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#6 恋の矛盾

「昨日、何かしてた?」


学校に着くなり、私の教室のドアの前で仁王立ちになって訊いてくる翔。教室に入れないんだけど…。「何かって…なんだろ。別になにもしてなぃよ」

俊ちゃんとの再会は特別なことだったけど。

翔は自分に関係無いことには興味持たない人だから、言う必要ないよね。そんな所もクールで好きなんだなぁ。

「あーそう。なら良い」

むすっとした顔で言い放つ。

何何?気にいらないことでもあったのかな。イヤな思いをしたのかな…。

「翔、何かあったの?…疲れてるとか?」

「別に。じゃぁな」

えっ。

翔がわざわざ私のクラスに来たのに、なんでもないワケないと思うけど…。

「わかった、またね。放課後、そっちに行くから」

いつも学校が終わると、あたしは翔と一緒に帰る為に会いに行く。

隣のクラスだし、休み時間によく遊びにも行く。

でも翔は昨日みたいな宿題があるときとかにしか来ないんだ。

だからこそ、今日みたいに朝から来るなんてただ事じゃないと思ったんだけど。

「あ、紅にもう一回だけ言っとく」

翔が真顔であたしを見つめる。整った顔立ちで、深い瞳に吸い込まれそう。

「俺、嘘吐きは大嫌いだから」

………え?

ズキッ厳しい目。

鋭い視線。

いつも私のペースを乱しながらも楽しそうに輝く目とは違う。別物。

なんで今更、わかりきったことを言うの?

戸惑いながら心の中で聞いてみる。もちろん、届くわけはない。

あんな目で見られたくない。

でも私が何をした?

わかんない…。

バカだから気付いてないのかな。

視野が狭くて、周りに気を使えていないからわからないのかな。

翔の言葉を

「え?」

って疑問に思うことがある。

別に気にしてるわけじゃないけど、よく考えたら私と翔はアイコンタクトなんかが出来る程繋がっているとは思えないよ。

もう二年も付き合っているのに。

なんでだろ。

翔を好きって気持ちは誰にも負けないし、翔もあたしを好きって言ってくれた。

…もう、二年前になるわけだけど。

『好き』って、一度しか言われたことがない。でも言葉にしなくたって通じてると信じているよ。愛することは信じることだと言うし。

翔もそうでしょ?言葉にしなくても伝わってるって、私を信じてくれてるんだよね…?

気持ちは形にならないから、伝わってるかどうか目に見えないけど、私はずっとそう思ってるよ。

……あれ?

わかんなくなってきた…。

気持ちは見えないけど、私は確かに翔が大好きで、だからお互いに信じあってるんだって信じてる。

合ってるよね。

だから、あたしが、翔が自分のことをどう思ってるか不安になるなら翔を信じてないことになるんだ。

…理屈はわかる。すっごくわかる。

でも何かが違う。繋がってるっていう実感がないのは、信頼関係がないから…?

私は翔が大好き。

翔も昔、私を好きだと言ってくれた。それは真実。

でも今は、態度を見る限りはっきりそうなのかって自信は持てない。

昨日までは不安も、疑問も持ってなかったのに、どうしていきなり?

私の心の中で、何かが矛盾してる。

もやもやする…。

私が今まで信じてきたものの根拠って何?

信じることに理由を求めちゃ行けないとも思うけど…。

だめだ。

本気でごちゃごちゃしてきた。

元々あたしは考えるのが苦手なんだよ。

思ったこと、感じたことそのままで生きてきたから。

慣れないことはしちゃいけないょ…。

昨日思ったばかりなのに。

今、ぐちゃぐちゃ悩んでも仕方ないよね。

とにかく、様子を見てみよう。

『だけど好きな人』は、賛否両論別れる作品となって参りました。今回の話は、紅が少し疑問を抱き始め、ややこしくなってしまいましたA^-^;これから上達して行きたいので、アドバイス・批評等々よろしくお願いします。感想くださった皆様、有難うございました☆

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