39話 感情曲線を意識する『まどか☆マギカ』
ぐっすり眠れました。原稿放置で。
夢なのかな――
夜に耳の長いかわいい生物が手出来まして、
「僕と契約しないかって」
いってくるじゃないですか!!
生返事したのかな、朝起きたら作品出来てる!
でもこんなところにイヤリングつけていたかな・・・。
面白いだけって、面白いですか?
幸せが連続するのは、幸せですか?
いきなり何かにマルチに勧誘しようとしているわけではありません。
怪しさ全開の相馬ゆうです。
実は、映画理論か何かで聞いたのですが。
統計学者ジョージ・ギャラップの会社がハリウッドを舞台に行った調査らしいです。
面白いシーンだけを2時間並べるより、シリアスを挟んだ方が、結果としてコメディ体験が上がるらしいんですよね。
もちろん話の長さにも寄ります。いわゆる「一発ギャグ」を延々と聞かされ続けるのは、コメディアンにとっては喜劇かもしれませんが、見る側には悲劇です。この理論はディズニー映画とかにも生かされているそうです。
吉本新喜劇も、ほとんど「一発ギャグ」で構成されているように見えて、途中ちゃんとストーリー展開があって、最後は「いい感じ」で終わる。
吉本のは、たぶんこれ、経験則なんでしょう。
実際この経験則を巧妙に「なろう」でも入れている作家さんは多いです。
ということは――
見る人の感情体験をコントロールできれば、名作に近づけるのでは?
……と思いませんか?
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前置きが長くなりました。
今回はアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』を紹介します。
無垢な少女「まどか」が主人公。
魔法少女「マミ」さんに出会い、そして魔法少女になる契約を進めてくる「キュゥべえ」と出会う。
最初は「かわいい魔法少女もの」に見える。
でも、だんだん分かってくる。
まどかの“人間らしさ”と、キュゥべえの“合理性”は、同じ世界を見ていない――と。OSが全く違う。
正義の味方っぽいマミさんが「マミる」ことで社会現象になった作品だそうです。
現役で見ていたら、スゴいんだろうな。
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まず物語構造として、
・世界の秘密が少しずつ解き明かされることで、視聴者はどんどん裏切られる
。
・その視聴体験が、主人公の体験とちゃんとリンクしている。
・そして戸惑いはあっても、主人公の無垢さ(軸)はブレない。
物語の中心がブレないからこそ、視聴者は不安定なストーリーに素直に没入できる。
この設計がまず強い。
そして構造の、もっとスゴいところは――
分かりやすいフラグをちゃんと立てているのに、目立ちにくいことです。
ネタバレにならない程度に挙げると。
・1話の夢シーン。円環のストーリーの示唆なのに、主人公のかわいらしい目覚めがそれをかき消している。
・次に、劇団(結界)パートの犬カレーさんの作画の異物感。登場人物はかわいいのに、敵役の異形さが最初から混ざっている。
・そして問題の「マミる」シーン。よく見ると、戦闘ものあるあるの、あのフラグが直前に立っている。
「俺、戦争から戻ったら結婚するんだ」みたいなやつ。
でも初見は、ふわっと見てしまう。
だから視聴後、もう一回見たくなる。
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これって、視聴者の感情を揺さぶる、すっごい巧妙な仕掛けだと思います。
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この視聴体験や、主人公の感情の動き――
私はこれを『感情曲線(多分私の造語)』と呼びます。
①視聴者(読者)の感情曲線
視聴者は、無垢→驚き→絶望→かすかな希望。
振れ幅の大きい感情を、ちゃんと順番に体験させられる。これが視聴者の「感情曲線」。
そして、揺さぶられた後に見直してしまう。
だって、揺さぶられない作品って、そんなに何度も見ないですよね。
②キャラの感情曲線
もちろん視聴者の感情の振れを作っているのは、主人公たちキャラの感情です。こちらにも「感情曲線」がある。
『まどか☆マギカ』の場合は、狂った設計を、無垢なまま体験し続ける主人公が、それを引き立てています。
この考え方は、長編でも短編でも使えると思います。
短編なら、小さな違和感を積み上げて、最後に希望を見せる。
あるいは逆に落とす。
長編なら、『まどか☆マギカ』みたいに小さな仕掛けを入れつつ、大枠のストーリーで感情を揺さぶり続ける。
これが出来れば、面白いに決まっている。
他の方の作品を読んでいても、このあたりの表現が上手い作家さんは、みんな何かしら考えている気がします。
作り手になって、そこをすごく感じました。
次回、『まどか☆マギカ』の映画編を語ります。
ワンクールで描いたハードルを、どうクリアしたのか――。
でも、作り手の感情曲線が一番ドラマかも。小さなことでも揺さぶられる。
だから「書く」って面白いなって思ってしまう相馬ゆうでした。
まどか☆マギカなら誰が好きですか?
私の顔はマミさん。
本当の顔は杏子さん。
あと俺とか僕っていう主語の女の子いるのでしょうか?
都市伝説?
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