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本当にクライマックス?!
「おっしゃってる意味がわかりませんが?」
私は極力相手を刺激しないような声音で言った。
なんだかやばい気配を感じる。
目の前の秋月 白について私が知っていることなんて何もないのだ。
どうして今まで安心してしまっていたのだろう。
「そう? 仕方ないよね。俺は不良品だから。君には話が通じないんだ」
急降下の謙遜が降ってくる。ええ、自分を卑下しすぎじゃないですか?
「何回死にたいの? ねえ、いつになったら俺を見てくれる?」
……これって脅迫されてるんだろうか。
「ああ、もしかして九月二十一日まで生きていられたらそれで大丈夫だとか思っちゃってるんだ? 可愛いね。俺はハッピーエンドだって言ったよね? ハッピーエンドになるまで何度でもやりなおすから」
(まってまってこれって)
「うそ……でしょ?」
本当にクライマックス?!
目の前の『AKI』はその赤い目を怒りに燃やしている。
夜の闇の中に浮かび上がるその白い髪はまるで月のようで……。
「俺の片割れの方がいいなんて許さない」
強い視線で私を縫い留めてくる。




