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高校以来小説を読まなかった理系が、小説を作るために作った分析日記  作者: 相馬ゆう
3,短編分析の可能性について(分析85/物語15%)
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15話 テンプレになるまで~兄とのディール~

12月、なろうで小説を始めました。新人作家のチラシの裏です。

小説は未経験のまま、構造から入ってみた記録です。

全年齢に向けて書いてますが、下品な表現が苦手な方はブラウザバック願います。内容は文学がテンプレになる一例から考察します。



私には年上の兄がいます。

映画が好きで、たぶん「好きの種類」が私と少し違う。


私はどちらかというと、小説よりもアニメ・映画・ドラマを「見て」「考えて」「ほどく」ほうに引っ張られます。つまり考察系です。

兄はそこを知っていて、たまに作品を投げてくる。


「これ見て。あとで話そう」


みたいな、軽い挑戦状みたいに。


悔しい。基本、その選抜は外れがないんです。

だから受け取ってしまう。

(奥さんに投げたらいいのに、と思うこともある。家族って、距離が近いぶん面倒だ。)


そんなある日、兄から少しよそよそしい文面が届きました。


「大変すまないけど、これ見て批評してほしい」


リンクがひとつ。

開いた瞬間、目を疑いました。


――これは、成人向けだ。


一瞬ためらって、それでも、今回の“信用貯金”というコインでディールを仕掛けてきた。と思いました。

四百円。小さくない。

兄はこの一本に、わざわざ課金させてまで、何かを見せたいのだろう。


あらすじは、こうです。


地元から上京し、一流大学に入った主人公がいる。そして大企業に就職、美しい妻と都会で結婚。

ある日、田舎で絶対的な存在だった竹丸先輩と、その舎弟に出会う。

しかも場所は、主人公の新築の家の前。新婚の妻もいる。


竹丸先輩は言う。

「家、行きたい」

主人公は渋々、通してしまう。


そこから空気が反転する。

二人は豹変し、主人公は拘束され、妻は――。


その出来事が繰り返されるうちに、妻は竹丸先輩を選ぶようになる。


……書くと短いのに、見ていると妙に逃げ場がない。

しかも、ただの過激さだけで終わらない。


私は見終わったあとに思いました。

兄の悪趣味を責めるより先に、これは分解できる、と。


この作品は、いくつかのレイヤーに分かれています。


・いまの主人公:努力して“現在の地位”を獲得した、現実の表層

・かつての主人公:地方の理不尽なルールに縛られていた過去(見ないふりをしていた記憶)

・竹丸先輩:過去そのものの擬人化。絶対者。説明不要の“ルール”

・そして:抗えない人のサガ。残酷な結論


さらに言うなら、

それを「目撃している私」がいます。


俯瞰的なカメラワークがそうさせるのか、何層にも絡まった魂がかさなり——粘度を帯びて、はじける……濡れるッ!(『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』より)



(いや、こんなことを真顔で書いている時点で、私もだいぶ飲まれています。しかし凄い引力。感性のブラックホール。)


これは、好き嫌いを脇に置いても、構造としては強いと思いませんか?

まさに上等の純文学。そう純文学だ!

「こういうものを、こういう手つきで作れるんだ」という“発見”が残りました。


私は兄に伝えました。

これは、変な意味じゃなく、作りが“うまい”。


すると兄は、少しだけ残念そうに言うんです。


「実は竹丸先輩、シリーズ化されてるんだよね」


作品が変わっても、顔を替えて、竹丸先輩の輪郭だけが残る。

量産できる“型”としてです。


そこで、妙に腑に落ちてしまいました。

世の中には新しい発見に満ちあふれてます。。

でも発見はすぐに消費されて、型になっていきます。


そして量産される。


その速度も含めて、今っぽい。


……いや、ちがう。

いつの時代だって、そうなんです。

そして今だって、そうなんです。


子どものころ読んだ新美南吉の『おじいさんのランプ』を思い出しました。

ひとつの光は、いつか当たり前になり、次の光に押し流される。

発見が“型”へと変わる、その静かな残酷さまで含めて。



……という話でした。

相馬ゆうでした。



次回は、それでもテンプレは最高というお話をします。

皆さんは作品選びは特化型ですか?

それとも食わず嫌いしないで読む感じですか?

私は数字で設定作り込まれているのは食わず嫌いです。あと、ゴブリンとかスライムとかどっちが強いかよくわからない。。


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