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第5話 能力値を確認しよう♪

なにやら、フラグでました。


クラリオン王国首都、王宮にて。その一室に、この国の最重要人物トップランカーが勢揃いしていた………………。




うん、堅苦しい話はここまでにして〜。


待ってました! 能力値検査!!

あたし達の能力がようやく、調べられるのである!


「そうですね、まずは説明を先にさせて頂きます」


そう言って丁寧に礼をしたのは、聖神官の真っ白い服装をした、一人の若者。名前は、セバスチャン・コーデュロイさんていう、まるで執事さんの定番的な名前のひと。神官様…………なんだよね?

ついでに、なんで若者って言ったかと言うと、この人、マジで年齢不詳。とりあえず、若者と説明しました。

髪は、なし。それは綺麗に、ツルッツルに剃ってある。

そうか………この世界、宗教関係者は、ハゲか。


………………。


…………。


……。


ちくしょ―――――――――!!! あたしの楽しみを返せぇぇぇ――――――――!!!





うん、すっきりしたわ♪


さて、説明の続きをするわね! セバスチャンさんは、目は綺麗なアイスブルー、顔立ちは中々整った色白美男子。


でっ! でっ!! でっ!!! 年齢不詳。何才か分からない。


「勇者サキ様、説明を始めても宜しいでしょうか?」


あれ…………?

あたし、今回は何もしてないはずだよ?

ちょっと、セバスチャンさんの年齢が気になるから、考えてだけだよ??


あたしの頭がハテナで埋め尽くされていると、見兼ねたエリー様が心配そう?に、あたしの傍に来た。


「サキ、やはり色々と不安だったのですね? 御家族に逢わせる事は叶いませんが…………どうか我々を家族と思って頼って下さいませ!」


そう言って、ヒシとあたしを抱き締める姫様。

あー、何て、何て感動的なんでしょう!!



なのに、なのに!! 理由が分からない!!

明らかな勘違いなのである。




そしてもう一つ、皆様は覚えているだろうか?




エリー様の“お胸様”は、あたしを殺っゴッホンゲッフン……苦しめた過去があることを。

そして今、“まさに”、あの時と同じ“状態”になっている事も!!


「グハッ!?」


うら若き乙女、もといあたしから、何とも言えない悲鳴が上がる。

はいっそこっ! うら若き乙女とか誰?とか、突っ込まないの!



それにしても……………あぁ――――、またか、またなのですか!!


「うわっ! 何て羨ましい!!」


なんて翔太(馬鹿)が叫んだけど、無視。って、突っ込みどころはそこかっっっ!!?


あっ、息が………そろそろ…限界……………で………。




「姫様!! サキ様が死んでしまいますよ!!!」


そう言われて、ようやく解放。

またしてもクリスチャン・ディオールさんに助けられた。クリスチャン・ディオールさん、絶対にあたしは貴方に恩返しをしますよ!!!


「ぐるじかったよ〜…………」


口調が変なのは、まだ肩で息をしてるからです。はい。


「咲希ちゃん!? 大丈夫?」


優香ちゃん、今は貴方の優しさが心から嬉しいよ。


「やっぱりコントにしか見えない………」


少し離れた場所で、和磨(めんどくさいから、君は省略で!)は呆れてるし…………。


「あの〜、そろそろ始めても………?」


『『『ヒッ!?』』』


神官様の顔は笑ってましたよ、なんだけどね。



目が笑ってませんでした!!



『『『どうぞ、始めて下さい!!!』』』



綺麗に皆さんの言葉が重なった。勿論、あたしも一緒だよ………。世の中には、逆らってはいけない人がいるのよ。何だか、悟りの境地を開きそう……………。


「では、取り敢えず始めさせて頂きます、この水晶を触ってもらいますと、向こうにある10個のそれぞれの属性を表す水晶が光ります」


手前にあるのは直径20センチはある水晶で、それはアンティーク調の彫刻のされた石で出来た支柱に置かれている。

何でもこの石、魔柱石と呼ばれる魔力を流す性質のある石なんだとか。この世界では、一般家庭でも使える便利なものとして普及しているそうだ。

勿論、立派な物は値が張るため、庶民達は質が悪い物を安く買って使っているらしい。


「まずはどなたが行いますか?」


さて、やはりここは、も・ち・ろ・ん♪



「翔太、レッツゴー!!」


「何でオレ!?………まあ、いいけど」


すたすたと水晶に歩いていく。触れると………………。




『『『おぉぉぉ――――――――――っ!!!』』』




翔太が触れると、水晶のいくつかが光りだす。



光ったのは、『闇・氷・風・土・無』の5属性。



「これは凄い!! 一人で5属性の方は我が国でも数名しかおりません! さすが勇者様!」


鼻息も荒い神官様…………。興奮するのもわかるけどさ、神官様。物凄く、近付きたくないです。


「じゃあ次、和磨君いってみよう〜♪」


変なノリでお届けしてますが、あたしもテンション上がってます! マジで凄い、ビバ・魔法!!




