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異世界スローライフは難しい  作者: 安藤昌益


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久しぶりの船旅よ(カンティヨン王女は満足する)

 久しぶりに、海岸線を見ながら、船上で私はムギに寄りかかって寛いでいたわ。もちろん反対側には妹が、ランビックが、恥ずかしげもなく、ベタベタとしてよりかかっていたけれど。私達は、長期休暇を取り、一応騎士団の長であるからといっても、ちゃんと手続きしないとね。彼の領地、子爵領として父上に買い与えられた、に行くのである。私はもとより、彼もまだ訪れていないのだ。しっかりした管理人が全てを仕切っているから安心だし、報告が彼のところに送られてきて、それを子細に確認して、必要な指示をしているのだけれど、たまには自分の領地に居る必要があるということ。その報告書の確認には、姉、義姉よね、1か月誕生日が早いから、のマイがくっつくようにして、手伝っていたわ。本当にマイったら、そのブラコンぶり恥ずかしくないのかしら?本当に2人とも慎みが欠けてきたんだから・・・。

 くしくも、彼と共に彼の実家に行った時と同じ船だったわ。穏やかな船旅。デッキの椅子に座って、テロリスト達との戦いを忘れて、私達は寛いでいた。ただ、すぐそばで不満そうにしているマイがいたけれど。


 ランビックとムギが加わって、私とランビックの、私達姉妹の騎士団が正式に動き出して約1年。たった1年しかたっていないのに、随分色々なことがあったわ。本当に随分経ったようで、これたせけしか過ぎていなかったわけ。甲板の椅子の上で、私達は二人してムギに頭を預けて寛いでいた。マイったら、ムギの正面に座って、足を投げ出して、彼の足の上に置いていた。まったくだらしない、破廉恥な格好なのかしら?女性としての恥じらいが欠けてきていない、マイお義姉さま~?

「船の中では、怪しい反応はありませんね。」

 ムギが私達に囁いた。

「それならよかったわ。」

「のん気にしていないで、あなたも少しは注意していなさい。ランビック。」

「私は、ちゃんと周囲をみてましたよ、ずっとムギに甘えてボーっとしていたお姉様とは違って。」

「なにを・・・私は、ずっと警戒していたし、注意を向けていました!ボケーっとしていたのはあなたでしょう?」

 なに、本当のことを言われて、ふくれっ面して、ランビック。私も、そうだったって?私はいつも冷静です。

「二人とも、周囲に目を光らせていたのは分かっていますよ。」

と言ってムギは私達の肩に腕をまわして抱きしめてくれたわ。私のことをわかってくれて嬉しいけど、妹のランビックに甘すぎるわよ。


「私の目には、2人ともボケーっとしていましたよ。」

とマイがプイっと横を向いた。何よ、あんたこそムギに焼きもち焼くのに夢中だったんじゃない?こら、足の悪戯は止めなさい、そして私のように周囲を警戒して。


 警戒する理由。それは、私の元婚約者のことだ。つまり、ドウライ大公モールトのことである。

 彼はスパーリングとかなり親しかったし、彼の支持者でもあった。それだけに、彼の正体が明らかになってから当然疑いの目が向けられた。とはいえ、多少とも自治権を持つ特別な地位にある高位の貴族であるから、そう簡単に調査などには入れないし、強い態度は簡単にはとれない。それでも、色々な形で調査がはいったのだが、不信な点を発見することは出来なかった。一応、彼は全くスパーリングの正体を知らずに接触していた、他の多くのスパーリングに騙されていた者達と同様にということで、捜査の幕が降ろされた。だが、ムギは彼が未知の連中を従えている、かなりの実力を持っていると思われる、と言っているのだ。それは何となく私達も感じていた。

 そして、ある筋から彼の注意が私達に向けられているらしいという情報が入った。彼の兄たちからである。エイビス子爵、シボリ子爵からである。ただ、2人はドウライ大公の座に実は未練があり、彼の追い落としを画策しているのではないかという疑惑もあるし、モールトは外国の公女を妻として迎えたが、それがハイエルフの公国、スコ公国公女チイであるから、2人の妻はオーガであり、エルフとは古来仲が悪く、悪意ある情報を流している可能性もある。そう思われることを配慮してか、2人は彼の周辺に怪しい集団がいること、彼らがスパークリングに繋がっていたらしいと告げるにとどまっている。ドウライ大公の座には関心はないとも言っている。実際、ドウライ大公に陰謀があって、罪に値するのであれば家名断絶ないしは当主交代になるが、当主交代ならば、彼らの意志によらず、2人はその候補にあげられるだろう。

 ちなみに外国貴族との婚姻は、彼の地位の場合は厳しい審査があるが、今回は私との婚約解消問題もあり、かなり簡単に通ってしまった。それにしても、オーガの血が入った者の多い地に、ハイエルフの血が流れる公女を娶るなんてどういうつもりなのかしら?不満が高まりかねないわ。まあ、オーガだ、ハイエルフだと言っても、どれだけその血が流れているかというのは疑問なのだれど・・・。ちなみに、マイとムギの幼馴染コウルイ伯爵家三女のリカは、彼女の家はエルフだけど、

「スコ公国?あのエセハイエルフ。」

と反感むき出しだったわ。どちらも似たようなというところだけど、確かにスコ公国はハイエルフだということを、やたらに誇示して独善的なところがあるのは確かなのだけれど。なおさら、ドウライ大公領にはそぐわない婚姻である・・・。あの国にも怪しいところはない、スパークリングが度々訪れていたとはいえ・・・。

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