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ネプチューン王国  作者: 橘みかん
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『火の郷』へ…援軍

まさかこの馬具をつける日がくるわ。

しっかり固定できるアブミは剣を鍛えたりしてくれるイヨの故郷の星で作られたものだ。

「すげえなこの鉱石いまは自由にとれねえやつだ。」

ジュリがアブミを見て驚く。

「ああ、昔、イヨを拾った場所で作られたんだ。」

腹帯を締めながら答える。

「きをつけろよ。谷のことは心配するなしっかり守るからな。必ずかえってこいよ。」

ジュリに見送られムーンに乗った。



谷から『火の里』に向かう崖を登った所でパリスは振り返り谷を見た。

所どこれボーと光るのは気の結晶を作る泉だ。

ミモザの父から託された谷、争いだらけの王宮から来たとき美しさに感動した。

この谷を汚されてはいけない、ここを聖獣達が遊ぶ大地を守らなくては。

敵は近くには来ていないが水路を使われたらわからない不安だがいかなくてわ。

ムーンの首をまわし反対方向に一気に走らせた。


「パリス様、われわれも一緒に向かいます。」

途中で牙のある牙竜に乗ったツィリーと『風の民』が数人合流した。

「聖獣達の魂を集めた石はイリに預けました。『雲の郷』までは危険なので『水の郷』に預けます。毛皮はルパ様にに届けました。」

『水の郷』か、あそこはだいじょうぶだろうか?

水路の合流てんに位置する郷は安全だろうか?

あの婆様があれ以外、伝言をよこさないということはだいじょうぶだろう。

「ツィリー様、『水の郷』の戦士から伝言です。裏切り者達がついに動きだしたそうです。カル様の裏切りは確信できたそうです。敵の捕虜達が間違えないと言っているそうです。『水の郷』にも敵は向かっていますがウラヌス様が向かわれたそうです。とにかく裏切り者達が『気の谷』に向かうのを阻止しましょう。」

風龍と牙龍の混血ジュピターに乗ったスィーラが言うとツィリーがパリスのほうを向く。

「馬だと間に合わないかも知れません。われわれは先に行きます。スィーラ、パリス様を援護をたのむ。」

牙竜を高速でとばしツィリーが去る。

「スィーラ、立派な龍使いになったな。」

スィーラは『風の民』だがツィリーのようにもとからの民ではない。元は王星の龍達の世話する係としてネオスからきた少年だった。

ネプチューンでは『龍使い』と呼ばれる龍達に何かあった時に治療するのが仕事だ。

「ジュピターもずいぶん大きくなりました。まさかこのような形でまたお会いするとは思いませんでした。パリス様も立派になられましたね。」

最後にあったのは異世界に行く前だ、まだ家の掟を守りまじめに勉強していた時だ。

「追放された身だけどな。後悔はしていない。」

平和で美しいここにナオと共にきて幸せだった。

「風の噂でききました。異世界から姫を連れてきたとか。こんな物騒なことではなかったらゼヒその美しい姫に会ってみたかった。」

姫ではないが、どうやらうわさではそうなっているようだ。

「敵を追い払ったら岩間の湯に浸かりに来るといい。その時に姫を紹介しよう。」

緑がとぎれ赤茶けた大地が見えてきた。

赤茶けた大地の所どころに色とりどりの窪地が見える。

『火の山』の影響で特殊な鉱石と植物が群生する大地は変わりない。 大きくはないが大地が震えている。

「大地が騒いでますね。」

力強い羽ばたきが体に伝わるまだファルコンが住む場所からは遠いが動いているようだ。

「暑いな。」

スィーラが足を止める。

「誰かきます。」

剣の柄に手をやり遠くをあおぐ、別に悪い気は感じないが不思議な気だ。

遠くに金髪をなびかせ男性が現れた。

「失礼いたしますパリスさまでよろしいでしょうか?」

ムーンの足を止める、スィーラがいつでも衛護出来るように横についた。

「私がパリスだ。あなた方は何者だ?」

早足でかけさせていたムーンに追いつくということは魔術が使える者か?

「初めてお目にかかります。俺の名前はマンダリン、ネオスの魔法剣士です。」

剣を両手で前に持つお辞儀は見慣れないものだ。

「ネオスの方ですか。闇の犠牲になられたのですね。」

スィーラが剣をおさめて挨拶をする。

「私は先に前りましたが後から仲間がきます。私たちも戦います。」

剣を腰のさやに納める。

「つらかったろうに。私の前では術は使わせない。心強いありがとう。」

剣を抜きまぢえあう、剣士のあいさつだ。

「大きな揺れがきそうです。あそこの洞窟まで急ぎましょう。」

スィーラに言われ遠くみえる地底の穴に三人はむかった。


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