小さな戦争になってしまった(姉は暴れまわった)
え~と、あれは何なんだろう?
完全に劣勢になってから、3人の女が、
「天空」
「大地」
「愛」
と叫んで光の中に飛び込み、姿が消えて、その中から巨大な・・・巨大ゴーレム?巨神像?巨大カラクリ人形?が現れたわ。
「正鬼神推参。」
訳わかんないわ。
それ以上に分からないのは、愚弟ムギ、
「天と地を2別とし、固定したものとして、愛のみを尊しとする虚偽の教えと力を持って世界を狂わせ、混乱つせる者達よ、この世界は赦しても我は存在は許さぬ。そして、鬼だと、キだと、キがあるだと?キはないのだ。キはナシでなけばならない、しなければならない、してやる。木梨様への言霊の呪いは、ご無礼は絶対容赦しない。」
とか訳の分からないことを言って、
「こいつは、私が始末します。いや、無いものにします。他は頼みます。姉上、お前たち、ランビック様、カンティヨン様を守ってくれ。」
と向って言っちゃった。何か、言葉を挟めない顔だった。キナシ様っ何?こいつは何考えているのかしら?
ところで、何?後半は。
「ランビック様、カンティヨン様を守ってくれ」
ですって、私と使用人達を一緒にして。私はどうだっていいの?まあ、身内だから・・・てか王女様達だった嫁なんだから、身内で・・・なんか、そう思うとむかむかしてくるわね。この姉を・・・。大体、3人であわれな声をだして、出しているのは姫様達の方だけど、いつもいつも夜になると・・・昼間もイチャイチャベタベタ。姫様達もはしたないけど、ムギ、あんたまで、何よ。ああ、また何かむかむかしてきたわ。ああ、使用人達は、もう完全に目を輝かして戦闘中。かつての復讐。そして助けられた恩。日々鍛錬して、ムギお手製の兵器を持って・・・なかなかやるという感じなのすら、面白くないわね。なんか私のムギが、私だけのムギがどこかにいっちゃったような、寂しい・・・なに言ってんのよー、もう私ったら。
もう、こいつら手加減ナシ、死んだって知らないからー。全てムギが、愚弟が、お前が悪いんだからね。情報取りに残すのは、あんたの責任だからね。
「みんな。手加減なしよ。我が家の武勇を見せてあげるのよ、こいつらに。」
と私は、使用人達に指図したわ。すると、
「おー!」
とみんなが呼応。
「その意気。行くわよ。遅れをとるなー。」
私もだけど、みんな皆殺しだー、の目つき、表情よね。
あれ?私達は、相手を圧倒しているけど、ムギの方は、一方的というには甘すぎる・・・、違うわ、弄んで、苦しめて、苦しめぬいている・・・というところかしら・・・。巨大ゴーレムが・・・。巨大ゴーレムの攻撃は、空を切ったり、軽く弾き返されたり、受け流されたり、逆に跳ね返った攻撃が、ゴーレム自身に打撃を与えられる。その拳も、蹴りも、叩き下ろす足も、避けられ、軽く手で止められてしまう。中の3人は焦りまくっているのが、中から響く声からもわかるわ。
「馬鹿にしているのか!」
「これでどうだ!」
「死んじゃえ―!」
ムギは、怖いくらいに狂喜にみちた表情。笑っている。本当に、何でこれほど恨んでいるのかしら。その狂喜の心は、やっぱり癒してあげるのは私しかいないわよね、癒してあげるわ。でね、私を優しく・・・あー何言っているのよー!この身体装甲の化け物ー、このシナノの衝撃剣で真っ二つよー。本当にムギの造った、鍛えた、そして手入れしてくれているシナノ、私の衝撃魔法を最大限に吸収、集約して最高の衝撃剣の一撃ができる、できただけでなくびくともしない。聖剣と違って、それ自体魔力は持っていないけど、私の力を最大限に発揮してくれる。
でも、本当に次々に真っ二につして暴れまわれるのは、後で考えると驚くべきことなのよね、多分。お姫様達も大暴れしている。ムギ以上に狂喜しているような・・・まさか私も。
私達の周囲には、立っている敵はいなくなっていたが、その前に巨大ゴーレムは砕け散っていた。というよりも、既に砕けて、3人が、
「天よ、地よ、愛よ、私達に力を。」
と叫んで光とともに降臨した八体の巨大ゴーレムが既に砕け散り、合計27人が狂ったような目をしたムギに八つ裂き以上に・・・絶対ムギは、
「鬼は、キは存在しない、キはないを否定させない、貴様らは消えて、本来あるべきでない、本来に戻る、キが有るしなくなり、キはなくなり、鬼は無い、木梨様を肯定するのだ。」
と訳の分からない言葉を言いながら、やっていたろう。私達はその時、彼が光りに包まれ、その中に2人の人影を見た。彼らはムギに何かささやいた。彼は、27人を殺戮するのを止めた。
そして、その2人について行こうとした。私も、姫様達も彼を止めようとした。彼は躊躇した。2人は、彼に
「愛する者達を捨てないでくれ。」
と言った。声が聞こえるはずはないが、何故か全てか聞こえたような気がした。
「また会おう。その時には必ず。」
と言って彼らは消えた。そして、号泣するムギだけがいた。私達3人は、彼に抱きついていた、気が付くと。
「馬鹿―。私達を置いて行かないでー!」
私達3人も号泣していた。彼の秘密を垣間見たような気がした。でも、追求することは出来なかった、怖かった。ただ、怖かったのである。




