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#3 お買い物

「俺今日急ぐから、一人で帰って」

帰り際に教室に来た翔が、言う。

「はぁい、わかった。また明日ね」

「ん」

走って行っちゃった。

というか、いつも翔は水曜日、急いでる。

だからこそあっちゃんと翔のプレゼントを買いに行こうと思ったんだけど。

「ねぇあっちゃん」

「うん?」

「翔って水曜だけ、どうして早く帰るのかなぁ?」

え?!という大声が後ろから飛んでくる。

「ねぇ、理由知らなかったの?!」私の肩を掴み、真剣な顔で目を見てくる。

「う…うん」

「はぁっ」

大きく息を吐き出し、肩から手を離す。

「紅は気にならないの?」

「ん〜気にならないって言ったら嘘だけど、付き合ってるからって何でも訊くのはどぅかなぁって…」

「じゃぁ紅は、訊いちゃいけない程大変なことだと思ってるんだ」

…あれ?

「どぅなんだろ…わかんなくなってきた」

「そうなんだと思うよ。だから無意識にセーブしてるんだよ」

「…そっかぁ。じゃ、明日の帰りに訊いてみよっかなぁ」

「そうしなよ」

あっちゃんは、とても可愛い笑顔になる。

これ見てると癒し系だなって思うよ。

「じゃぁ行こうか、お店」

「そぅだね!紅、ベルトかウォレットチェーンか…とにかく、いつでも使えるのが欲しいんだっ」

「よし、探してみよ」

§

あっちゃん行き着けのお店三店は雰囲気も、商品も価格も良くて私もこれから沢山来ようって思った。

途中であっちゃんの塾の時間になっちゃって、私一人で探し始めた。

「あ、かっこいいウォレットチェーン発見!」

これ翔に似合うかな。

似合うよね…きっと。

翔のクールなイメージとぴったりだし。

これにしよっかなぁ。

「いらっしゃいませー、何をお探しですか」

男の人の声。

「あっ、これ買おうかなっと思って」

「あ、それは現品限りでねーすごく人気あって、それしかなくなっちゃったんですよ」

「あっ、そうなんですか?」

店員さんの方に振り返る。

「「あ」」

二人でハモる。

「きゃー俊ちゃんっ」

しゅ…俊ちゃんだっ。

「みぃ?紅か!!」

あっちも嬉しそう。

「久しぶりぃーっ」

と言って、昔のように抱きつく。

「わっ、これも久しぶりっ」

いきなりで驚きながらも抱き返してくる。

自然に体が離れ、紅は両手をきゅっと握りながら話す。

「いつ戻って来たの?」

「先週の日曜」

「すぐ教えてくれたら良かったのにっ。今どこ住んでるの?おじさんおばさんは??」

「あっ、ヤバいよ、みぃ」

「え?」

「俺バイト中だから…。」

レジにいる人がちらちら見てくる。

「ごめん…」

「や、平気。ウォレットチェーン買うの?」

「あ…うんっ。プレゼント用にしてくださぃ☆」

「かしこまりました。みぃ、俺もうすぐ上がるから待てない?話そう」

「うん、待つ待つ」

「良かった。今日は良い日だな」

「ホントだねっ」

ウォレットチェーンを包んでもらって、近くの本屋さんで時間を潰すことにしました。

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