57話 『スパイファミリー』はディストピア!?~筆者は不都合な真実を見たくない~
今回は、これまでのまとめを受けて、ディストピアを生きる「作家」というテーマで書きます。
また「新人作家」はある決断をします。
最後に、なぜ私が「王道」や「テンプレ」に原点回帰して、わりと堂々と“思考停止って気持ちいいよね”みたいな結論に転がったのか。
その答え、わりと日本のアニメや物語の「系譜」を辿ると見えてきました。
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①『SPY×FAMILY』に見る「演じる」こわさ
まずは近年の国民的ヒット、『SPY×FAMILY』。
アーニャ、かわいい。ヨルさんかっこいい。。
あれって表面は「仮初め家族」のコメディなんですけど、見方を変えると結構ホラーです。
生き残るために、本音を隠して「普通」を演じ続ける話でもあるから。
ロイドは「良き父」を、ヨルは「良き母」を、アーニャも「良き子」を。
みんな必死にテンプレに擬態して、社会に弾かれないようにしてる。
で、さらに刺さるのが作者側の話です。
作者インタビューを辿ると、ヒットのために「自分の癖(描きたい方向)」を一回封印して、読者が読みやすい要素をちゃんと選び直した――みたいな話が出てくる。
つまりこれ、作品の中でも外でもやってることが同じなんです。
「自分を殺して、求められる役を演じる」っていうやつ。
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②『PSYCHO-PASS』に見る「管理される」ラクさ
次に『PSYCHO-PASS』。
こっちはもっと露骨で、演じることすらシステムが採点する世界です。
メンタルが濁るのが怖いから、みんな“推奨された幸福”に従う。
思考するより、数値に従った方がラク。っていう地獄。
でも、分かるんですよ。
ラクなんです。ほんとに。
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③『図書館戦争』に見る「燃やす」オマージュの気持ちよさ
そして『図書館戦争』。
これは単体でも面白いけど、『華氏451度』を知ってると二度おいしい。
「燃やす」ロジックも含めて、素敵なオマージュだと思います。
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つまり、だいたいディストピアの系譜
ここまで並べると、結局こういうことです。
『華氏451度』とか『1984』みたいなディストピアの系譜って、形を変えてずっと生きてる。
『PSYCHO-PASS』はわりと直系っぽいし、
『図書館戦争』も『華氏451度』があると味が増える。
『SPY×FAMILY』は私の読みも入ってますが、「演じて生き延びる」って意味ではやっぱり刺さる。
で、ここからが本題です。
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じゃあ、なんで私は「王道最高」になったのか
たぶん今って、現実がもう十分ディストピアなんですよね。
予測不能な事故、報われない努力、数字で殴られる評価。
PVとかレコメンドとか、気づけば自分も“それ前提”で動いてる。
そんな現実を、物語の中でまでガン見したくない。
読者だけじゃなくて、書き手の私が一番、見たくない。
だから最近は、ディストピアがそのままの顔だとキツいので、
『SPY×FAMILY』みたいにコメディの皮を被ってないと飲み込めない。
……そういう時代に入ってる気がするんです。
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「なろう」って、たぶんこういう場所
私は、こう思うようになりました。
「小説家になろう」って、たぶんこういう場所です。
現実の理不尽さに疲れた人が、
「本当は数字とアルゴリズムに支配されてる」って事実から目を逸らして、
約束された万能感に浸れる楽園。
本当はPVで誘導されてるだけかもしれない。
本当はレコメンドに“書かされてる”だけかもしれない。
でも、それでもいい。
見なければ、存在しないのと同じなので。
「ざまぁ」を書けば、現実じゃ裁けない悪を裁いた気分になれる。
「転生」を書けば、人生をリセットできた気分になれる。
で、ここで一番ダメな本音を言います。
私が王道を選ぶのは、読者のため“だけ”じゃない。
私自身が、気持ちよくなりたいからです。
荒波で溺れるより、管理されたプールで泳がされる方がラク。
幸福って、わりとそういうもの。
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だから私は宣言します
王道最高。思考停止、万歳。
不都合な真実を直視して苦しむ人間より、
単純な「ざまぁ」と「転生」を量産する幸せなbotとして、私は生きていきます。作者として。
……って言ってみたけど、ほんとは一番、私が自分を騙したいだけです。
以上が、私の50話を受けての「ディストピア側からの整理」でした。
結論じみたものも出ました。私はもう迷いません。……ただ。
botになる前に、短編をもう一度だけ増やしてみたくなりました。
それで決めてみようと思います。――まだ辛うじて人間な、相馬ゆうでした。
『SPY×FAMILY』アーニャかわいい。ヨルさんかっこいい。でも、有名な作者のインタビューネットで話題になってたのを震えてみてた「書き手」もいるのでしょうか?
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