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秋月 白(あきづき しろ)


 あのあと無事に担任の先生に合流して、脇道にそれないようにと注意された。

 山頂での昼の休憩時間はまだあと十分ほど残っている。

 貴重な休憩時間を割いて探してくれた先生方と生徒会長には頭が下がる。

 友達とははぐれ、山頂のベンチで、食べ損ねた昼食のサンドイッチを詰め込んだ。心地よい風が吹き、山の頂上から見える景色は眺めが良い。


「やあ」


 どこかで聞いた声に顔を向けると、白い髪に赤い瞳の先輩だ。こちらを向いてまっすぐ立っている。どこか儚げな笑みを浮かべ、口元に弧を描いている。


(ああ、あの廊下で会った……)


 ……うん、情報はまったくない。


 本当に私に話しかけてるのだろいうかというほど、接点はない。


「元気してた?」


 ええ、と返事したものの、口にサンドイッチが残って少しもごもごしてしまった。一体この人はなんなんだろう。頭に疑問符が浮かぶ。


「あれ、間違えたかな?」


 彼はきょとん顔で首をかしげている。思った反応とちがうとぶつぶつ呟いている。


(何をだろう)


 話しかける相手だったらきっと間違えてますよ。

 じっと不信感をこめて見つめると、相手はああ、と納得したように言った。


「ああそうだ、自己紹介してなかったね。俺は秋月あきづき しろって言うんだよ。よろしくね」


「……どうも」


 なんだか思いのほかぐいぐいくる。本当にモブ?


「つれないなあ。そんなに俺に興味ない?」


 ぐいぐい口説いてくる。私たち、ほぼ初対面ですよね。

 

 気まずくなったタイミングで号令がかかった。どうやら休み時間が終わったようだ。


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