表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界スローライフは難しい  作者: 安藤昌益


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/63

まずは順風満帆ね(ランビック王女は寛ぐ)

 船旅は穏やかな、でも風は順風で、快適なものだった、ムギの故郷、子爵領、本邸への旅。船の中で久しぶりにムギと寛いでいた。そう見えるかもしれないけれど、実際寛いでいたけど、それでも彼と共に乗客たちを注意深く観察していたわ、親し気に話しかけて、歓談しながらだけど。私達の仲の良さを、時には皮肉を込めたり、悪意が少しあったり、探るような言い方が入っていたりしていたけど、にっこりしてスルーしてあげたわ。あ、時には、ちょっと切り返して、本当に仲がいいことを説明してあげたわ。彼らからも情報を得ることも忘れなかった、王女としての役割も忘れてはいないのよ。怪しい乗客は、結果としては見当たらなかったわ。姉上、ムギにデレデレイチャイチャばかりしてないの!全くだらしない顔で、恥ずかしくないのかしら。そもそも原因は、姉上の婚約者、いえ元婚約者なんですからね。姉上に責任があるわけではないけれどね。それにマイ義姉上、私とムギの仲の良さに嫉妬しないでくれませんか?ムギにまとわりつくし・・・ブラコンがひどくなってきているような・・・。しっかり、船内を見回ってよ。


 4人で一緒になって船内をまわって、調べたわ。ばらばらになってでもいいのだけれど、私がムギと一緒に回るのに嫉妬して、姉上もマイ義姉上もついて来るのよね。え?私が一人でいかないのかって?ムギが私と離れないだけですー。すれ違う他の乗客達に気軽に挨拶をしながら、写真も一緒にとってあげたりしてあげながら、彼らを観察したわ、4人で。だから、何度も親しく話した乗客達は全員、だから再三、詳細に念入りに観察したわけ、魔力にしろ、体力、身のこなし、殺気、雰囲気、持ち物をじっくり観察したわ。船内に潜り込んでいる連中がいないかも調べたわ。一度は騙せても、何度も観察すれば尻尾を逃さないわ。その結果、船内には怪しい者は誰もいない、と言う結論になったわ。それで、船旅の後半はゆっくり寛ぐことになったわ。まあ、その前にも寛ぐときは寛いで、船旅を楽しんでいたけど。夜はムギにしっかり可愛がってもらったわ。でも、姉上の甘え方といったら、恥ずかしいったらないのよね、いつもの凛々しすぎるくらいの印象からはかけ離れ過ぎているのとは逆だけど、それがとても可愛くて、妹から見ても、女からみても・・・でも少しは女としての慎みをと思うのよね、私のようにね。


「ムギ。あなたが感じた3人は、どういう連中だったの?」

「別室に控えていましたから、どういう奴らかはよくはわかりませんが・・・男女3人、男が2人、女1人、まだ若い・・・そんなくらいでしょうか?」

「若い女・・・まさか・・・、そういうのはわかるとか?」

と3人でハモっちゃったわ。私は3人に付き合っただけ。それに私の場合は、揶揄っただけですから、本当に。

「魔力の感触ですよ。どちらにせよ、王女様方や姉上以外の女性には関心は起きませんから。」

なんて、恥ずかしいセリフを口にしたわ、ムギったら。

 そうこうしているうちに、港につき、小型船に乗り換えて、それも降りて、まずはムギとマイ義姉上の実家に向かったわ。

 義父母達からは歓待、さらにどこから聞きつけていたのか、周辺の有力者達まで集まっていたわ。こういうのは面倒だけど、ちゃんと笑顔を向け、話しをしてあげないと、王家の者としても、ムギの妻としても失格だから、ちゃんとしてあげたわ。私達の武勇談、ムギが除かれていたけど、を誰も彼も口にしたわ。ムギのことを、あまり声高に言わないで、という彼の容貌もあったから、ささやかに、しっかりと、常に付け加えておくことは忘れなかったけど。その翌々日、より北で内陸にある彼の領地に向かったわ。


 僻地ではないけれども、内陸の湖に面した、そのおかげで水運のある、運河での航行、彼の実家から船、小さな船、彼と義姉上の持ち船、帆と電動モーター、電動モーターを動かす電力は蓄電能力を持つ魔石と聖木の組み合わせた電池。鉛蓄電池や聖石電池を使う国は多いけれど、その埋蔵地は偏在しているし、後者はかなり少なく貴重で高価であり、かつ、我が国は使用するとなると大半を輸入に頼らざるを得ない。手間をかけても、多少性能が劣っても、低品質の蓄電魔石と蓄電聖木の組み合わせ蓄電池を使用せざるを得ないのだ。まあ、これはこれで安全で、聖石電池よりはかなり安いので輸出がある程度できるのではあるけれど。帆で風を受けながらも、静かなモーター音を立てながら、私達の乗る船は川をさかのぼっていった。さほど大きくないので、私達の護衛と侍女の大半は別ルートで、同行はどちらも1名。護衛なんか、私達にはいらないというより、足手まといなのだけど。あとは私達4人の他には、船員達とムギの使用人、屋敷からの迎えとして2名の男女。二人とも、ムギが引き取ったテロリストの下級戦闘員。今では、すっかりムギの使用人、忠実な使用人という顔になっているわ。そして、なぜかもう一人。お邪魔虫のハイエルフのリカ。ムギの実家にいて、自分もついて行く、と言ってきかない。義父母は、家族ぐるみの長い付き合い、代々の付き合いから娘のような感覚で、我がまま娘ですが・・・という顔で・・・ムギもマイも、しかたがない、とため息をつきながら・・・。姉上などは露骨に迷惑顔。私はもっと?そんなことはないわ・・・よね、ムギ?夫婦水入らずの夫の領地での休暇があ~。と姉上が大不満。とはいえ、本当の目的は、私達自身が囮になっておびき出すつもりなんだけどね。でも、婚約破棄に恨みがあったとしたら、そこまではなかったとしても、いろいろと重なっていてもきっかけになることだからかなり重いだろうから、彼にとっては、と考えると、私やマイは脇役で、姉様が、可愛さあまって憎さ100倍、裏切った女ということで、可愛さも感じていたかどうかは分からないし、裏切ったなんてなかったけど、そういうことで、第一。第二は、ムギでしょうね。私やマイは囮にはならないわね。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