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8話 さて今日の大物です




      「「プルルルウウウウウウ~ン!!」」




風に吹かれて、大きな水玉が『プルン、プルン』と震えている。


巨大スライムは―

大きさは3~4メートル程で、その大きな水玉の中に小さな目が2つプカプカと浮かんでいる害獣です。



大きな水玉に小さな目が、とてもミスマッチです!!




そして―

その小さく円らな目が一見して、可愛らしい姿に思えますが…その姿とは裏腹に、とても危険な魔獣なのです。普通のスライム(手の平サイズ)は、人には無害で農作物を食べるくらいですが、巨大スライムは普通の人が不用意に近づいたら…




          間違いなく死にます。





     「パカパカパカ-」   「パカパカパカ―」




          「パカパカパカ-」





ルイアと私は―

巨大スライムに向かって、馬を走らせる。



コーレン副団長とキャロットさんは、そんな私達を後方から見守ります。




私は…もう実戦でも、奥義 “親和の芳香” を使える様になっていました。そして、巨大スライムくらいならば、それで普通に眠らせて仕留める事も出来たのです。




しかし、それをする必要すら無かった。








私とルイアは途中、何かする訳でも無く、只一直線に巨大スライムとの距離を縮めていきます。


そして、プカプカと浮かんで、どこを見ているのか分からない巨大な水玉の小さな2つの目が揃って、こちらを向いた瞬間に―





      【【【ギョロロロ―!!】】】





私は、馬から宙高く飛び上がった!!





   「「「ドドドドドドドドドドドドドドドドドド―!!」」」





その直後―

巨大スライムの全身から四方八方へと、ビー玉くらいの大きさの水の粒が高速で打ち出される。これは-



水の魔法 “水球連弾” です。


高速で打ち出された水弾の貫通力は高く、普通の人の身体は勿論、下手な鎧や防具でも貫通する程の威力があります。




因みに…私達、騎士は鎧を付けていません。

あれは、重たいですから…その代わりに、強化の魔法が付与された頑丈で動きやすい隊服を着ており、それは巨大スライムの水弾も防いでくれます。





      (まぁ、そもそも当たりませんけどね!!)



      「ヒュウウウウウウウウウウウウウウ―」





空中に舞い上がった私は…


魔法 “魔獣の気持ち” で、巨大スライムから放たれた水弾の弾道を読み、身体を捩らせて水弾を全て避ける。


ルイアはと言いますと、私の馬や自分の周りに小さな火の球を無数に作り出し、それらに向かい来る水弾を全て当てて、相殺して防御をする。



これは、火の魔法 “凝火球” です。



一見小さな火の球に見えますが…実際は、かなりの熱が凝縮された火の球です。水弾は小さな火の球に当たった瞬間に、水蒸気になって消滅します。


その火球の威力もさることながら…

なにより、巨大スライムから高速で放たれた水弾に、寸分狂わず小さな火の球を当てるとは―



凄まじい、動体視力と反射神経です!!

それは魔法を上手くコントロールをする事が出来なければ、そんな芸当は到底出来ません。




そう-


ルイアは、もう火の魔法を自由自在に使いこなす事が出来ていたのです。







        「「さぁ、終わりよ―」」 




私は、空中で剣を握り締める。



「「ギョロロロ―!?」」


そんな私を見て、巨大スライムは察したのか、円らな2つの目を水の中で泳ぐ魚の様に、水玉の中でクルクルと移動させる。撹乱させようとするつもりでしょうが―




   “魔獣の気持ち” で、そんな動きは予測済みですよオオ!!




普通の人ならば、川で泳ぎ回る小魚を剣で斬るくらい難しい芸当ですけど、私にとっては朝飯前なのです。




      「ズバン―!!」 「ズバン―!!」




私は的確に―


そして、素早く剣を二振りして、2つの小さな目を真っ二つにしていた。


そう、巨大スライムの弱点は目なのです!!







   「「「バシャアアアアアアアアアア―ン!!」」」






私は着地するのと同時に、形を保てなくなった巨大スライムは弾けて消滅していた。


はい、討伐完了です!!




(お疲れ様で~す!!)










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