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シャラの樹液と精霊の声
木の根が絡まる隙間からチラリチラリと鉱石を含む岩の光が見える。
たまにゴーという音がする。
またラズの胸元がチリチリ痛みだした。
「本当は滑らかにして使うのですがこれを塗ると精霊の印や呪いの痛みは和らぎますよ。」
木の皮で包んでいた茶色の小さな塊を一つとり息をきらしているラズにカモミールが渡す。
「シャラの樹液の塊です。薬草を気軽に取りに行くともいかなさそうなんで少し頂いてきました。」
痛みが和らぐのと同時にラズの目に不思議な光景が映し出された。
通路の中を白い細かい粒が飛んでいるその粒達は地下に吸い込まれていった。
「この星に満ちている生命の源、シャラは浄化の効果もあるから目に見えないものも見え、感じる力も強まるかも知れません。」
川の精霊達が騒いでいる
アソコノダイチワミステヨ
チカラノアルイシノニオイスルヨ、ウンコレヲカワリツケヨウ
久々にきく精霊の声だ。
異変が起きる。
「急ぎましょう、木が震えてます。」
カモミールが走りだしマリアに乗ったラズも続いた。