ゴッホン、変なノリでごめんなさい。




「っ!?……………」


翔太バカとは違って、ジリジリと水晶に近付いていく和磨君。結構、慎重派のようだね、彼。

和磨君が水晶を触ると……………。



『『『おぉぉぉ――――――――!!!』』』




またしても割れんばかりの歓声がガイアから上がる。


和磨君の属性は、『光・水・雷・土・無』の、またしても5属性……………って、こんなのアリなの!?


「な、なんと、これは、あぁ〜………」


バタン―――


あまりの事に、神官様が倒れてしまった。しかし、顔がにやけ、鼻からは鼻血が、ドバドバと…………って、おいっ!! 大丈夫なのか、この人!? でも顔が幸せそう……………。


「エリー様、神官様が……早く治療しないと」


慌てるあたし達を余所に、まわりはなんとも閑かだ。

あれ? なんで?


「ふふふ………、咲希? いつもの事ですから、お気になさらないでください―――誰か、彼を別室へ」


すんごい冷静なエリー様。なぜだろう?


「サキ? 心配しなくても、あの神官様は、あれがいつもの事ですから、気にしなくていいんですわ、皆様から、鼻血神官と密かにあだ名を付けられている、変態さんなのですから」


神官様、あなた一体何をしているんですか? こちらにいる高官はバカなんですか? そうなんですか? ねえ、そこんとこどうなんですか?


「次はどっちやるんだ?」


空気を読まない翔太が、こちらに聞いてくるが、あたしは今、手が、もとい頭が離せないら無理。


「じゃあ、私が行くね!」


満面の笑みで向かう優香ちゃん。うん、あたしの心の平穏は、優香ちゃんの優しさだよ…………………癒される〜。


「それっ」


ぺたりと触る優香ちゃん。掛け声まで可愛いのね、この子。




『『『おぉぉぉぉ――――――――――――――!!!』』』



またしても上がる歓声が、ちょっと煩いけど、まあいいか。

優香ちゃんの光ったのは、『光・風・火・木・無』の5属性。もう、何から突っ込めばいいのやら………………。


「さあ、最後はサキの番ですわ!」


エリー様が嬉しそうに促してくれました。


「全く能力なかったりして(笑)」


そこにあの馬鹿がフラグを立ててくれました。後で覚悟してもらいましょうネ? フフフ…………。


「ん? 何か寒気が………」


ぶるぶる震えている翔太には、目もくれず、あたしはゆっくりと水晶に向かう。辺りは異様な静かさになった。

うん、あたしは最初に勇者として呼ばれていて、印もある。因みに、この印は他の3人にもうかんだから、全員勇者で決定してる。

だから、あたしが万が一、魔力無しでも問題ないのだ!

大切だから、もう一回繰り返す。魔力無しでも問題ないのです!!


「い、行くわよ………」


ごくりっ


生唾を飲み込む。緊張で震えそうになる手を伸ばして、水晶にそっとのせた。


……………………


………………


…………



『『『………はっ?』』』


「えっ?」


うん、様子がおかしいのは、上の反応で分かるよね?


あたしの魔力は、あった。有り難い事に、魔力はあった。



………………そしてその魔力に反応した水晶は、『全部』。そう、『全部』。『光・闇・火・水・氷・風・雷・土・木・無』の全部の水晶が光ってます。


…………………


……………


………



アハッ☆


って、全部――――――っ!!!???


「サキ、サキ!? これは一体!?」


うん、前代未聞なんだね………。神官様、あたしに祈りを捧げないで…………。

騎士の皆さん、何故に変な視線をこちらに寄越すんですか?

侍女の皆様、こちらにあからさまな笑顔(あまりに鬼気迫った)を寄越さないで下さいませんか?






何で、こうなった―――――――――――――っ!!!




ガクシッ。


どうも、秋月です。


本日、咲希ちゃんにフラグが立ちました。

うん、何やら嵐の予感………。


しばらく、てんしろ、荒れそうです………。


ん? もしかして、秋月は地雷を踏みましたか? 丸焦げの刑が来るんですか?? 

嫌だぁぁぁぁ…………。



咲希:とうとう壊れたわね、作者。

翔太:まあ、フラグ程、恐ろしい物はないからな。

咲希:そうね、あんたの所為で、あたしにはフラグが立ちましたよ!!

翔太:いや、あの、えっ!? オレの所為なのか!?

咲希:勿論そうよ!! 後で覚悟しといてね♪

翔太:ちくしょー!!! 変なフラグ立てちまった!?

秋月:ねぇ、翔太くん?

翔太:おっ? 作者、何してんだ?

秋月:君の所為で、変なフラグが立っちゃったんだけど? どうしてくれるのかな? 勿論、覚悟は出来てますよね〜?

翔太:おいっ!? さ、作者、お前………!?

秋月:まあ、翔太くん。お前なんて、汚い言葉はいけませんよ? 秋月は作者ですから、ね? 作者の特権があるのですよ!

翔太:ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――っ!!!

じゅどーん☆

秋月:温厚な作者だって、怒る時は怒ります♪

翔太:ガクシッ………

咲希:これは自業自得ね、翔太……。南無………。

翔太:オレ、まだしんでないんだがっ!?



こうして翔太“の”フラグは終わった。

ん? 秋月のフラグはまだだった!?


感想・誤字脱字・ご指摘、いつでもお待ちしております。なお、甘口で下さいますと嬉しいです。

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