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プロローグ

 「やばい、飛翔。奴らがやってきた。もうダメかもしれない。」

 「落ち着け。まだ逃げ道はある。放送の指示に従って早く逃げるんだ。」

 「放送したやつが人間だっていう保証がどこにあるんだよ。」

 「今はそんなこと言ってる場合じゃない。一か八かにかけるんだ。」

クラスメイト達が次々に窓から飛び降りていく。使う魔法は“飛翔”。自分の名前の由来になった魔法だ。“飛翔”は重力場の概念を正確に把握していなければならない魔法で、高校一年生の自分達には少々荷が重い魔法ではあったが、この国でも指折りの魔法学校に通う僕らは何とか発動させる事が出来た。最も、発動出来るのはほんの数秒ではあったが。

 「奴らは正門から入ってきている。裏門から避難するぞ。」

先生の大きな声が聞こえる。僕らは身体強化を施しながら、裏門の方へと一生懸命走っていた。もしかしたら裏門にも敵がいるかもしれない。でもここは一縷の望みにかけるしかない。

「先生。後ろ」

クラスメイトの一人が叫んだ。振り返ると僕らを追ってきている奴らの姿が見えた。手には魔銃を持っている。防御魔法も無しにくらったらほぼ即死確定だろう。

「全員で防御壁を張れ。足止めするんだ。」

僕らは咄嗟に魔方陣を書き、相手側に魔法の壁を作る。全員で作った何重もの壁。でもこの程度では気休めにしかならない。足止めといっても10秒持つかどうかだろう。でもその時間が今は惜しい。

「裏門が見えたぞ」

「先生、敵が裏門からも入ってきています。」

「チッ」

先生の舌打ちが聞こえた。敵は前方からも後方からもやってきている。このままでは皆殺しにされてしまう。

「仕方がない。空間転移魔法を使う。みんな防御魔法を使いながら、私のもとに集まれ。」

先生が声を荒げた。先生が転移結晶を持ちながら魔方陣を組み始める。空間転移魔法は貴重な魔法結晶を使い捨てにして発現させる戦略級魔法だ。

「先生、もうすぐ奴らの射程圏内に入ります。」

奴らの撃った大量の魔弾が飛来すると同時に僕らは白い光に包まれた。


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