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高校以来小説を読まなかった理系が、小説を作るために作った分析日記  作者: 相馬ゆう
2, 物語の自由度と技巧について(分析95/物語5%)
10/64

10話 時系列で遊べ!

12月、なろうで小説を始めました。新人作家のチラシの裏です。

小説は未経験のまま、構造から入ってみた記録です。

演劇系の作家、三谷幸喜や宮藤官九郎の作品では、物語をクライマックスから見せる手法がよく使われます。

いわゆる「結末を先に見せる」構成ですね。


演劇という媒体は、観客の脳内補完能力がとても高い。

舞台装置は最小限でも、距離感や時間経過は観る側が自然に補ってくれる。

わざわざ劇場に足を運ぶ人たちは、その前提を共有している。

これは、作り手にとってとても幸福な環境です。


ただ、三谷幸喜や宮藤官九郎が画期的なのは、

その手法をテレビや映画という「補完能力が必ずしも高くない媒体」で成立させた点にあります。


たとえば『古畑任三郎』。

ミステリーの核心である「犯人」や「犯行」は、最初から明示されます。

それでも面白いのは、「誰がやったか」ではなく

「どうやって追い詰めるか」に快楽の軸を移しているからです。


『ピンポン』では、物語中盤の象徴的なシーン――

主人公が空に向かって飛ぶ場面が、早い段階で提示されます。

観客は無意識に「そこに至るまで」を見続けることになる。


そして『あまちゃん』。

この作品では、時系列を入れ替えるだけでなく、岩手県が舞台の、時間そのものを刻む演出が使われています。

2011年3月にむけて西暦や日付が画面に表示されるだけで、

それまでギャグとして見ていたシーンに、急に緊張感が生まれる。

誰もが知っている現実の出来事と、物語が静かにつながるからです。


ここがとても重要で、

「時系列をいじる」ことと

「時間を意識させる」ことは、似ているようで別の技術だと感じています。


つまり作家は『脚本家』だけでなく『演出家』といえます。書く順番だけじゃなく、見せ方(提示のタイミング)まで設計しているからです。


いまはタイパが重視される時代です。

小説という媒体でも、本来じっくり描くべき過去や積み上げを、

PVが伸びないという理由で圧縮せざるを得ない場面が増えています。

その結果、辛い過程は省略され、「ざまぁ」だけが強調される。


もちろん、ざまぁやテンプレは大切です。

私自身、大好きです。

ただ、それだけに寄りすぎると、

物語が持っていたはずの“厚み”が失われてしまうこともある。


私が小説を書くときに立てている順番は、


テーマ > 構成・役割 > 視点 > キャラ


これは、流行に流されすぎないための、自分への戒めでもあります。


作者も読者も、現実ではそれぞれの場所でサバイバルしています。

同じ温度で闘っている。

だからこそ、時系列をどう扱うかは

「ごまかし」ではなく「設計」の話だと思うのです。


最後に。

タイパの時代だからこそ、

作家の脳内って、脚本家・演出家・監督が同じ部屋に住んでて、


映画『インサイド・ヘッド』

みたいに毎回ケンカしてる――

そう思うと、読者様の物語の見え方もちょっと変わるかもしれませんよ。



次回は少し趣向を変えて、

音楽の力について書いてみます。


小説を書くとき、

あえて音楽を聴くこともあれば、

逆に完全に無音にすることもあります。


音楽は、世界観を一瞬で伝えてしまう。

便利だけれど、時に丸裸にしてしまう――

そんな危うさも含めて。


今夜更新する『ゲームチェンジャー』の

アカネのショートエピソードにも、

その感覚を少しだけ忍ばせています。


アカネはどんな音楽きいてるのか?

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