#13 嫉妬心?
「あっちゃん、ちゃんと距離を置くことになったよ」
あたしなりの真剣な顔をして、あっちゃんに伝える。
「ほんとぉ。よく言えたね、頑張ったじゃん」
あっちゃんは笑って、褒めてくれる。
嬉しいにゃんっ。……なんてね。
「で、皆瀬はどうだった?素っ気ない感じだった?」
「ううん、絶対別れないからな、って言ってくれたっ」
そう、翔と紅の絆はこれからも続くってこと。
「え…あの皆瀬が?また解釈間違えたんじゃない?おかしいよ」
不安げなあっちゃん。
「大丈夫。態度で示されたから」
ほぅ…
吐息を溢す。頭から焼き付いて離れないよ。やだ!恥ずかしいっ。
「なんかされたの?」
いぶかしげな表情で紅を見るあっちゃん。
「それ、昨日俊ちゃんにも言われた〜」
あたしは笑いながら、昨日のことをあっちゃんに話した。もちろん、あのキスのことは恥ずかしすぎて言わなかったけど。
「…つまり、それは、俊ちゃんを見て態度が豹変したって感じでしょ」
…えぇ?
「どぅして俊ちゃんが関係あるの。ただの幼なじみなのに…」
なんだろう。あっちゃんはあたしの話を聞いただけで、何かを感じ取ったの?
「んー、まずね、“ただの幼なじみ”って思ってるのは紅の他に誰がいるのかってこと」
「言ってることがよく分かんないけど、それは翔も俊ちゃんも、もちろんあっちゃんもでしょ?」
あっちゃんは軽く溜め息を付き、
「私はね…、他の人はそうでもないと思うな。少なくとも皆瀬は。だって、明らかに敵意剥き出しじゃない。『お前には渡さねぇぞ』って、語ってる」
敵意剥き出し?!にやにやしてはいたけど、でも……。
「それで、紅の気持ちを離さない為に『俺のもんだ』なんて言ったのよ。まぁ、自分に自信が無いと出来ないね」
そんな、深い意味があったのかな…。その場にいたあたしは何も分かんなかったのに、どうしてあっちゃんは分かるの?
「凄いね、あっちゃん。なんかカッコイイ」
尊敬の眼差しであっちゃんを見る。
「そう?ま、紅が皆瀬のことを本気で好きなら俊ちゃんの登場は良い事だったんでしょうね。そのお陰でヤキモチ妬いてくれてるんだから」
「ヤキモチ?!」
やだぁ、そんな可愛いことを翔がしてくれるなんて…。
あっちゃんの推理が当たってると良いな。
「そっかぁ…そうなのかな…。嬉しいな…」
考えていると、だんだんと自然に顔がにやけてくる。
「紅、だらしない顔してる。このチャンスものにする為に、しっかりしなきゃ!」
あっちゃんが喝を入れてくれる。
「うんっ。有り難う、紅頑張るよ!」
あたし、絶対に翔と通じあえる女になる。
そしたらきっと、翔からあたしに何か行動を起こしてくれるから…。
なんだか雲行きが変わって来ましたね。翔の本心はどうなんでしょう。皆様、メッセージやアドバイスなどありましたら、よろしくお願い致します☆