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#12 放心状態

「おかえり、紅」

少し戸惑い、放心状態の私に優しく微笑む俊ちゃん。

心に染み入る暖かい笑顔…。

「ただいま」

にこって、こっちまで笑顔になる。

「おばさん、夕飯の買い忘れあったらしくて急いで出てったよ」

「そっかぁ…。ママよくやるんだよー、忘れっぽいの」

あたしの言葉を聞くと、俊ちゃんは笑いながら、

「みぃが言える立場じゃないだろ。ほんと似てるな、おばさんと」

「そっかなっ。よく言われるけど、自分じゃわからないんだよねー」

「……紅、なんかあった?そういや今、彼氏といたみたいだけど、仲直り出来た?」

何を感じ取ったのか、いきなり心配そうな顔をする俊ちゃん。この顔またさせちゃったよ。

「仲直りはしたけど…距離を置いてみることになったの」

そう。でも翔は別れるわけじゃないって、私に……。

ボッ

顔が赤くなってるのがわかる。翔に対して、どんな態度すれば良いのか困る…。でも流石にこの話を俊ちゃんにするのは恥ずかし過ぎるよ。

「どした、なんかされた?」

俊ちゃんの言う“なんか”が、一体どんなことを指してるかは色々ありすぎてわかんないけど、これは言えない…。

「ううん、なんにもないよ。でも距離を置くって感覚がわかんないから戸惑ってはいるんだけどね。俊ちゃん、紅、着替えてくるね」


ぱたん…

少し湿度のある、暗い自分の部屋。ベッドに腰を掛けて、ほーっと溜め息をつく。

「距離を置く…かぁ」

置いたって翔は待っていてくれるんだよね?なら、じっくり考えてみれば良いんだ…。翔が離れてしまう心配はなくなったんだもんね。

でも、何を考えれば良いんだろ。

翔があたしを都合が良いとか言ったのが気になったけど、翔はあたしから離れようとしなかったわけだし…。ってことは、やっぱりあたしのことをちゃんと好きでいてくれてるってことだよね!

問題は、あたしが自分に自信がないことや相手の気持ちを分かることが出来ないこと、だよね。

じゃぁ…明日から、学校で客観的に翔のことを見てみよう。

そしたら何かわかるかも。

紅にしては良い考えだよねっ、冴えてる。


「紅ー?ご飯よ!」

階段の下から、ママの声が聞こえてくる。

「はぁい!」

ちょっとスッキリしたからお腹ぺこぺこ。俊ちゃんも来てるしたくさん食べよっと。


「うっわぁ〜良い匂い!」

鯵のフライだぁ☆

このソースがまた、美味しいんだよね…。衣はサクサクだし、感激。

「おいしぃ〜〜」

食べてると幸せになれるって本当だなぁ。これで明日からも元気に頑張れるんだよね。

ママに感謝だよ。


そんなこんなで食べ物に夢中になっていたから、俊ちゃんがじっと紅のことを観察してたことに気付かなかったんだよね…。

そろそろクライマックスに近づけると良いな、なんて思っています。このお話はあまり長くしたくないと考えているので…。ここまで読んでくださった皆様、有り難う御座います。感想やアドバイスなど頂けたら参考にしますので、是非よろしくお願いします。

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