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宿

「もう、今度は何があったんだよ、2人とも」

 待ち合わせの場所に着いた時には、2人は既に睨み合っていた。

「だってカルロが、俺が宿の女将と交渉してる間に勝手にいなくなるんだよ」

「お前に任せて大丈夫だと思ったから、先に待ち合わせ場所に戻ろうとしただけだ」

「抜け駆けする気だったんだろ⁈」

「エリック!従者としても口が悪すぎる。

 急にいなくなって心配だったならそう言えばいいのに。それで?宿は取れたのか?」

 2人のいがみ合いにもだいぶ慣れたが、エリックの態度にはヒヤヒヤする。相手は王様だぞ。

「ああ。2人部屋だけど3人泊まれるって」

 俺達は早速宿に向かった。


「ベッドが2つか。カルロはこちら側でいいですか?」

「問題ない。だが、ベッドが足りないがどうするんだ?」

「俺とエリックで一緒に寝るので大丈夫です」

 王様が何やら難しい顔をしている横で、エリックは、反対のベッドの上に勢いよく座った。

「後で街のお偉いさんが、診療をしに来る予定だから寛ぐのは待ってよ。エリック」

「ちぇっ。来る前ならいいだろ」

 治療院で聞いてきた話を先にしなければと、王様に向き直る。

「今日、この街の治療院に王様の人相を探しに来た男がいたそうです」

 エリックもベッドから降りて近寄って来る。

「騎士風の服装だったそうです。てことは、近衛騎士なんじゃないでしょうか」

「……残念ながらそうとも限らない。辺境伯のところには、国境を守るために兵と騎士も常駐しているんだ」

 そうか。そうとも知らずぬか喜びをさせてしまった。

「この街に探しに来たということは、王宮に向かう途中の街は全て追ってがいると考えた方が良さそうだな」

「宿や治療院等、関わる人は最低限にした方が良さそうですね」

 とは言っても、どんなに関わりを減らしたって目撃されるだろうし、人の口に戸は立てられない。

「相手はこちらを知ってるのに、こっちは相手がわからないんじゃ気をつけようがないんじゃないか?」

「だから王様を他の人の目に触れさせないようにと……」

「探してるのって金髪なんだよね?泥とかで汚して染めるんなら俺やってやろうか」

 手をワキワキさせて、悪いことを考えている顔をしている。

「それだ!」

 エリックはまるでイタズラ小僧のような仕草だったが、良いことを言ってくれた。

 俺がお偉いさんの診療をしている間、エリックにはある薬草を購入してもらい、作り方も指示を出す。

 王様には、まだ人の少ない時間にゆっくりと入浴をしに行ってもらった。

 器用なエリックは人懐こい性格を存分に発揮して、薬屋でしっかり目的の状態になるよう手伝ってもらい宿に持ち帰った。

 俺も来客がなければ自らやりたかったが、エリックの反対に合い、更に診療も残っていたため泣く泣く諦めて、エリックに浴室の王様の洗髪を指示した。

 お偉いさんの診療を無事終え、帰るのを見送るため一緒に部屋を出る。

 早く浴室へ向かいたい。

 ところが帰り際、不要だと言うのに、貴重な治癒魔法のお礼がしたいと、お偉いさんはなかなか帰ってくれなかった。

 もういい加減に適当に相槌を打って帰ってもらった頃、2人が部屋に戻ってきた。

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