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ヒトリミサキ  作者: ⻆谷春那
第1章 日常は泡沫
4/7

御池の千代さん

「え?嘘?!またパス?!」

「しょうがないじゃろ、皆、今時の怪談を知らんのじゃ。」

「一応持ってはいますよ?」

「語ってはいけないタイプの怪談は、0カウント!」

「ちょっと聞いてはいけないことを聞いてしまった気分です...」

「『realなヒトコワ』じゃなくて、『私が出会った手ごわい狂人』seriesは聞きたくないです!」

「頼んだ。」

「しょうがないなぁ...」

———————————————————————————————————————————————

———今度はこんなお話。

   「御池の千代さん」。

———どんなお話なのでしょうか?

———自分を殺した彼氏をまだ愛している千代さんが、自分の彼氏を、

   自分の死体がある池に引きずり込んじゃったの。

———「歪んだ愛」疑惑に1票

———まぁ、確かに歪んではいるね。

   でも、まだそれでお話は終わらなかったの。

   千代さんは若干妄想癖を持っていたの。

   「自分の彼氏はこんな惨めな姿は見せない」

   「これは偽物」

   だって思い込んじゃったの。

———それがdarlingだったのにですか?!

———そう。

   それで千代さんは、毎年自分の命日に、自分の彼氏と同じ苗字の人を、

   池に引きずり込んじゃうんだって。

   池にいなくても、池に迷い込ませるんだって。

———意外と安直な話だな。

ヒトリミサキ

岬は小池になりました


「日常は泡沫」編 怪談

御池の千代さん

「・・・今日も暑いな…」


今日は、始業式。


「・・・夏休みが終わってしまった…」


今回は例年に増して、怒涛の日々だった。

忌々しい警察のせいで、貴重な日々が泡のように浪費されてしまった。

あの税金泥棒達め。

税金の分の働きはしてもらいたい。

ましてや、善良な市民を疑い、長時間拘束するなんて、以ての外だ。

あんな女のために超人気モデル(・・・・・)のこの俺の貴重な時間を奪うなら、

俺のストーカーを取り締まってほしい。

俺が払った税金で飯を食っているわけなんだから、

俺のためになるように働いて欲しい。




まぁ、実際犯人は俺なんだがな。

「警察なんかに俺の華麗なる完全犯罪は見抜けっこなかった」

ってことだな。




全く、警察も無能だな。

死体すら見つけられていないなんて。

凶器と死体を池に捨てただけで見つけらなくなるような警察なんて、

もはや、税金を払う必要が分からない。




まぁ、俺がかっとなって首を絞めてしまったとはいえ、

俺は実行犯じゃない(死体遺棄はしてない)から捕まらないだろうがな。




アイツは姉よりは顔は劣るが、馬鹿だから使いやすかった。

あとは適当なことを言ってアイツを自首させておけば、コンプリート。

俺の容疑も晴れるってものさ。

そしたら忌々しいあの週刊誌の記者ども、いや、会社ごと、名誉棄損で訴えてやる。




あの女も馬鹿だよな。

変な正義感働かせて

「警察に言う」

とか言わなければ、今でも俺が可愛がってやってたってのに。

全く、女のくせに俺に指図するからいけないんだ。

馬鹿な女だったな。

ドラッグなんて、今時誰もやってるってのに。

浮気と嫁いびりに並ぶ、新しい日本の裏番付だってのにな。




「俺があの女と付き合ってたから」

ってだけで、証拠もないのに俺を疑いやがった警察どもも、週刊誌も、糞くらえだ。

まぁ、それもこれも、俺が10年に1度のイケメン、

超人気モデルであるせいだな。


「いや~、イケメンは罪だな!」


・・・今、真後ろに黒い影が映った…

またストーカーか…

しつこいな…

警察は何やってるんだが。

この、超人気モデルの俺がこんなに困ってるって言うのに、

ストーカー1匹捕まえられないなんてな。

——————————————————————————————————————

「ん?」


おかしいな。

見たこともない池に着いてしまった。




・・・考え事してたせいか?


「まぁ、暑かったし、ちょうどいいや。

何か学校に行くのもめんどくなってきたし。

ここでサボろっかn」

〈久しぶりだね、岬くん。〉

——————————————————————————————————————

岬 昴が振り向くとそこには、とてもよく見知った顔があった。

岬が首を絞め、彼女の妹に泣きつく演技をし、彼女の遺体を遺棄させた。

そんな間柄の、良く見知った、いわゆる「元カノ」と言われる女性である。




「絞められた時の首の痕が残っている」

と言う表現を使いたかったが、生憎、夏のせいか腐敗が早く、

もはや首はろくろ首のようになっており、

その痕がどれだか分からなくなってしまっていた。

美しかった面影は消え、ぶよぶよの手足と、もはや人間とは思えない色をした肌、

そして原型をとどめていない顔のみが残っている。


「う、うわぁぁぁ!!!」

〈久しぶりだね、岬くん〉

「ち、ちちち、ち。」


どうやら再会の感動と驚きで、声も紡げないらしい。

死体(彼女)の名前を言おうとするが、形にならない。


〈会いたかったよ、岬くん。〉

「ち、あ、な、あ、え、あ。」


ようやくここが、千代嬢の遺体を遺棄した池だと気づいたようだ。


〈岬くん、どうしてそんなに怯えるの?〉

「あ、あああ、あ」

〈岬くん、ここは涼しいんだ。〉

「あ、えええ、は」

〈お外は暑いもんね。〉

「わ、あああ、わ、は、」

〈岬くん、知ってる?

池の中はもっと涼しいんだよ?〉


そう言って岬の足を掴む千代嬢。


「や、ゆあえめてくれ!!!

す、すななかった!

や、ひゃめてくっれ!」


醜い断末魔を上げながら岬は池に引きずり込まれていった。




水面は揺れたが、また、元の静寂を湛える。

皆々様、初めまして、またはこんにちは。

⻆谷春那です。


いかがでしたか、皆々様?!




とは申しましても、全然怖くなかったですね。

すみませんね、⻆谷はホラー書くの苦手だったみたいです。




まぁ、頑張ります。

次章もお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
岬昴…南無三… これはれいこちゃんが岬海斗を救おうとしているパターンなのか…?展開が読めぬ!!次回も楽しみにしてます!
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