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異世界スローライフは難しい  作者: 安藤昌益


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私も行くわ、も、もちろんのお目付役よ(第一王女は語る)

 私と彼とは、平日の放課後や土日のカフェで過ごすことが多くなった。郊外まで出てくる、湖畔や森を、川縁を散策したり、船のドックやら工場やら見学したり、彼に買い物や芝居、音楽会に同行させたりして過ごすこと多くなった。その返礼として、彼の知人でもある作曲の演奏会、会と言えないみすぼらしい一室のことすらあった、や科学や芸術アカデミーの会に同行させられた。もちろん騎士団設立のための準備や必要な鍛錬も怠らなかった。彼との剣の練習、私の攻撃に防戦一方のムギに見えるが、本当は全力を注いでも、身体強化すらしていない彼に攻めきれず、時折くる反撃を何とか凌ぐのでやっとというのが真相だ。それでも、真顔で、

「日々、成長してますよ。」

と言われると、彼からはお世辞を言っているとは感じられなかったから、

「そう言ってもらえると嬉しいわ。」

と軽く流す風にして、心の中では飛び上がらんばかりに喜んでしまっているのよね、私ったら。

 ただ全て、必ず妹のランビックと親友のマイも加わってはの4人なのが少し不満といえば不満だった。まあ、最初の約束からだし、マイは、

「お二人の監視役を命じられているの。時々、報告させられているわ。」

と正直に告白している事情があるから、まあ、我慢しなければならないわけだけど。

 でも、ランビック!あなた、ムギにくっつきすぎよ、隣に座るのはいいわよ、腕を組むまではいいわよ、で、でも、な、なに彼の腕を自分の胸に押し付けたり、さりげなく彼の手を自分のお尻に誘ったり…つ、慎みがなさ過ぎるわよ、何時からそんな淫らな女になったのよ?まだ、学生なんだから清い交際で…まさか据え膳しているつもり?このお馬鹿!って、マイ、なんて顔しているの?丸でも私達が恋人を誘惑しているようじゃない?全く、私の心労はなくならないのよね。

 そのうち、王立科学アカデミーや芸術アカデミーで、国は公認したけれど、寄付金とかは、ほとんどだしたことはない。彼のだした寄附金よりも多くないのが明らかなのよね。そうこうしていると、父国王陛下と王立科学アカデミーの会合で鉢合わせすることになってしまった。

 まあ、気軽に、ふらっと、本当はそうでもないんだけど、市井に出かける人だから、それに、「王立」を認めた、これも気軽に、張本人だから、当然とも言えたのだが。後から知ったが、シヨウチユウ侯爵とは、新思想についての考えで意見があい、結構その関係を通じて親しかったらしい。国王陛下も口をにださなかったし、侯爵も国王陛下との関係を誇示することが全くなかったから、私も知らなかった。あくまで個人的な友人だし、特に問われることがなかったから、と理由を言ったが、政治的な配慮があったのだろう。

「まあ、父上は、かえって周囲の妬みや疑心を生むデメリットの方が重要だったと思いますよ。」

とムギは言ったが。

 そこでの、いわゆる知識人達も加えた歓談で、父上、国王陛下は大いに喜んで、彼、ムギの評価をやはり大いにあげた。それがあってか、その頃から、私達の関係に文句を言わなくなった。

 母上、王妃殿下は、私達が褒めた作曲者や画家達に興味を示して、彼らを自分のサロンに呼んだらしい。とても好評だったらしい。こちらも、その頃から文句を言わなくなった。

 それからしばらくして、王室、国からの圧力はゆるくなったようだ。

 しかも、父上から、

「前々からお前達が言っていた、お前達の騎士団の話だが。」

と王宮での夕食の際に切り出された。父上は、この話題はできるだけ回避、無視していたから、少なからず驚いて、私は妹の方を見た。彼女も驚いたように私の顔を見ていた。落ち着いて考えることができるようになって見ると、ムギの提案、指摘に不満、文句、不快感を1度体験してから、私の構想は、新たな軍組織を作るようなことであり、容認しがたいものだったろう。

「来年、カンティヨン、お前は卒業して、正式に王族としての務めを果たしてもらうことになる。お前には、屋敷が、与えられ独立する。屋敷の管理に必要な使用人だけでなく、お前の政務に必要な側近達もつけられる。その中に、分隊程度の規模の、お前の半ば私的の、半ば公的な騎士団的な物を作ることはできる。お前の言う目的に必要な権限も、限定的にだが与えることができるかもしれない。ただし、2年後に卒業するランビックとともにということになる。屋敷も二人で一つということになるが。まだ、決まったわけではないが、それならできるかもしれないがどうだ?」

 その後の話ぶりだと、自ら各方面に打診してくれたらしい。珍しいことだった。後で、ムギを呼んで話をした結果からのようだと分かった。

 私達は、快く受け入れたが、どうして屋敷が一つなのか?私達とムギの関係を容認したようにも思えるが、どうなのだろうか。

 そして、夏休み、私達二人は彼の帰省に同行することにした。

 私は、扇情的な服を着て、ましてや下着を見せようなど思っても見なかった、た、確かに、買った、その服も下着を着ていたけど。あくまでも、テロ組織についての話をするためであって、だから、各方面から最近の情報を集めておいたのよね。

 と、ところで、な、なによ、そ、その、露出の多い扇情的な、ふ、服を着て、し、しかも、こ、こんな夜遅くに、男の部屋に来るなんて、な、何を考えているのよ!

「ランビック殿下もお座り下さい。お茶を入れますから。」

 ムギは、自然体でランビックを座らせてしまった。

「姉上。その淫らな格好はなんですか?」

「その言葉、あなただけには言われたくないわよ。」

「まあ、両花、目の保養ですが、とりあえずテロ組織の話を続けませんか?」

 彼から渡されたお茶のカップを手にとって、私達は休戦することになった。


 

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