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第81話 皆様を救出です!

次回は11月25日更新です♪

地下室一階は、特に何も無かったから、皆は下にいるみたいね。


「私が先に降ります」


ファイさんが剣を構え、辺りを確認しながら、梯子階段を下へと降りていく。うん、真剣な顔が何てステキな! キャッ☆ ファイさんて、あたし好みの顔立ち何だよねぇ〜♪ 真面目な顔が素敵です☆


「先に俺が行く、次に優香、次に咲希が来い」


フリーレンは大剣だから出せない為に、別で用意した短剣を構えながら、ファイさんに続いて降りていく。次は優香ちゃんが、双子の剣の一本を持って、緊張した面持ちで下へ向かっていく。

さぁて、あたしも準備したいんだけど、あたし、武器は持ってない………………。唯一使える武器は、弓くらいな物だからね。何とも言えないわ。緊張感マックスのあたしに、下から翔太の声がかかる。


「咲希〜、下は安全みたいだから、普通に降りて来ていいぞ〜」


…………………はい?


こちとら緊張感マックスで待っていたって言うのに、何じゃそりゃ!?


「…………今いく」


声が酷く不機嫌になるのは、どうか許して欲しい。今、猛烈に、このお屋敷を吹き飛ばしたい。それを押さえているから、不機嫌なのよ。えぇ、そうよ。そうに違いないわ!


「サキ様? どうかしました?」


「サキ様? 降りないんですか?」


ジークさんとローグさんに促され、渋々と下に降りる。

階段は、暫く放置されているわりに、しっかりと作ってあって、安心して降りれた。降りた時に、焦げた臭いがしたけど、仕方ないか。多分、あの例の砂を焼いたのね。下に降りて、見渡して見ると、下は上の地下室より一回り小さいみたい。そして奥には牢屋があった。

―――――――が、目の前の人物達に、流石に顔が引きつった。


「えっと……………?」


疑問符が飛ぶあたしの頭は、目の前の光景からは、正直すぐに視線をそらしたい。

………何で、中年のおっちゃんが、涙と鼻水と涎とオモラシしてるのかしら?? 中には白眼で気絶してる人もいるし。


「何がどうしてこうなったの?」


助けに来たあたしらに、白眼で気絶した訳ではないみたい。その証拠に、翔太とファイさん相手に、泣き付いてる方々もいるし、ね? なんてホモホげっふんゴッホン、改めて、何て寒々しい景色かしら。男同士とか………あの城にいるこういったのが好きな方々には、涎ものよね。本当に、翔太はこういった事に巻き込まれやすいわよねぇ。

因みに優香ちゃんは、隅で一人、砂を燃やしてた。やっぱり、ここにあったんだね、本体は。というか、優香ちゃん? 何故に視線を動かさないのかな? 確かに見れないけどさぁ。この光景は…………。優香ちゃんにはきつかったか。


「どうも、何かあったみたいで、僕等が降りた時にはこうでした」


顔が引きつったファイさん。まあ、仕方ないわよね? 彼には、見習いの魔術師の服を着た若い少年が、安心したように泣き付いてるんだから。こっちはホモホモしげっふんゴッホン、変な誤解のない、救出の正しい図式に見える。

が、隣の翔太はと言うと、魔術師の緑色のローブを着た、中年おっちゃんに泣き付かれ、変な空気が流れてた。

……………あたしの目がおかしくなったかしら?


「とりあえず、説明出来るように落ち着いてもらうしか………………えっ?」


今、視界に本来なら絶対に、あり得ない姿を見た。目を擦って、もう一度見る。

……………やっぱりある。


「えーっと? 何で女の子がいるのかな?」


歳の頃は、恐らく8歳前後くらい。綺麗な青みがかった銀髪の長い髪の少女が、粗末な布ではあるけれど、それが床に敷かれており、その上ですやすやと眠っていた。よく見れば、着ている服も随分と簡素なものだ。


「とにかく一度、上に行きましょう、ここでは色々と問題があるでしょうし」



◇◇◇◇◇



こうして全員を外に出した頃には、空には欠けたお月様が高い所にありまして…………。はい、見事な深夜の時間帯でございます。


「はぁ………終わった」


これが恐らく、この場にいた皆の気持ちだと思う。

何せ、あの気絶&号泣の皆様を上げるのに、本当に大変だったんだからね!!?

つーかね!? 泣いてる奴らは皆、全員が素直に上がってくれたんです。彼等はまだ、素直なだけ良かった。が、気絶した人達が大変だったんだよ!!

皆そろって、大の大人がオモラシしてるんですよ!? 臭いのなんのって……………。仕方なく、全員を洗浄してから上げるはめに。

しかし、ここで問題が…………。


「石鹸なんて持ってませんよ!?」


ファイさんから驚愕の事実が。どうやら、この世界の魔法に、洗浄魔法なるものは“ない”そうで。


「水で流して、乾かしてからあげましょうか?」


あたしも、代案はそれくらいしか上げらなれなかったし。


「あ、それなら俺が洗浄魔法つかえるぜ♪」


よし、翔太。流石、二回目勇者! ナイスよ! この吐き気がする空気をどうにかしてちょうだい!!


