4、駆け足
夕方の出来事を思い返す。
すると、今が非常に退屈に感じる。
やがて夜が開け、朝を迎えて学校へ向かい友人と会い、勉強に励む。
通って居る学校は、特に何が有るという訳でもない一般的なもの。
生活に不満は無く、極普通の学生である。
それが故にその時間は、丘を駆け上がる事を制約する枷に感じる。
そんな悠久とも思える時間は終業のチャイムと共に終了を迎え。
「また明日」
「あぁ、じゃあな」
友人達と短い別れの挨拶を交わす。
外へと向かう足は既に駆け足だ。
青年の心は本より、丘の上へ向かう事だけに傾いている。
そんな衝動だけが指針となり、丘の上へと向かわせる。
(早く、早く…)
もはや、それ以外の事等は眼中には無いという様な程、必至に駆け抜ける。
普段ならとっくに疲れ果て、倒れ込む程の運動量だろう。
それ程青年は過ぎ行く時を煩わしく感じる。
ただただ青年は駆ける。
そして、気付けば目の前には既に丘が見え始めている。
丘が見え始めた事に安心感を感じ歩を緩める。
それでも駆け足には変わらない
しかし、青年は気づいた。
(あっ、こんなに早く来た所でまだ来ていないんじゃないだろうか…)
最近寒くて布団からでれない毎日…
頑張ろうw