ラズの戦い
ベガとカズラを洞窟に残しラズは外に出た。
敵がいるかも、気をつけなければ。
今は短剣しか身に付けていない、ベリーはまだ戻らないだろう。
川沿いに用心しながら歩いていく、サシャの花が強く臭う、こんだけ茂みがたくさんあるのに敵の気配はない。
低い低木から高い木になりはじめた所でラズは殺気を感じ、短剣を構えた。
緑のマントに黒の覆面を付けた兵士が木から飛び降りてきた。
カツーン、短剣があたる。
兵士は機敏に動く、ラズは短剣で覆面は剥いだ、その顔は美しいブルーの瞳をしていたが無表情だ。
操りの術、この人は操られている。
この人が悪い人とは限らない術を解ければ情報を収集できるかも。
ラズは戦いながら水の術で彼の浄化をした。
意外に術はすぐに溶け、兵士は倒れ
た。
『敵を一人、捕虜として捕まえました。』
メイドに意思を送るとすぐに密偵の翔が現れた。
「敵はサシャの茂みにはこないからそこに運ぶ。ラズ、もう術は使わないほうがいい。敵に知られたら何をされるかわならないぞ。」
翔が背に背負い走っていく。
敵の気配が強くなる、だめだ短剣じゃ戦えない。
ババ様には使うなと言われたけど。
水の呪文を唱えるといきよいよく川から水が溢れでた。
ラズは走りだした。
ここから近い地下水路に逃げ込もう。
川に飛び込み水路の細いあなたにラズは吸い込まれていった。




