その七?
このお話はコメディータッチではありますがあくまで「ホラー」です!
苦手な方は決して読まないでください!
そして、食事前の閲覧はぜひご遠慮ください!
・・・ご飯がのどを通らないって泣きついても知りませんよっ!
僕が瀕死?
それから一通り満足したらしい少女は、なぜか下着姿のまま僕を揺り起こしてきました。
どうやら呪文は解除したらしく、腐乱死体たちの姿はもうどこにもありません。ただ足元には彼女が着ていたと思われる黒い布切れがいくつか転がっているのみです。
「明日も同じ時間にここに来てね♪」
彼女は媚びを売るように僕にそう囁きかけます。
ひどい頭痛と悪寒にふらふらしながらも何とか僕は起き上がり、一言礼を言うと昼下がりの街中を、自分の屋敷へとふらつく足取りで向かいます。
「こいつはやばいかも…」
肩でぜえぜえ息をし、僕は死ぬ思いをしながら何とか自分の屋敷に足を踏み入れたのですが、あまりの高熱にそのまま気を失ってしまいました。
どれくらい経ったのか僕がふと気がつくと
「よくもまあこんなになるまで放置しておられたもんじゃ!」
どこからか老人の怒気のこもった声が聞こえます。きっと僕は知らないうちに何とかという生と死の境を越えてしまったのでしょう。
「お坊ちゃん、もう大丈夫ですぞ!」
老人は僕に力強い声で語りかけます。って…大丈夫?
「…あれ? 僕は…?」
ぱっと起き上がると外は既に真っ暗ですが僕はまだ玄関口で寝たまま、ひどく遠巻きにしている両親と歳老いた侍女、そして顔を白い布で覆った老祈祷師が僕の顔を覗いています。
ということは、生きているならかなり長い時間僕はここに寝ていた計算になるのですが…
「死後の世界も生前の世界と変わらないんだ…」
意外と思える現実に感心しながら僕はすっと立ち上がります。
「いや、まだここはこの世じゃよ」
汗を拭きながら老祈祷師は僕にそう教えてくれ、本当に危ない状態だったことも明かしてくれます。
何とか病は完治したらしく、すっかり元気を取り戻した僕、改めて自分がひどい状態だと思い知らされます。
幾度も転んだせいかあちこち擦り切れてボロボロの服、大量に染み付いたねっとりした液体からは、ものすごい悪臭が立ち上り、僕は家族が遠巻きにしていた理由にそこで初めて気づきます。
父が遠くから着ている服を全て捨て、風呂に入れと喚いていますが、せっかくもらったばかりの魔法修習生のマントだけは絶対に捨てられないと僕は突っぱね、マントだけを侍女に渡します。だって今はこれだけが僕の存在価値を認める唯一の物なのですから。
汚物でもつまむように、指先で怖々マントを受け取った侍女は目一杯腕を延ばしたままそれを持ち去ります。きれいに洗濯するようには命じましたが、そうでもしないと彼女は躊躇なくゴミ溜めの上でそれを手放すでしょう。…命じておいてもしかねない部分はありますが。
他の服は全て捨て、風呂ですっきりした僕、新しい服を着ようとすると、父が僕を呼び付けます。
「あのひどいなりで帰って素直に寝られると思っているのか?」
父はそう凄み、僕を全裸のまま地下の拷問部屋に引いて行きます。
釘がびっしり植えられたベッドに僕を寝かせ、四肢を固定すると頭上のロウソクに火をつけ、それを僕の尊厳の真上に固定します。
ぽたっ、ぽたっ、と熱いロウが尊厳やその周囲に滴り、僕を静かに責め立てます。
父はそこで羽毛の刷毛を取り出し、僕の身体の弱い部分を徹底的に責めてきます。一度にいくつもの刺激を受け悶絶し続ける僕、永遠とも思われるその折檻は、尊厳の上のロウソクが燃え尽きるまでいつも続くのです。