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第80話 闇を祓います!

次回は11月18日です。

来週は、只今、連載中の『僕等は夢から醒める』を更新します。

夕闇が支配する黄昏時。

あたし達、勇者一行が向かったのは、ボロボロの一軒家ですよー。そこに囚われた皆さんを解放する為に、家の中を散策して、ようやく見つけた地下室へ続く階段。が、その地下室からは、とんでもないくらいの闇の気配を放出してます☆

あー、何で寄りにもよって、こんなめんどくさい展開が、いつもいつも待ち受けているのかしら?

……………誰かの嫌がらせ?


「サキ様、光属性であの闇を祓う事は出来ますか?」


ファイさんに促され、何故か優香ちゃんが早速使おうとするけれど、瞬間、あたしは嫌な予感がして、慌てて優香ちゃんに声をかける。


「優香ちゃん、待って!」


急に止められた優香ちゃんは、キョトンとして此方の様子を見てるけど、あたしは構ってる余裕さえ無かった。

…………今、確かに闇が僅かだけど、魔力に反応した? それに―――――。


「咲希ちゃん?」


優香ちゃんに名を呼ばれ、考え事で沈み込んでいた意識が浮上する。今は緊急事態なのに、何をやっているのやら。


「ちょっと見てて―――――光源(ライティング)


光属性の最下級の呪文を唱え、それを闇が漂う扉に向けて放つ。それは、ふよふよと漂いながら、扉へ向かって飛んで行く。僅かな光とはいえ、光に照らされた階段は、石で出来ているみたいで、中々にしっかりと作られているみたい。と、光が扉に近付いた途端…………。


「え?」


優香ちゃんの驚いた声がした。他の皆が息を飲む気配も。

本当にふざけてるわよ? 何で、“扉の周りの闇”が“光を食べる”のかしらね?

正確には、光に含まれた魔力を食べたんだけど、今は緊急事態なのよ。一体全体、これは何なわけ!?

けど、答えは意外な所からもたらされました。


「魔力喰い………何でこんな所に…………っ」


「え゛………翔太、知ってるの?」


二回目勇者が、久方ぶりに役に立ったわ…………。明日の天気は大丈夫かしら? 雷大雨なんて、嫌よ? …………本当に槍が降ったりして(汗)


「咲希、今、失礼な事を考えてなかったか?」


うっ………、何で分かったし!?


「……………咲希、顔に全部でてるよ」


呆れた顔の翔太に、突っ込み言われた! オー…………。


「ショータ様、魔力喰いとは?」


ファイさんまで、スルーされた!? あ、あたしのライフが削られていく…………。


「魔力喰いは、俺が前いた世界にいたんだ、こいつと同じかは分からないが、魔力喰いなら厄介だぜ」


「どうして?」


優香ちゃんがキョトンとして聞くけれど、翔太の顔色が真面目なまま変わることは無かった。へー、真面目な顔を持続させる事とか出来たんだ?

あ、睨まれた…………テヘ♪


「はぁ………魔力喰いは、魔力を食らう………あの闇みたいな奴が、全部口なんだよ」


「「「「「えっ…………」」」」」


全員から驚愕の声が上がった。勿論、あたしも。前の世界では、一度も戦った事ないしね〜。しかしあれが、口? ふざけるのも大概にしてよ!?


「どうやって倒すの?」


あたしの問いに、翔太の眉間に皺が寄る。あれ? 難しいこと?

だって全部が口なら、魔力の攻撃は無意味よね。奴は魔力を吸い、攻撃自体を無効にしてしまうだろうし。


「倒し方は、ある………、魔力を使わなければいい」


「「「「「はっ…………??」」」」」


「だから魔力を使わなければいいんだよ!」


やけっぱちのように叫ぶ翔太の内容に、あたしら唖然。いや、無理でしょ?

そういえば、霊力はどうなんだろう?


(しろ)、扉の向こう見てきて」


試してみると、霊力で動く式神様は、問題ないみたい。扉の闇は動かない。魔力しか興味無いみたいね。

しかし、どうするの? 魔力持ちしか、この場にはいないのよ?


「後は、核を壊す」


翔太、そんな大事な情報は先に言いなさいよ!!


「核って、どこにあるの?」


「そうよ、流石に分からないわよ?」


優香ちゃんとあたしに問われ、またしても翔太の眉間に皺が寄る。


「魔力の流れを読むんだよ! 魔力は管を通って、核に行き着くんだ」


んー? って事はよ?


「もう一回、魔力を食べさせれば分かる?」


「多分な」


た、多分て………。けど、やるしかないか。


光源(ライティング)…………連射してみようか?」


てな訳で、魔力が何処に行くか確認する為に、連射してみます☆


(たつ)、魔力の行く先にある核を壊して」


『御意』


影に入る(たつ)を、皆が驚いたように見てるけど、いい加減に魔力の行き先を見てくれませんかね??

