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ネプチューン王国  作者: 橘みかん
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出発〜アダムとラズ〜

揺れがおさまった。

「大きな変化が起こりそうだ。郷に行くなら『レッドマウンテン』までご一緒しましょう。私は火の王のところに行って『水の郷』に向かいます。ラズさんこれをお持ちなさい。今は割れてしまったシティーで造られた剣です。彼の地の力があなたを助けてくれるでしょう。」

黒い革のさやに深緑の柄がついた剣を岩の間からアダムが布に包んでだしてらずに渡す。

「ありがとうございます。アダムさんは歩きですか?」

馬がマリア以外にいないのできく。

「呼べばきます。」

アダムが懐から出した鈴を鳴らすとすぐに赤いタテガミの馬が現れた。

右目は赤、左は緑のオッドアイの馬、『火の草原』と『風の森』の小さな谷間にしかいない馬だ。

「アレキサンダー、『レッドマウンテン』に向かいますよ。」

マントをゆらしひらりと飛び乗る。

ラズも剣を帯に通しマリアにまたがった。

胸が熱い川の精霊の怒りの力が強まっている。

岩場が赤に変わってきたこのあたりは大地と火の力がまぢわる場所だ。

火の気配を強く感じた。

「道をそれます。こちらへ、剣は抜けるようにしときなさい。」

アダムが短剣を懐からだす。

アレキサンダーが入った細い道にマリアも入った。

火の気配が後ろから増えている。

「しつこい人達ですね。アレキサンダーすこしあなたの郷の力を見せてやりなさい。ラズさん先に行ってくださいこのまま下ると谷にでます。そこで待っていてください。」

アダムが行ってラズがマリアをかけさせるのと同時にまわりの岩が赤く光はじめ宙に浮いた。

「走って。巻き込まれたら大変です。」

アダムが叫ぶのと同時に危険を感じたマリアが走りだした。

ヒュッと火の玉が横をかすめる。

狙われているなぜ?

メイド様が言ってらしなことは事実だったの?

『リバー』を守り安定するまで支えあった一族の血を引く者が裏切るなんて。

マリアの上に伏せた。

水の力を使ってはいけない。

翔の表情がうかぶ、彼が険しい顔をするときは何か危険がある時だ。

まだ私が知らない何かがある。

火の玉が頬をかすめた、攻撃だ。

なぜ?ねらわれているの?

マリアが速度をあげて顔をあげて入れなくなった。

風の音が耳をつらぬいた。

もうもうと湯気が立つ川を渡るとそこは美しい花と草が揺れるの空間だった。

タッタッと軽やかな足音がして黒々とした体に赤いタテガミのオッドアイの馬が現れた。

マリアに鼻をよせると一声ないて草原の向こうの洞窟に消えていった。

マリアから降りたラズは冷たい湧き水に頬を浸しそのまま横になってしまった。

数日でイロイロなことが起こりすぎだ、いつもルパが目の前で男にさらわれ追跡しているうちに敵の陣地を見つけた。

ベガとの会話……胸が痛いぐらい精霊の怒りは強くなっている。

チャプチャプ、ここの水は怒りに満ちていないようだ。

マリアがラズの髪をはんだ、

「だいじょうぶありがとう。」

起きあがって気をさぐる。

アダムの気が近づいている、あともう一つ、誰だろう?

空から一羽、白い鳥が舞い降りラズの肩に止まった。

『そこはレッドアイ達の故郷の谷、パリス様が『火の郷』向かわれている。ラズ、よくきけ今回の敵は強い魔術を持つものも狙う、お前が水を操れるのがわかったから狙われているんだ。』

そんな、私を手に入れても精霊達が従うとは限らないのに。

「翔、私は狙われていても敵に背を向ける気はない。狙われているなら堂々と力をつかう、精霊が力を貸してくれるかぎり。」

腰の剣に手をやる。

『お前のことだからそういうと思った。ウラヌス様が術で操られていた者をお救いになった。その中の一人がラズの援護に向かった。ソロソロくるだろう。』

ピッと一声ないて白い鳥は空に舞いあがった。


岩場をからやにかけ、アダムがやってきた。 その後ろから見慣れないティティを乗せた男性が金髪をなびかせ走っていた。

近くまで来て気づく彼はラズがすくったあの男性だ。

「ラズさん、命を救っていただきありがとうございました。私はネオスの聖獣達の言霊、カモミールと申します。私は魔術あまり使えないのでお役に立てるかわかりませんが。アダムさんと別れた後もずっとお守りします。」

ていねいにヒザをつき剣を前に差し出しお辞儀する。

「ありがとうございます。闇に操られつらかったことでしょう。私といれば命ねらわれるかも知れません。」

ラズがいうとアダムは剣を抜いて横にもった。

「私は元は城の王子に剣術を教えていたので剣には自信あります。ラズさんの命を、カモミールが身を張ってお守りいたします。それにこのティセはいち早く闇の動きを教えてくれるでしょう。木にひかかってたおマヌケさんですが、りっぱなティですからね。」

となりでアダムがクスと笑う。

「ティティが木にひかかったなんてはじめてききましたよ。まだ成獣ではないけどだいじょうぶでしょ。」

羽でたたかれるのを防ぎながら答える。

「急ぎましょう。大地の怒りが強くなっています。」

ラズもマリアに乗り、アレキサンダーに続きラズの横につき肩にティセをのせカモミールが走りだす。

三人は険しい岩場をかけていった。



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