参拝
山頂でお昼休憩が終わったところで、今日のメインの神社参拝だ。
境内は広く、学年クラス別で順々に巡っていく。月下白露様は祠の中にいるのかもしれない。いまごろチョコレートを食べてほっこりしてくれてたらいいなと思う。
ぱんぱんと手をたたき一礼する。願い事は月下白露様のことにしよう。
(どうか、もう一度会えますように……)
私が全身全霊で念を込めているとふと声がかかる。
「ああ、ここにいたのか」
聞き覚えのある低い声に振りかえると、赤月 烈だ。
あなたに会いたいわけでは、ない。
「黒木 闇、だったか。俺も今の今まで気が付かなかった。いや、その黒い髪といい、つり目がちの目元といい、どうも既視感があったのだ」
(もしかして……断罪されたことについてでしょうか)
ついてない!
入学一か月でもう詰んだ!
「君は……」
赤月 烈の燃えるような赤い瞳がこちらをまっすぐに見据える。
「生き別れた俺の妹だろう……?」
は?
(ええ! そんな展開? あれ? そんな情報あった?)
「いえ……」
ちがうと おもいます。
もしかして黒木 闇が闇落ちしたのは、彼女の想い人(推定)に妹宣言されたからなのではないだろうか。赤月 烈、おそろしい男である。




