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その八?

このお話はコメディータッチではありますがあくまで「ホラー」です!

苦手な方は決して読まないでください!

そして、食事前の閲覧はぜひご遠慮ください!

・・・ご飯がのどを通らないって泣きついても知りませんよっ!

  次の日?


 約束の翌日、僕はいったん一時間前に地下墓地に入ったのですが、彼女はやはり下着姿のまま、柩の並ぶ横穴に入ってスヤスヤ寝息を立てています。

「やっぱり…」

その恰好のままでは目のやり場に困るので、僕は彼女に着せる服を買うことに。ただドレスなどのあからさまに女性用だと分かる衣服を買う勇気はないので、無難に少し短めの安物コートを買った僕、再び地下墓地に着いたのは三十分前。

それにしてもひどい臭いです。鼻が曲がるという表現はよく聞きますが、そんな生易しいものではありません。

昨日の件があったので僕も安物のレインコートとズボンを着て来ているのですが、どこまで悪臭に耐えてくれるのでしょう。

「こんにちは」

横穴で寝ている少女に声をかけると彼女は背伸びをしながらそこから這い出し、改めて自分の着衣に気づくと

「いやあんっ!」

一応乙女の恥じらいはあったらしく、必死に女性の恥ずかしい部分を手で隠します。

僕がそっぽを向きながら買って来たコートを差し出すと、「ありがと♪」とそそくさと着込み、ちょっとだけ安堵のため息。

「それじゃ、始めるね。腐乱死体ゾンビよ…」

「待って!」

相変わらず一方的に呪文を唱えはじめる彼女を押し止め、僕は彼女の手を掴むと地下墓地の外へと連れ出します。

「あんっ、なによぉ!」

不満そうな彼女を無視し、僕は彼女をぐいぐい引いて歩きます。向かう先は僕の屋敷、なぜなら僕にはある確信があったから。

「この子は磨けばきっとかわいい女の子に違いない!」と。

屋敷の玄関を大きな音を立てて押し開く僕、ちょうど居合わせた老いた侍女が腰を抜かして逃げ出しますが、僕は構わず少女を浴室へと連れていき、全身を洗い清めるよう促します。

キョトン、としながらも素直に入浴することを認めたのか、彼女はいきなり僕の目の前でコートを脱ぎはじめ…

「待ってよ、僕だって一応男なんだからさ!」

慌てて叫んだ僕にこくりと頷き、少女は僕が脱衣場から出るのを待ってから浴室へ入ります。久々の入浴を楽しませている間に着替えを用意させようと、僕は侍女を呼び付け、彼女に合いそうな服をすぐ買ってくるよう命じます。

たっぷりと入浴を楽しんだ少女と着替えを買いに行った侍女はいいタイミングで合い、僕は侍女にさっそく新しい服を着せるよう命じます。

見るからに年寄り臭い野暮ったいワンピース、しかも品のない茶色と服のセンスは最悪ですが、サイズ的にはそこそこ合っていた様子で、少女は少し嬉しそう。つやつやの長い栗色の髪もきれいにまとまり、先ほどとは別人のように見違えた彼女に僕の視線は釘付けに。

「かわいい…!」

やはり僕の目に狂いはなかった、そう確信した瞬間でした。

色白の整った顔の輪郭に整然と並ぶ目や鼻、口。くるくるとした琥珀こはく色の瞳は何か吸い込まれそうに輝き、桜色の小さな唇はとっても愛らしい…まさに稀に見る美少女!

丹念に磨き込んだ肌からは甘い石鹸の香りが漂い、僕の鼻孔をくすぐります。

小柄で幼児体型は相変わらずですが、それなりにメリハリのあるスタイルは成長期の少女そのもの、将来はきっと…と思えるものを醸し出しています。

「いきなりお風呂に入らせるなんて、どしたの?」

怪訝そうに首を傾げる少女の顔をまじまじと見つめ、僕は思わず「好きです!」と叫んでしまいました。もちろん僕は大人の女性が好きです。やっぱり豊かな胸、くびれた腰にムチムチのヒップって最高じゃないですか!

ただ…やっぱり女の子はスタイルだけじゃない、見た途端にピンッ! と来るものもあるのです。つまり、一目惚れ、というやつですね。

例え一目惚れでもいい、一時の気の迷いと言われてもいい、この純真な思いには一片の悔いもなし! なのです。

「…はぁ?」

あからさまに「あんた、ばっかじゃない?」と言っているような、あきれ果てた顔をしている少女、つまり彼女にとって僕は「恋愛対象の枠にちっともかすらない」男なのでしょう。

…シクシク…

やはりM男の僕には女神様が微笑んでくれる余地などなかったのですね…

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