暫く連射してみると、微弱だけど、魔力の流れ行く先が見え始める。


「扉の向こう側………かしら? いや、待って……………もしかして更に地下があるの? 核は下にあるの?」


「でも、下に行く階段なんて…………」


確かに無い。つまりだ。


「まだ、隠し部屋でもあるわけ?」


と、気配が動く。先程、扉の向こうに行かせた(しろ)が、様子を見て戻って来たみたいね。

でも、報告された内容に、流石のあたしも押し黙る。


「…………在ったわよ、地下室」


「マジか? って、何でお前は、そんな顔をしてるんだ?」


翔太に問われても、何とも言えない気分になるわ。だってね?


「この扉の先に、階段があって更に地下室があるみたいよ?」


瞬間、空気が氷付いた。


「サキ様、本当ですか?」


ファイさんの絞り出した声が、震えてるわ。そうよねー………、核は下にある訳だし?


「ええ、そうよ? もうこうなったら仕方ないわね……………、(たつ)、下に行って核を壊して頂戴」


今のところ、式神様は問題ないみたいなので、このままお願いしちゃおう。


『…………主よ、どうやら我では駄目なようです』


「え、何で!?」


(たつ)なら、僅かな水があれば、それを使い移動できるし、大丈夫だと思ったんだけどなぁ。どうしたんだろ?


『下が石のようで、隙間がございません、()であれば、問題無いかと』


…………………マジか。


「分かった、ありがとう、(たつ)


こうなったら仕方ない。


(しろ)、下にある核を壊して頂戴な」


(たつ)が御札に戻り、変わりに(しろ)が顕現する。その姿は、白い狐。大きさは、中型犬くらい。普段は隠密専用に使っている式神様です。まあ、隠密用なので、普段は顕現しないし、姿も滅多に見せない。本日は、特別ですよ。と・く・べ・つ!!!


「行きなさい」


感覚を研ぎ澄ませ、(しろ)の気配を辿っていく。

どうやら無事に下についたらしい。と、同時に、別の気配を感じる。この気配は…………複数の人?

魔力喰いの核は、どうやら皆からは魔力を食べていないらしく、彼らは何かに焦っているみたいだ。だってね? 気配が慌ただしいんだもん。


『キュウゥゥゥゥゥゥ――――――ッ!!!』


(しろ)の可愛らしい鳴き声と共に、一気に神気が爆発する。例え普段は隠密用で働いて貰っていても、列記とした神様である。攻撃力は手持ちの皆から見ると、中程度だけれど。それでも人よりずっと強い。


「あ、見て!」


優香ちゃんの指差した方、扉へと視線を向ければ、先程まで確かに(うごめ)いていた闇の触手? いや、手が一斉に硬直している。と、次の瞬間、サラサラと先端から砂になっていく。

これは核が壊れた?


「!? おいっ! 急いであの砂を燃やせっ! 早く!」


何故か翔太が、あたしと優香ちゃんに向けて鋭い口調で言う。何か分からないけど、焦ってる?


「あの砂は全て、魔力喰いの卵なんだよ!」


流石にぎょっとして、ファイさん、あたし、優香ちゃんの三人で、火の魔法を放つ。


『『『火の(ファイアー・ボール)!』』』


あらぁ〜、勢いよく燃え始める砂……………。これ全部とか、流石に寒気がするわ。つーかね?


「翔太? そんな大事な情報は早く言いなさいよ!」


さっきからなんな訳?


「すまん………俺も、あれを見て思い出したんだよ」


………………まあ、間に合ったから、今回は見逃そう。

それからしばらくして、辺りに焦げ臭い香りが充満したけど、火は消えたみたいだから、よしとしましょう。


「じゃあ、進みましょうか」


目の前の扉…………が在った場所を、足元に注意しながら進んで行く。


「……………燃え残しがあったら、その都度、燃やして行こう」


多分だけど、こんな用途に使われたこの家は、すぐに解体されるだろう。地下室は埋められるはずだ。

……………証拠は残らないようにしないと。


「ここは空室?」


覚悟して入れば、そこはまさかの空室。大体、8畳程の広さだろうか? 下が板、それも丈夫なもので出来てるからか、放置されていても問題ないようである。さらに、奥の部分には、更成る地下へと続く、梯子階段があった。


「皆、準備はいい?」


(しろ)のお陰で、安全だとは知っていても、やはり、敵が罠を仕掛けていないとも限らない。警戒はしておくべきである。


さあ、鬼が出るか、蛇が出るか?

無事に救出できるのかしら?


まずは、読了、お疲れ様でした!

本日は久し振りに、当日投稿です(笑) いつもは前日投稿するんですが、忙しくて出来ませんでした。


さて、本日のテンシロは、色々と新しい部分が出てきました。翔太くんの知識にー、モンスタートラップにー、式神様にー。

詳しくはネタバレになりますので、ご勘弁を(笑)


では、次回にお会いしましょう!

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