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高校以来小説を読まなかった理系が、小説を作るために作った分析日記  作者: 相馬ゆう
6.連載形態や人気が物語に与える影響(分析80/物語20%)
35/64

35話 群像劇は面白い!『かげきしょうじょ!!』

※本作は、原作を知らなくても楽しめる内容になっています。

ネタバレには配慮していますが、気になる点があればコメントで教えてください。


今回は群像劇の効果に切り込みます!

ところで皆さんはミュージカル舞台は見に行きますか?私は見たことがありません……


でも、「女性はいらん」と言っている相馬ゆうですが、どうせ女性が入るなら、むしろ女性だけの三次元が嬉しいかも。だって好きな3D男優さんに鼻毛とか生えてたら夢が……。


前回は映画『桐島、部活やめるってよ』のシンクロ構造に焦点を当てた考察をしました。


でもこの映画って、群像劇だという理解が一般的ですよね?


群像劇って王道じゃないけど、本当に楽しいジャンルですよね。


「主役の物語」だけで押し切るんじゃなくて、周りの人間の視点が入ることで、作品が“厚くなる”やつ。


---


■本題:今日「今」考察したいテーマ=群像劇


本題に入ります。

今日「今」私が考察したいテーマはここです。群像劇。


正解がひとつじゃない。


それぞれ登場人物の「言い分」と「見えてる世界」がズレたまま同時に走って、作品全体が“現実”みたいになる。


だからハマれば、群像劇ってやたら刺さるときがある。

なぜかというと、たぶん「現実の人生が群像だから」なんですよね。


自分が主役のつもりで生きてても、誰かの人生の通りすがりの脇役でもある。


例えば、通りすがりの一言が人生を変えることもある。それが自分だったりもする。


群像劇って、その現実の残酷さと優しさを同時に出せるジャンルだと思います。


ただし。


群像劇って、長編だと難しい。ほんと難しい。


読者目線でも、視点を増やした瞬間に脳内メモリを食う。


作者の設計も大変。


つまるところ、下手すると「散らかってるだけ」になる。


……なのに、うまいやつは、うまい。


……その“うまさ”の正体が気になったんです!


前置きが長くなりました!


---


■『かげきしょうじょ!!』の“群像の温度感”


そこで今回は、私が大好きな作品『かげきしょうじょ!!』のアニメを紹介します。


某実在にモデルがある「紅華歌劇団」に入団するため、入学難易度がスゴい「紅華歌劇音楽学校」が舞台のこの作品。


・身長が高い、歌舞伎役者になりたかったけど「女性」だからなれなかった主人公

と、

・人間嫌いの元アイドル

のWヒロインの物語が本編の軸。


この時点で、もう「舞台(演じる)」と「人生(演じさせられる)」が二重写しになってるのが強いんですけど、

それ以上に私が驚いたのが――


寮の友達のディテールの温度感なんですよ。


え、そこ一話丸々使うの?ってくらい、脇の子の人生の背景が描かれている。


でも、メインが死なない。

むしろメインが“濃くなる”。


つまり、完璧な群像劇!!


■群像劇が効く理由3つ


ここで、私なりに「群像劇が効く理由やねらい」を箇条書きにすると三つ。


①本編(主軸)とは別に一人を濃く描くことで、キャラが“記号”じゃなくなる意味。


・「この子=こういう属性」じゃなくて、「この子=こういう傷/こういう願い/こういう癖」になる。

その瞬間、モブじゃなく、読者の中で“人間になる”。


②ただでさえ事前知識が必要な世界観を、視点をばらすことで説明を最小化できる意味


・主人公が全部説明すると説教になる。

でも、別キャラの人生として差し込むと、“説明”が“ドラマ”になる。


特に『かげきしょうじょ!!』の舞台になる歌劇団って、説明すると情報の塊になりがちなんですよね。

だから“別の視点”として見せるのが強い。


③主役の成長だけだと単調になりがちなところを、感情の色を増やしてコントラストを作れる効果


・明るい回の後に苦い回を置ける。

その逆もできる。

作品の緩急が生まれる。


・「主役が言えないこと」を周辺人物に背負わせられる。

主人公が口にすると説教っぽい、でも作品が言いたい。

そういうテーマを、別キャラの一話で“体験”として出せる。


以上。


ここまでなら、普通に「群像劇っていいよね」で終わるんですけど――



---


■ここから邪推


以下、ここからが、私の邪推です。


④あくまで邪推ですが……メインストーリーの進み方を、連載でコントロールできる。(パワーで押し切らず休める。)


連載って、現実には“納期”と“体力”と“読者の待ち時間”で動く。

つまり、理想どおり一直線に走れない。


そこで群像回を挟むと、何が起きるか。


主軸の次の山場までの「助走期間」を作れる。

読者の熱を下げずに“間”を置けて、別の楽しい作業に移れる。


それに、作者が次の展開の準備時間を確保できる。


これ、邪推に見えるけど、スピードだけで話を進めると、作者も読者も消耗する。


だからこそ、群像回って「緩急」を設計できるんですよね。


でも読者は「停滞」と感じにくい。(別キャラのドラマで満腹になる。ずるい。)


ここで、私はひらめいた!


でもこの構造って、『少女マンガの伝統として昔から強くない?』


つまり

『男性マンガ』

『女性マンガ』

は、好み以前に「文法として積み上がってきた差」が多いのかなと……(仮説です。例外はあります!)



---


■次回予告


次回はここを、ちょっと攻めます。

・男性向けの伝統的な文法

「主人公の成長で押し切る一直線の物語」

と、

・女性漫画が積み上げてきた伝統的な文法

「構造で没入させる物語」


って、昔から違うんじゃない?――という話をしてみます。


群像劇の話から横道にそれますね。


(続く)



みなさん!群像劇ってすごい感動するのに、いざ書いてみると難しいですよね?

書き手、読み手の皆さん関係なく、オススメの群像劇ありますか?

作品だけでいいのでコメントお願いします。


よろしければ、ブクマや★評価で応援してもらえると励みになります(気が向いたときで大丈夫です)。

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