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晩餐

 王宮からの使者と院長は、治療院の奥にある院長室という名の、書庫や倉庫とも呼ばれる部屋からしばらく出て来なかった。

 お茶を出したセリラージによると、院長は昔、王宮の医師をしていたことがあり、使者はその頃の知り合いでもあるらしい。

 積もる話でもあるのだろうと気にも留めていなかった。

 洸哉とローデンが治療院に戻った途端、急患が運ばれてきたこともあり、使者が帰ったことにも気づかなかった。

 治療院の仕事を終え、皆んなが帰り支度をしている時、モンデプス院長がローデンを呼ぶ。

 院長が今度はローデンと別室に籠った。

「何かあったのかな」

 セリラージに尋ねてみたが、彼もまた何も知らないと言う。

「今日の仕事が終わったら皆帰ろうか。何かあれば明日説明があるだろう」

 帰宅し、いつものように夕飯の準備をしていた時だった。

「洸哉、今いいかい」

 ノックと共に、院長がやって来た。珍しい。

ローデンと込み入った話をしている間に帰宅したが、別れてからもさほど経っていない。

「どうしました?急患ですか」

 院長が患者から離れる訳もないのに、院長がこの家に来る理由で思い付くことは急患くらいだった。

「美味そうな匂いだ。シチューかな」

 のんびりとした院長の声は、ピリピリした気持ちをいつも和らげてくれる。

「牛の乳を貰ったので。肉も入ってて栄養満点だよ。一緒に食べませんか」

「食べながら話をしようか」

 そうして、院長と2人、向かい合わせでシチューとパン、チーズののった温野菜といった食卓を囲む。

「洸哉は料理上手だな。少しの間一緒に暮らした時も、毎日美味しい思いをしたよ」

 当時を思い出したのか、食べた料理名が次々に出てきた。

 専門学校から1人暮らしで、節約のために覚えた料理は、この世界でも役に立っている。

「喜んでもらえて良かった。今晩も沢山食べてほしい」

 1日労働して空腹だったこともあり、休みなくスプーンを動かし、多めに作ったが2人であらかた平らげる。

 歳を取ってもよく食べる人は元気だ。

 テーブルを片付けお茶を出すと、モンデプスが話し始めた。

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