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ネプチューン王国  作者: 橘みかん
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ヒディーとリラの花1


岩の間には小さな穴があるらしく小鳥が舞いこんでくる。

洞窟の奥にある広場のいつもの場所に座ってナオは本を読んでいた。

『ナオ、退屈そうだね。』

いつの間にか肩に小鳥がとまっていた。

「ラベンダー、外はどうなってるの?」

薄紫色の小鳥はしゃべれる。

この小鳥に意識を乗せている少女の名前をナオはしっているが小鳥の時は地球にいたころ大好きだった花の名前で呼んでいる。

『誰かが【闇の石】のことを敵に教えたらしくて【銀の草原】で激しい荒らそいがあったわ。でもだいじょうぶホセ様が救ってくださったから。』

【闇の石】のことは【龍の乙女】と仕える人々しか知らないはずだ。

「敵はしってるのかしら?あの石が生命の源だってこと。」

ネプチューンの生き物は闇から生まれでるのだ。 それを覗ける不思議な石、かつては美しさを求めた『雲の谷』の住民はその石の中に入る不思議な力を持つものがいたという。 美しい魂だけを導いたのだ。

『もし封じられた技を使うものと操るものが一緒になったら。生命を操れてしまう。』

【龍の乙女】、アフロディーテの言葉を思い出し、お腹をおもわずなでた。

『だいじょうぶよ、石は絶対に悪いものにはうばえないわ。だってピースがいますもの。』

ラベンダーがチョンとお腹の上に乗った。

ピルルとラベンダーが鳴くとお腹の中でポンと動いた。

ここにエコーが無いのは残念だなと思う。

普通に自分の産まれた所なら病院で胎動をききエコーで見れただろう。


「ナオ様、ユン様からこれが届きました。」

ミーシャが赤い布と金の糸を持ってきた。

『風の民』のお使いがきたようだ。

ネプチューンには物作りの魔術師がいて不思議な技で布を織れるという話をききユンに頼んだのだ。

いつも安全なとこにいるとは限らないパリスを癒してくれるように、フェニックスの羽毛で布をつくっとほしいと、後は糸で刺繍するつもりだ。

「ありがとう。」

布にはさまっていた手紙を取り出す。

ユンにも子供が出来たこと、今は『リバー』には居ないことが書かれていた。

ラベンダーがいい声で歌っている。

鉱石でできたランプから優しい光がさしている。

胸元の石に手を当てて何事もないと安心する。

金色の糸を手にとるとユンの笑顔が浮かぶ。

『リバー』の外ね、

厳しい顔したパリスの父親とまわりの人間、黒髪、黒瞳というだけでぶつけられることば、闇の力があるからだと。

パリスが入れば激怒した。

ゆいつの救いはヨーキー王子や表ざたでは厳しくしていたが気が許せる者達だけの王女が馴染めないナオを優しく助けてくれたことだ。

裁縫道具を持っていつもの場所へ行く。

フェニックスがくつろいでる木の根元に座る。

洞穴の外までそびえる木まだお腹が大きくなる前はよく登ってそのたんびにミーシャに怒られたものだ。少し盛り上がった木の根に腰を下ろして布をひろげる。

「きれいでしょフェニ。」

フェニックスの尾羽が襟元を飾っている。

白いマントに鮮やかだ。 そこに風の模様が織り込んであるのはユンとその夫、ツィリの思いだろう。

『俺たちは遠い昔から惑星を渡り歩いてきたんだ。この風龍とトモにね。』

普通の風龍より小柄な龍の背をなで誇らしげにツィリが話してくれた。

風龍といきる流浪の民、『風の民』はネプチューンの各地にいるのだと言う。

ナオはこの世界の龍達が大好きだ。

それぞれ異なる姿をもつ凛々しい姿は美しい。

そういえば、ヨーキーと仲のいいヒディーを最近みてないなと思い出す。

フェニが不意にはばたいた。

青々しげる木の中にフェニが消えた。



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