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ネプチューン王国  作者: 橘みかん
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フジの麓

『大地の郷』にそびえる山はまっすぐ向かえば『気の谷』に近い『風の丘』に続き、右手はリバーを流れる川の合流地点、『水の郷』、左手は『火の山』に続く、リバーの力が集まる場所でもある。

『フジ』と名付けられた山の上は雪原である。

頂上より少し下ったところに白い砂がたまった不思議な高原『スノーサンド』はある。


ジュニパー達は郷の警護をすると途中で別れた。

大きな切り株の中から続く秘密の通路に、モナ、ラズ、カモミールは入った。


「ここは安全です、太古の木が放つ香と強い気に敵も逃げ出すので。少し休みましょう。」

モナがそう言って栗毛の馬から降りた。

「シャラの木、クスリの木、さぞかしりっぱな木だったんでしょうね。シャラは邪悪の気を払いますクスリは私の国にはないからわかりませんが。すごい、こんなに強い清い命の気に悪い者はよれませんね。」

カモミールが目をキラキラさせる。

ラズの鼻にもツーンとしたクスリと甘くて少しピリッと刺激のあるシャラの香りがする。

「不思議ですね、朽ちているようで朽ちていない水が巡っているのですね。」

上もビッシリと太いツタのような木がおおい、その隙間に砂や鉱物が入ったのだろう。ところ所にキラキラ輝く鉱物の塊があった。

「ふむ、非常食はいりませんね。マウの貯えを少しいただきましょう。モナさん山が崩れやすいとこにいる者達を固い所へ避難させてください。底に亀裂があると地中にいる小さな動物が伝えてきました。」

岩に耳を当ていたカモミールがのことばにモナの顔がかわる。

「水の民に伝えましょう。密偵達はこの辺りにもいるはずです。」

ラズが言うとモナは馬に飛び乗った。

「私がちょくで伝えます。あそこの根をくぐると『スノーサンド』にでます。あの辺りは丈夫な岩石でおおわれているので安全です。カモミールさんありがとうございます。後であいましょう。」

元来た道に栗毛の馬とモナはきえた。

水の精霊達はまだ気づいていないのだろうか?

『リバー』が割れる、大地が悪を排除しようとしているのだろうか?

ラズは木の根元を潤す水を見つめた。

『気の谷』はだいじょうぶだろうか?

「一部だけのようです。だいじょうぶ。ラズさん、これをいただきましょう。」

丸い果実を二つカモミールが持ってくる。

マリアは木の根についたコケを食んでいる。

だいじょうぶ、大きなことがおこれば必ず密偵達が動く。

甘酸っぱい果実をかじりながらラズは心を落ちつかせた。



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