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異世界スローライフは難しい  作者: 安藤昌益


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愚弟を止めないと・・・なんで止めるのに胸を押し付けるの?(姉は語る)

 ムギが、倒れている角のある怪人達にとどめどころか、完全に焼却してしまおうとしたのだ。どうして彼がこいつらに対して、ここまで執着するのか、完全に消滅させることに。

「こいつらは存在しない。あの御方様方に害する言霊の存在は、存在しない、本来の存在しないことに帰さないといけない。」

 私にだってこいつが何を言っているんだか、さっぱり分からないわよ。何か酔ってさえいるような、高熱で思考が錯乱しているのか、いつものこいつではなかったわ。あんな奴らでも、虐殺なんて世間が許さないわ。国内外の世論が煩いわ。それに取り調べをして、自白させるなりして情報を得ないといけないんだから。

「ムギ!ダメ―!落ち着いて。そんなことやったら、あんたがいつも言っているスローライフも出来なくなるわよ!後からいくらでもやればいいんだから、今は耐えてってば!」

「お前らしくないぞ。一時の我慢だ。後は何とかなる、何とかするから。それが分からないあなたではないはずだ。」

 ランビック王女もカンティヨン王女も、弟に抱き着いて止めようとしたわ。それはいいけど、どうして胸を押し付けて・・・抑えるのに抱きしめているからそうなっているだけ?ぐりぐり押し付けているように見えるけど。つ、慎みがないの、もう忘れてしまった?王女様方。私もしてるって?わ、私はたまたまです。彼なら簡単に振り払えただろう、私達を、後から考えると。彼には、この時、それをしないだけの理性はちゃんとあったのだろう。こんな状態になっても、私達には怪我をさせたくない、私達に不名誉とかを与えさせたくないと思ってくれていたのだろう。次第に、力を緩め始め、私達に抵抗するのを止めてくれたわ。

 愚弟は息を整える様に、落ち着かせる、自分自身を、のために、多分そうだろう、軽く深呼吸した。彼が冷静になっていくのが、いつもの彼に戻っていってくれるのが、何となく感じられたわ。

「陛下たちも、多分、御止めになったでしょうね。」

 陛下たちというのが、両王女様達の父上ではないことは何となくわかったわ。それが誰なのか、分からない。彼は時々口にするけれど、私達は決して追及しない、ちょっと嫉妬さえするけれど、怖くもあるからだ。彼も敢えて言わないわ、自分からは。

「スパークリングを確保して、多分そろそろ上陸作戦も始まるでしょうから、沿岸砲台を全て潰して、上陸してきた部隊と合流しましょう。」

とカンティヨン王女が命じたわ。私もランビック王女もうなずいたわ。

「他の部隊と合流してはどう?」

 これは、金髪娘の一人の提案。

「できればそれがいいけど。」

とランビック王女。

「でも、どこにいるか分からないから、無理ではないかしら。」

と続けたわ。

「計画の合流地点に行って待つしかないと思います。」

と私が締めくくったわ。彼女は沈黙、その他も口を挟まなかった。でも、私達に向ける目はなにかしら?私達というより、ムギに物欲しそうな目を向けているように思えるのだけれど。ダメよ、彼は両王女のものだから、それ以外には触らせません。姉として許しませんから。何、形の悪い大きなだけで、ふにゃふにゃの歪んだ胸をチラッとだしても無駄ですからね。よし、見てないわね、関心を示してもいないわね。感心感心ね。


 その後は、艦砲射撃、飛行船からの地上支援、上陸した部隊の活躍で、全ては終わったわ。ただし、完全な制圧には3日間はかかったわ。少なからぬ死傷者も出たけど、予想をはるかに下回る結果だったわ。そのまま飛び立つことができずに破損、修理可能、した大型戦闘飛行船4機他多数の兵器を捕獲、金銀等の貨幣、重要物資を多量に回収、そして、組織や技術情報を多量に押収することができたわ。その分配等に各国の間で調整、交渉が大変だった、らしいわ。私達は、そちらの方にはあまり関係しなかったから、細部は知らないけど。組織の情報は、各国のに共有されて、残党、支部の壊滅に役立つことになったわ。

 各国が、組織残党壊滅に動く前に、ムギが丸一日姿を消した…。

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