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#10 考えたい

「それ……ホントに皆瀬に言われたの?」

「うん、そだよっ」

天気も良いし、久しぶりに中庭でお昼を食べることにした。それで、翔の話をし始めたとこ。

「それさ…そんな簡単に流して良い話なの?だって、一途そうだから都合良いって思われてるんでしょ」

声に不安が滲出ている。そんなに、深く考えることなの…?

「でも、ムカついて言っちゃっただけだって言ってたし…」

“不安”が移ってくる。都合ってどんな都合か知らないけど、私は今まで翔の

「紅みたいな子が大好きだから」

という言葉にだけ支えられて来たんだよ。

でも…“紅みたいな子”って、何。一途な、都合の良い子のことなの?

でもそしたら、一途なら誰でも良いみたいじゃん!

やだやだ、マイナス思考になっちゃってるよ。大丈夫、翔と私はラブラブなんだから…。

あ、でも、いまいち翔の考えがわかんないんだよね…。どうしよ…。

「紅?大丈夫?…ねぇ、言いたかないんだけど、どこか無理があるんじゃないかな。紅と皆瀬って」

ギクッ…

胸が痛い。痛いところを突かれたって感じがする。

「その…、やめろ!とは言わないよ?紅だってちゃんと考えてるんだろうし、私が知らないこともたくさんあるんだろうから。だけどね…」

だけど、ともう一度小さく口の中で呟いてから、

「紅は、少なくとも今の紅は楽しそうじゃないよ。いつも、どんなに辛いことあっても笑いながら解決して乗り越えてきたのに。すごく苦しそうに見える。そんな紅は、見てるのも悲しくなるよ…」

笑って…。ホントだ、笑ってない。口角が下がって、力を入れてもびくともしない…。

「あっちゃん…どうしよう。翔が好きなのに、考えると辛いよ。自分は翔のことをなんにも分かってないのがわかるから…余計苦しいよ」

すがるようにあっちゃんの膝に両手を置く。

「…ねぇ、紅。少し距離を置いてみたら?俊君の誤解は解決してるんだから、紅に非はないし」

「距離を…置く……?」

今私から離れたら、もう翔は遠くに行っちゃうんじゃないかな。

また

「面倒い」

って切り捨てられて終わっちゃうかもしれないよ…?

「やだよ、あっちゃん。それは怖いよ!翔がいなくなっちゃうもん」

やだ…また泣きそうになってる。もう涙目かもしれない。

「離れて行くなら、皆瀬はいい加減な奴だったってことだよ。紅も追ってばっかじゃだめ。このままズルズル付き合ったって良いことあるとは思えなくない?」

それは、私がしたくない一番のことだ。

こんな気持ちのまま付き合っても、きっといやな思いするだけだね…。

「わかった。今日一緒に帰るから、その時に言うね」

一回落ち着いて、ゆっくり考える。きっとそれが一番良いんだよね。

このお話はあまり長くならないように展開を早くしていこうと思っています。読者の皆様、読んでくださって有り難うございます☆

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