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その十九?

  制裁


 「で、今朝のあれは何!?」

朝食に現れた少女はもう怒り心頭に達する、という状態でした。

少し派手目の赤いゴシックドレスが、よりその怒りを強調しているようにも見えますが、それ以前に僕自身もあの行動は軽率過ぎたと自覚してます。

だって彼女の全てを奪い取ろうとしたのですから。

少女らしい発育途中のみずみずしい裸体を見た僕のどこかが、あの瞬間に音を立てて壊れたのは知っています。

あの白い肌に顔をうずめたい、あのすべすべの肌を思う存分撫で回したい、舐め回したい…

そして…いえ、ここから先は自分の妄想にとどめます。

僕は最低です。彼女に尊厳を足蹴にされても文句は言えません。

全裸で屋敷の中を走らされ、若い侍女に情けない姿を晒し、悲鳴を上げて逃げられ…

「ごめん、理性を失ってました」

「理性を失ってた!? それ、言い訳?」

やはり彼女は怒っています。それも半端じゃ無いくらい。

このままでは彼女に嫌われてしまいます。いや、既に嫌われているかも知れません。

でも一緒にいたい。たとえ何をされようとそばに居て欲しい。

そう決心した僕は、朝食を済ませると彼女へのお詫びとして地下の拷問部屋へ案内しました。

そこで自ら全裸になり、思う存分折檻するよう頼みました。

「あんた、やっぱりバカだわ」

呆れ果てながらも、彼女は心がけだけは買ってくれたようです。

彼女は僕を磔台はりつけだいに固定すると、嬉々とした表情で鞭を取り出し、僕を遠慮なく打ちのめします。

そして、彼女の鞭は僕の尊厳に。

それはそれ以上はないほどの威厳を示し…

「あんた、やっぱおかしいわよ!」

蔑むように吐き出しつつ、彼女は執拗に僕の尊厳を攻め立てます。

鋭い痛みとともに、なぜかどんどん満たされた気分になってくる僕。

なぜ幸せなのでしょう、なぜ彼女に打ちのめされてこんなに幸せを感じるのでしょう。

やがて、僕は体の中心を駆け抜ける生命のほとばしりを感じ…

「まあいいわ、にしてもあんた、相当の変態ね」

呆れ果てた彼女の表情に、なぜか満たされたものが見えます。

そして僕も、打たれることに幸せを感じ始めています。

「あなた、面白いわ。これからもいっぱい苛めてあげるから」

「はい、これからもいっぱいっぱい、苛めてくださいっ!」


…第三部・完…

今回をもってこの小説はしばらく更新を休止させて頂きます。

気が向いたらまた更新再開するかもです。

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