こうして、ようやく翔太の洗浄魔法を使って、綺麗な状態にした皆様を上にあげたわけ。



◇◇◇◇◇



「で、何で皆はあんな風になってたわけ?」


深夜とはいえ、ようやく外に出れた彼等は、心底ホッとしたらしく、顔が朗らかになってます。良かったねー☆

で、あたしの質問には、その中の位の高い魔術師さんが答えてくれました。


「ワシ等があそこに閉じ込められ、暫くたった頃に成長を始めた、あの黒い奴に、皆で度肝を抜かしましてなぁ…………面目無い話、ビビってしまったんですよ」


………………………


…………………


…………


…。


おいおい…………、確かに、確かに分かるわよ? 大人であっても、精神的に限界ならあーなってもしかたないなぁってね?

でもさぁ…………、なんか釈然としない。


「咲希、取り敢えず戻ってこい」


翔太に言われるけど、仕方ないじゃない。取り敢えず、オヤジ達の話は終了。


「で、この子は何でここにいるの?」


明らかに、この子だけが、他のメンバーから浮いてます。だって可笑しいでしょうよ。おっさんやお兄さん達の中で、一人だけの女の子。捕われた中には女性がいなかったから、実質、長時間をこのメンバーでいた訳です。しっかし、不思議だ。何で、この子はここにいるのか。


「ワシが捕われた時には、既におりましたぞ? 可愛らしい子で、ワシ等にも気を使ってくれてなぁ」


おじさん? まるで孫を見るかのような姿ですよ?


「取り敢えず、毛布で温めて上げて、こんな薄着じゃ、風邪ひくわ」


「うん、そうだね? 怪我が無くて良かったよ」


優香ちゃん、丁寧な手付きで、少女を毛布に包んでいく。取り敢えず、これで風邪は引かないはずだ。

仕方ないけど、深夜の内に、彼等と帰らないとね。お城をパニック状態にするわけにいかないから。だって牢屋にいる奴等が、急に現れたら誰だってビックリするでしょ? これに関しては、宰相様が良しなに計らってくれるそうなので、あたしらの仕事はそこまで。うん、面倒くさいから、宰相様に投げるんじゃないからね?


「絨毯は間に合うし、ん〜………優香ちゃんはあたしと帰ろうか?」


野郎共に可愛らしい優香ちゃんを任せてはおけん! 謎の少女は、翠嵐(すいらん)に任せればいいしね。よし、野郎共は揃って、絨毯に乗せよう、そうしよう!


「翔太、そっちはよろしくね〜♪」


「あぁ、お前に任せるよりはマシだもんな」


何故か微妙な視線を翔太から向けられた。何か納得行かない。


「……………うん、気付かないでくれ」


ボソリと翔太が言った言葉は、よく聞こえなくて、首をかしげる。まあ、いっか。


さあ、お城に帰ろうぜ☆



◇◇◇◇◇



はい、無事に帰れるはずがありませんでした!!


「サキ様っ!」


ファイさんの切羽詰まった声が聞こえた。だよねぇ、あたしら勇者が三人も揃って、普通に帰れる訳がないんだわぁ。


「ブラックバードの群れです!」


風属性のこの魔物は、確か風の耐性があるから、別の属性でガンガン攻めればいいんだっけ? 少し前、あたしらが初めて対戦した辺りに、ガラー山の帰り道、襲われたのよね。あの時は、緊急だったから、あたしは火の上級呪文、爆発付きを発動。無事に帰ってきたんだけどさ。

流石に、この人数がいるのに、やるわけにもいかないので。


「どうすっかなぁ〜」


「何のんびりしてやがる!! 咲希っ、こいつらは昼間より夜が厄介なんだよっ!」


げっ………。嘘でしょう!?


「こいつらの活動は夜なんだよっ! 『火炎(ファイアー)!』」


近くに来たブラックバードを、火の下級呪文を叩きつける。って、いい加減に覚えなさいよ。上級呪文を!


『火炎の(ファイアー・アロー)!!』


火で出来た弓を、立て続けに放っていく。よし、やっぱり火は、鳥には効果ありね♪


「キャッ! さ、咲希ちゃん!? ちゃんと運転して〜〜〜〜!!」


あ、後ろに優香ちゃんがいるの忘れてた…………。


「酷いよ〜〜〜咲希ちゃん!」


涙目の優香ちゃんに、いけない扉が開きそう……………って、危ない、危ない!! 変な扉を開きかけたわ。


「ごめんごめん、優香ちゃん、火なら攻撃も結構効くから、攻撃して」


「う、うん、分かった」


優香ちゃんは、このメンバーの中で一番、火の相性がいい。


さぁて、このピンチ、どうやって切り抜けようかしら?


読了、お疲れ様でしたm(__)m


秋月煉です。


久しぶりのテンシロ更新です。ビミョーにシリアスになってきましたが………はい、秋月作品らしく、ボケてます。しかし、あの子は誰なんでしょう? 一応、考えているんですが、上手く噛み合ってくれるか、凄く不安です。


そうそう、今年も年末リクエスト企画をやろうかと思ってます☆ 昨年は、怒涛の年末でしたが、今年もやります! クリスマス近くの12月23日に出そうかなぁと。

さて、参加は簡単ですよ☆

秋月の作品感想(テンシロのですよ!)かメッセージで、『年末リクエスト企画』と入れて下さいませ。『名前入りオッケーかどうか』も答えて下さると助かります。その上で、リクエストの内容をお願いします。質問でもオッケーですよ〜♪


では次回にお会いしましょう〜♪ リクエストお待ちしております!

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