表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

最初のダンジョン1

 世界には、生産系の職と戦闘系の職がある。


 二年前、俺は楽っぽいという理由で生産系の職を選んだ。


 しかし残念ながら俺には生産の才能が全くなかった。


 ……2年も頑張ったんだからもう良いだろう。


 という訳で、今日から戦闘系の職を始める事にした。


 戦闘系の職。


 やることは単純明快である。


 ダンジョンに潜って敵を倒し、アイテムを手に入れて売る。それだけ。


 外に居るモンスターを倒す人たちも居るらしい……が。


 ちょうど近くに低レベル向けのダンジョンがあるらしいので、とりあえずダンジョンの攻略をしてみる事にした。


 その前にまずは準備だな。



 俺は冒険者ギルドに来ていた。


「こんにちは、エイトさん。本日はどうされましたか?」


 カウンターのお姉さんが笑顔でそう話しかけてくる。


「えっと、アイテム生産をしてたんですけど、冒険者になろうかなって」


「転職ですね」


「そうです」


「転職をすると、レベルは1に戻ります。スキルも引き継がれませんがよろしいですか?」


 仕方がない。まぁスキルなんて殆ど習得していないが。


「ええ、構いません」


「では転職する職を選んでくださいね」


 戦士に、魔法使い、弓使い、盗賊……。


「これだけなんですか?」


 なんかこう、魔法剣士とかビショップとか沢山あると思ってたんだけど。


「最初はその4つから選んでいただきまして、レベルが上がると上位職になる事ができます」


 へえ。


「じゃあ……魔法使いで」


 理由はもちろん、楽そうだから。

 

 戦士は論外。

 弓使いもエイムが必要っぽいし。

 盗賊も走り回ったりして疲れそう。


「承知いたしました。ではあなたは今から魔法使いです」


 目の前が光に包まれて、俺は魔法使いになった。

 いつの間にかローブのようなものを着ており、棒も持っている。


「この服とか棒は何ですか?」


「転職した際に与えられる装備ですね。初期装備なのでかなり弱いですが」


『かなり粗末なローブ 防御力+2』

『今にも折れそうな棒 魔力+1』


 名前の通りかなり弱いっぽいが、まぁ最初はこれでいいだろう。


 俺はギルドを出て、近所にある低レベル者向けのダンジョンへと向かった。


 

 低レベル者向けダンジョン。正式名称不明。

 ここはモンスターのレベルが低く、簡単に攻略できる代わりに、モンスターが落とすアイテムもしょぼい。ローリスクローリターンなダンジョンだ。


 早速中に入ると薄暗く、人の姿は見当たらない。


 少し歩くと、スライムっぽい敵が居た。


 スライムはダンジョンにしか生息していない。だから生産系の職をやっていた俺にとっては初めて見るモンスターだった。


 俺はスライムに近づくと、持っていた棒でぶん殴る。


 0のダメージ。


 魔法使いだし、そりゃそうか。

 もしかしたら物理に耐性があるのかもしれないが。


 スキルボードを開くと、取得できる魔法が記載されている。

 レベル1だからか、取得できる魔法は3つしか無かった。


 俺はその中のフレイムを取得すると、スライムに向けて放つ。


『16のダメージ! スライムは倒れた』

『2の経験値、銅貨2枚を獲得』


 お、一撃か。


 銅貨2枚ってのはちょっとしょぼいけど、1時間も狩っていればそれなりのお金になりそうだ。



 ……それから1時間、延々とスライムを狩り続ける。

 

 

 そして1時間、狩りを終えた結果は……。


 銅貨120枚にねばねばした液体60個。

 ねばねばした液体はスライムが落とすアイテムで、売ると恐らく銅貨1枚になる。

 だから時給で銅貨180枚か。


 うーん、まぁレベル1だから仕方ないのだが、これじゃ生活していけない。

 昼食を食べようと思ったら銅貨500枚くらいは必要だ。


 ただ、レベルが上がっていけば狩れるモンスターも強くなるので

 儲けだって比例して増えていくはず。


 心配する必要はない。


 レベルは2に上がっていた。

 1時間も狩りをしたらもっと上がってもいいような気もするが、こんなもんなのだろう。


 

 俺はダンジョンでの狩りを止めて、家に帰ることにした。




 ギルドでドロップしたアイテムを換金したのち、帰宅した俺は考えていた。

 このまま魔法使いを続けるべきなのだろうか。


 正直、魔法使いは思っていた感じと違っていた。

 思いのほか、狙いをさだめるのに神経を使う。

 

 あともう一点。

 同じ場所で狩りを行う「定点狩り」は楽のようで意外と疲れる。

 歩くより立ちっぱなしの方が足への負担が大きいのだ。

 

 転職するなら、早めが良いよな。

 だってレベル1に戻されるんだから。



 次の日。


「あの……」

 俺は再びギルドに来ていた。

 もちろん転職するために。


 しかし昨日の今日で転職しますってのは、正直ちょっと言いづらい。

 自意識過剰だとは思うが。


「こんにちはーエイトさん。今日はどうされました?」


「ええと、やっぱり戦士になろうかなって」


「ああー、魔法使いは合わなかったみたいですね。まぁ転職するなら早めにしたほうが影響も少ないですし、良いと思いますよ」


 そして俺は戦士に転職した。

 

 あとは昨日と大体同じ。

 初心者向けダンジョンで、スライムを狩ってレベルを上げる。

 そのつもりだった。


 俺はダンジョンに入る前にスキルを確認する。

 戦士が取得できるスキルは……。

 剣を使うスキルは……パワースラッシュでいいか。


 そこで俺は気が付いた。

 「ん……?」


 何故か取得済みの欄に「フレイム」の文字がある事に。



『現在のステータス』

エイト 職業 戦士

取得スキル フレイム パワースラッシュ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