サラマンダーとオークの叫び
岩の細い隙間でふと子供が立ちどまった。
ギシギシ、火山の噴火の音とオークの声がまじりきこえる。
なんだ?
すざまじい気の渦がくる、おまわずクラクラしてムーンに伏せてしまうほどだ。
胸の石に手をあて落ちつこうとするがキーンというすざまじい音にムーンの上で動けなくなってしまった。
ムーンも落ちつかなげに首をふっている。
「パリス様、ごぶじですか?」
ノクターンの声で我に帰るとノクターンと火の長に使えるサラマンダーがいた。
「木です、私もなぜかはわかりませんが火の綱と他の木が絡まりあうように激しく宙と地を覆いながらせまってきます。」
木が?
マントから何かが体に絡みつくような感覚し痛みがひいた。
「ここから近い洞穴に避難しましょう。火の強いとこには来ないでしょう。だいじょうぶ私は火の力が使えますから。」
サラマンダーが口笛を吹くと赤毛の馬がかけてくる。
「ルビー、赤の洞窟まで。」
ノクターンは気をジッとしていた。
「俺は火の郷の民の手助けに向かいます。だいじょうぶ木々は味方ですから。」
サッと岩を登りノクターンは消えた。
パリスの目にはここではない場所が写し出された。
太い幹に紫と黒の花をつけたツルを何重にもまいた大きな巣から朱色に金色の羽毛をもつ鳥がいる。
母鳥なのだろうか?その鳥が飛び立つと小さな黄色いくちばしの鳥が続いてまいあがった。
母鳥が鳴くと火柱がたった、そして花を付けたツルが炎と一緒に天高く伸びていった。
体があつい。
「パリス様。」
サラマンダーが馬を並べ心配そうに見ていた。
「だいじょうぶだ。行こう。」
体が火照り汗をかきながらパリスはサラマンダーに続いた。




