルも無かった。くっ、この鬱憤を晴らせたのに!!
さて流石に、城に入るのに人目に付かない訳も無く……………、何て事にはならず、宰相様のお力で、無事に城に入る事に成功しました☆
ビバ、素敵な権力!!
「サキ様? 現実逃避は宜しくありませんよ?」
ニッコリと笑っているのに、何故か背筋が冷える笑顔の宰相様。こ、怖いですよ!?
本日の宰相様は、グレーの髪を短いながらもセットし、中々に格好いい。服装はゆったりした文官服。宰相様の色は藍色と決まっていて、その色がまた何ともお似合い! なんだけど、正直に言えば、マジで怖い。まだ震えが止まらないんですよ!!
「ファイから、ふむ、報告が来ておるぞ、ふむ」
王様まで面白そうに見ないで下さいな!
さて今現在、あたし達、勇者三人がいるのは、王様の執務室。事後報告の真っ最中なはずなんだけどなぁ……………。付き従った、ファイさんと双子、ジークさんとローグさんは、ここには居ない。何故なら、今現在も後始末やら何やら、やる事があるから。まあ、ぶっちゃけ逃げたともいう。
はあ、やっぱり説教フラグは逃げられなかった……………。本日は宰相様も加わった豪華メンツですよ。トホホ…………。
「と言う事で、サキ様? きっちりと説明して下さいませ」
うえ〜〜〜ん! 説教は嫌だよー!!
……………………
………………
…………
…。
それから一時間程のち、ようやく解放されました……………。はい、もうしませんよ。場合によっては使うかもだけど☆ テヘ☆
「咲希? 反省してるんだよな?」
おや、翔太が鋭い! そして笑顔が怖い!
「そうだよ! 咲希ちゃんっ! 本当に恐かったんだから!!」
ぐっ、優香ちゃんまで!? あ、あたしのライフはもう消えちゃうよー!
なんて、やってたら。はい、これで終わる訳がないんだよなぁ。厄介事に愛された星を持つ、この勇者三人が揃ってさぁ。
「失礼します、陛下」
そう言って、室内に入ってきたのは、ジュビアン神官。彼は確か、捕われていた皆様の事を任されていたはず。
「様態の報告と、例の少女の事で報告に参りました」
助かった………って、内心思っちゃったのは許してちょうだいな。マジで精神的にグッタリしてるのよ。ついでに、あたしらは徹夜してますんで、眠い! 多分、ファイさんと双子は既に眠ってる感じがする。レイヴァンさんがいるから、まあ、いいけどさ。
「ふむ、許可する、ふむ」
王様の前で一礼した後、淡々と報告スタート。あの、あたしらは完全に無視されてません? あ、睨まれた…………。大人しくしてろと。さいですか。
「救出された21名の者達は、衰弱してましたが、命に別状はありません、数名は精神的に衰弱しておりますが、しばらくすれば回復するでしょう」
おー、良かったわ〜♪ まあ、精神的な面には、同情するけどさ。是非とも、完治させておくれ。
「問題は、保護された少女の方です」
ん? 何故にそんな遠い目をなされます? ジュビアン神官様?
「先程、目が覚めたのですが、大人が怖いのか…………ずっと泣き叫んでおりまして」
あちゃ〜…………、小さい子は、いきなり知らない場所に連れてこられて、精神的に不安定になりやすい。まあ、仕方ない事だけど。
「ですので、お疲れとは分かりますが、お助け願えないでしょうか? サキ様、ユーカ様」
「あれ? オレは?」
何故か抜かされた翔太に、ちょっと同情する。まあ、知らない男の人よりも、童顔の方がいいと、そういう事ですよね?
グサッ。自分で自分の傷を抉るとか、あたしは馬鹿かっ!!
「翔太様には、先に休んで頂いて、溜まった仕事をやって頂きます」
…………………南無、翔太。多分、結構たまってるはずだ。しばらくは缶詰め決定かな?
「ふむ、許可するぞ、皆を助けてやってくれ、ふむ、サキ、ユーカふむ」
王様からの許可まで頂き、あたしと優香ちゃんは、少女が保護されている部屋へと案内されたのでした。
で、久しぶりに。ふむ、ってなんなのさっ!? うん、ツッコミは必要だよね(笑)
◇◇◇◇◇
何だろう…………。思わず、優香ちゃんと二人で、視線で確認とっちゃうくらい、部屋は惨状となってました。色んな意味で………。連れてきたジュビアン神官は、まるで氷のように微動だにしない彫刻となってるし。貴方もなりましたか、そうですか。そうですよねぇ…………。
「ほら〜、お人形ですよ〜」
「美味しいケーキもありますよ〜」
「いやぁぁぁ―――――――、怖いよぉぉぉ〜〜〜〜〜〜!!」
幼子固有の甲高い悲鳴みたいな泣き声に、思わず耳を塞ぐ。はぁ〜、何でこうなる…………。
と、言う訳で。
「春………宜しく」
式神様を投下します。こんなカオスな場所に居たくないわ! そもそも、ジュビアン神官? 何故に子供相手を男性神官にしたわけ?? 普通は女性神官にするでしょうよ。明らかな人選ミスである!
『畏まりました』
桃色の着物を羽織った優しい顔立ちの春は、優雅に一礼すると、未だに泣き叫んでいる少女へと向かって行く。
「え、えっと………サキちゃん、大丈夫なの? 式神様を使っても」
戸惑ったような優香ちゃんの視線は、真っ直ぐに式神様に向かってた。まあね、普通はあまりいいもんじゃない。神の気は7歳を過ぎた子供、人の子となった子供には、毒となる場合が多い。昔から子供は7歳までは神の子と言う言い伝えがある。故に、7歳を過ぎると人の子となるのだ。人の子に神の気は毒。
しかし、何事にも例外はある。春である。何故なら、春が司る金は、癒しや守護を意味するものだからだ。特に春は、小さい子供を守る守護神の系列神である。
つまり、子供向きの神様なのだ。まあ、あたしが昔から子守りを任されるのが多く、春に手伝ってもらったからって理由もあるんだけど。
『どうされました? さあ、泣かないでお話しましょう?』
ゆったりした穏やかな声が、辺りに響く。大きな声でも無いのに、不思議と耳に心地好く響く声。泣いていた幼子にも、効果はあったのか、この世界では不思議な姿の式神様から目を離せないみたい。
「あなたは………だぁれ?」
戸惑うように瞳を揺らす少女に、春は名前の如く、麗らかな春のごとき笑顔を、少女に向けたのであった。
………………はあ、泣き止んで良かった〜〜〜って内心は、絶対に悟らせたくないなぁ(笑)
読了、お疲れ様でしたm(__)m
本日は新たな人物登場で、何やら慌ただしい展開になってまいりました。実は、出してない人物もおりまして、只今、大忙しです。
さて、只今おこなっております、年末テンシロリクエスト祭、皆様の参加をドシドシお待ちしております◇
改めて、参加の仕方を書きますね!
・感想、メッセージでリクエストか、質問を送る。
以上になります。その際、必ず、名前出しがオッケーかどうかの記載をお願いします。
簡単ですよね? 締め切りは12月20日ですよ☆ お忘れなく。なお、一人でいくつもリクエスト参加はオッケーですので、ご安心下さいませ。
では、次回でお会いしましょう!




