木枯らしの星で
ここは星空が明るく照らす木枯らしの星。
一人の精霊が立ち寄ります。
「とても寒い…」
人気の少ない道、たまに見かける人々もとても寒そうにしています。
村の外れには氷の城が建っているようです。
「この寒さはあの城のせい?」精霊は城に向かいます。
城には妖精と巨人がいました。
いつ見ても妖精は、巨人に寝かしつけられているようです。
精霊は天を仰ぎ、神に尋ねます。
「神様、妖精はずっと眠ってばかり。起こしてもいいよね」
――そっとしておきましょう。
でも、精霊は気になって、巨人の隙を見て妖精を起こします。
目を覚ました妖精は城を出て、村へ向かいます。
精霊は妖精の元気そうな様子に喜びました。
妖精は村の出店でお菓子を食べました。
でもここは寒い星、冷たくておいしくありません。
妖精は火の力を使ってお菓子を温めました。
お店のおばさんも暖かくてうれしそうです。
「もっと暖かくしよう」
妖精は喜んで舞い、周囲に炎をつけます。
炎は妖精の舞に合わせて燃え広がります。
あっという間に村は燃えてしまいました。
この様子を見た巨人は悲しみます。
「なぜ起きている…」
巨人は疲れて眠った妖精を連れて城に戻ります。
精霊は神に尋ねます。
「村が燃えちゃった。私が悪かったの?ねぇ神様、何とかしてよ」
――いいえ、あなたは悪くありません。
もう神の声は聞こえません。
精霊は深く悲しみました。
そうだ、城を持ち上げよう…。
精霊は祈り城を空中に浮かせます。
「もっと、もっと」
まるで、天空の城です。
「ダメ、もっともっと高く」
精霊は精一杯祈ります。
気が付くと城は空高く舞い上がり、星となっていました。
精霊は、城の中の妖精と巨人に話しかけます。
「もう起きても大丈夫。外の生命は少しぐらいでは傷つかないよ」
精霊は炎に強い新しい生命を城の外に作っていました。
妖精は起き上がり、巨人や新しい生命と共に、星を燃やし楽しく遊び暮らしました。
新しい星が太陽となって、優しく星を照らします。
星は太陽の光を浴び暖かく、穏やかな星になりました。
「神様、ありがとう。一人ではここまでできなかった。力をくれたのね」
――いいえ、あなたがこの星の意思を動かしたの。私は星の意思の手助けをしただけ。よく頑張りましたね。
精霊はとても満足して、次の星に向かいましたとさ。
おしまい。




