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夢回帰―感染
あれから『僕』は店の方に帰った。
…けれど、相変わらず『僕』は役立たず。
いや、前にも増して身は入らなくなっていた。
あの人の事でいっぱいになってしまって。
気付いたのだ。無理でも可能でも、『僕』はあの人の所へ行きたいのだと。
どんな世界でも、ココよりはましなんじゃないかと。
…それでも、ズルズルと一週間位は堪えていた。
…でも、いや、それで『僕』は決意し、決意した夜にあの場所に行った。
『………やっぱり来たんだな』
小さく頷いた。金髪の人は、溜め息のように息を吐く。
『…後悔しないか?』
『しません。…だから此処へ来ました』
彼が頷いて、『僕』の肩に手を掛ける。
首筋に息が掛かり、ぞくりと身震いした。
『―分かった。なるべくサポートはしよう。』
期待と、嫌な記憶との現在の照合に―身体が震える。
金髪の外国人は、そんな『僕』の身体を抱き、膝を折って背を合わせた。
『後には戻れない。分かったな』
『―…はい…』
『―いただきます』
―ズ、と、身体の中に
小さな異物が射し込まれた。