ラズとベリー♡2
水源の上の気を読みながらラズは進んで行った。
この星の者は気読みといって生き物の気配や鼓動を読むことが出来る。
魔術師となればおてものだ。
ベリーを途中の広い空間に残しラズは進んで足を止めた。
「ラクール様、この死骸の山どうしますか?」
「捨てて置け。主様がこられる日までもっとためなくてわ。竜族の精気を取れたらこんなチマチマやらなくても済むものよ。」
酷い扱いだ。
でも奴らは知らないんだわ聖獣達の毛や骨も価値あるってこと。
目的はわかった。
聖獣達の精気を集めて強い魔力を得ようとしている人物がいるのだ。
泳いで細い岩の隙間をのぞく。
明かりがチラチラ見える、ふとなにか白いものが隙間に飛び込んできた。
体を器用に動かしラズの頭に乗ったのはタイガーの子供だった。
沈みそうな頭をあげたまま水の中を行く。
「チビが逃げました。こんなとこに割れ目が。」
「ほっておけどうせ地底深くに落ちるだけだ。」
声がきこえた間一髪だ。
ベリーの待つ開けた場所まで行く。
どこかに備えがないかと見渡す。
あった、こういう空間には『水の民』の備えがあるのだ。
そこから毛皮をとってラズは裸でくるまった。
さすがにずっと水の中にいたので体がひえる。
ラズが寄り添ッてあっためてくれる。
タイガーの子はラズの腹の下にもぐりこんでいる。
「聖獣達があぶないわ。パリス様にお知らせしてなんとしても気の谷間は守らなきゃ。 しっかり捕まってるのよ。」
肩に着ていた上着でタイガーの子をしばり腰紐をしっかり結び毛皮を上に着た。
ラズは『水の里』にひとまず帰ることにした。
村の術師のカズラに頼んで伝言してもらうほうがはやいしこの保護したタイガーの子を預けてこなければならない。




