私はどこまでつきあうのかしら?(姉は語る)
私達の功績は、国軍、警察の陰に隠れて、ちゃんと公表されることになった。活躍の主体はカンティヨン王女とランビック王女、そして私に・・・どういうわけかハイエルフ娘・・・一応がんばったのは認めるけど大して活躍したわけではない・・・が前面にでて、美女四人組の活躍となって、それなりに評判となった。カラーの号外というか、絵画集というかもでるほどだった。だからなんで4人なのよ・・・。私以上に両王女はおかんむり、しかも調子に乗ってムギに抱き着こうとして・・・、あの馬鹿、幼馴染じゃなかったら・・・。ムギ付きの使用人達の評判も最悪。ちなみに、また、何人か増えそうだ、同情して捕虜にした連中の中から引き取るつもりだ、愚弟は。ムギの名前は出てこなかったというか、だされなかった、褒美は出たし、国王陛下からの労いも受けた、同時に、
「どうして娘達を危険なことをするのを止めなかっのか。」
とお小言を食らったが。
その夜は、早いうちから3人で一室に・・・何をしていたのやら・・・。翌朝、遅い朝食をとっている両王女様は疲労感と満足そうな表情を浮かべていたわ。そして、いつも以上にムギにイチャイチャしていたわ。彼付きの使用人、元テロ組織の末端戦闘員の少女は、聞いてもいないのに、
「昨晩は、殿下方のあのお顔を見ると、こちらが恥ずかしくなるくらいの声で・・・。でも、主様はタフですね。全く疲れを感じさせていなくて・・・。でも、満足されているようですね。わかりますよ~、何年も身近でお仕えしてますから。」
と面白そうに語ってくれたわ。なん~か、面白くないわ。
大丈夫よね、彼女達にムギは、弟は変なことをしていないわよね?まあ、二人が四六時中離れないから、そんなの暇はない…かな?
「大丈夫ですよ、主様とはご心配になることはしてませんよ。それは、姉上様が、いつもそばを離れず見ておられるではありませんか?」
こいつ、私の考えを察して…。でも、それじゃ、私がムギから離れない…ブラコン姉みたいじゃないの?そんなことないわよ!私付きの侍女、使用人にも監視させているし、彼女達からも、そんなことはないようだ、ということだし、大丈夫か。大体、カンティヨン王女とランビック王女の侍女達も目を光らせているし、そもそもあの二人がそんなことは許さないしね。
「そんなことしたら、姉上様からどんな…と皆怖がっていますから、大丈夫ですよ。」
ちょっと、それどういう意味よ。問い詰めたかったが、何故か、後何がいわれるかわからないと思ってしまい、怖くなって止めた。
スパークリングの位置情報は、国王陛下の下に逐次送っていたわ。両王女殿下は、これからどうすべきかということについての審議には、積極的に関与はしなかったわ。あまり関与すると、出しゃばりが過ぎると国軍や政府、警察から苦情が出かねないし、議会の野党の格好の政府攻撃の材料にされかねないからだった。スパークリングの組織壊滅への攻撃には、バーボン共和国なども加わることを要望してきたし、ドラゴンの皮などを使用した飛行船を保有しているマティーニ王国も参加を表明してきたわ。疑われたくないという意識もあるみたいだわ。自慢の飛行船も、特に選りすぐりの魔法を使える将兵付きで提供したいとも言って来たらしい。こうした中で、自分達も加わることだけを密かに求めることに集中しているということだった。二人が私に説明した。でも、なんで私に?騎士団の幹部だからよ、って・・・。え~と、私はどこまでお付き合いすれば・・・。ああ、でもムギが心配だし、シヨチユル侯爵家の者としては、ここで活躍しないといけないから、やっぱりついて行かなければならないか。
結局、私は付き合うことになった。ただ、結構乗り気で、やる気満々だった。
しかし、参加しなければ、あのようなムギをみることはなかったろう。血の海を作り、相手を切り刻み、幼児の姿をしている者まで躊躇することなく、灰にしてしまう弟を。それ以上に、その弟の姿を見て、ゾクゾクとして、性的な快感としか思えないものを感じて、彼に魅せられてしまう自分を感じなくて済んだのだ。
「やめろ、ムギ。お前らしくないぞ。」
と叫んで私は、カンティヨン王女とランビック王女とともに、ムギの前に壁となろうとした。そして、次の瞬間、正確には、
「大丈夫だ。」
と振り返った時だった。恥ずかしいことに、私達3人は、悲鳴を上げてしまった。
私達が庇った、ムギの意志に逆らって庇おうとした、可愛い・・・かったかな?幼児たちは、彼らの顔は恐ろしい姿となり、恩人であるはずの私達に牙を向けて襲い掛かってきていたのである。
「転真敬会奥義、小退火。」
間一髪で、彼らは凍り付いて、床に落ちた。中には、腕が、足が砕けて分かれたしまったものもいた。
「キはない、最初から存在しない。」
狂気の目をしたムギは、無造作にそれらの氷の塊を粉砕していった。それが終わると、
「大丈夫でしたか?」
私達に、いつもの優しい表情をみせた。その表情にホッとした私だったが、その直前の氷を粉々にしてゆく、狂気のような目をしたムギにゾクゾクとして震えた、怖かったのではない、怖いほどに魅惑されたのだ。




