ベガの話し
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> 川の水がツタをつたって落ちる音が響く。
> この洞窟の上を川が通過しているのだ。
> 葉からもいい香りがする薬草はサシャという。 サシャのツタに隠されている洞窟は水の乙女だけが知る秘密の場所だ。
> 小さなマウがかけてきてカズラの肩に乗る。
> 「間一髪てやつだね。そうかい奴らが森にね。」
> ラズは洞窟から飛び出ようとしてカズラに腕を掴まれた。
> 「気持ちはわかるけど男達に任せるんだよ。敵の事を探らなければ下手に私らの力を使わないほうがいい。」
> キュッと唇を噛み締める。
> 『ウラヌス様が到着したようです。私は奴らの事を話すために来たのです。』
> ベガが落ちついた声でいった。
> カズラが髪を抜いてさっと飛ばす。
> 見張りをたてたのだ。
> 『お知らせするのが遅くなってしまいました。王女様にはお話ししたのですが。
> あの男は鬼柳という男の手下です。鬼柳は異世界から闇を抜けこの世界にやってきた男なのです。この男は災の書を王宮から盗みだし闇の奥に入りその力をつけたようです。運悪く前回の闇封じでサターンの魂はかえってきていないときに鬼柳は闇から帰還しました。闇の術は私達もわからないことだらけなのです。異世界の闇の力も手に入れているようで異世界の者達も動いているのですが、支配される者も多くそういった者達がやつらの兵となっています。 私達も手を取り合い必ずここを守り抜きます。カズラ、ラズ、水の力をいざとなれば使ってください。』
> ベガの話にカズラがうなる。
> 「私は覚悟できています。皆を守るためなら使います。」
> ラズがいいきる。
> 「ラズ、水の力を使うという事は逆に奴らに狙われ力を吸い取られるかもしれないよ。それにね巨大な力を使えばこの星だけじゃなくてウニバルゾ自体を変えてしまうかもしれない。お前はウニバルゾを背負って生きていく覚悟はあるかい?」
> カズラがラズの肩に手を置く。
> ウニバルゾを変えてしまう。
> だまって唇を噛むラズをカズラは見つめた。