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186話 マーシェル




【【【何故なんだアアアア!?】】】

【【【何故だ、何故戻って来れたのだアアアア~!?】】】


盛大に慌てるドップス。



【どうやら、迷宮内に棲みついたナイトメアスライムを使役して、ここまで転移で移動したのでしょう】


カミューラが解説する。

凄い当たってる。




【そ、そうなのか…】


【確かにキサマ、魔獣使役の魔法の使い手でもありましたね。しかし、C4の魔獣を使役とは想像が出来んぞ…この世界の頂点の星であるファイブスター(5つ星の冒険者)ですら、C4の魔獣を使役する事は難しいんだぞ!!】




【【【キサマ、一体何者なんだアアアア!?】】】






「…」(私)


全身がビショビショになった私は地べたに座り込んで疲れ果てています。


そうそう今、思えばですが…

あの謎の手は、私がヘトヘトでこれ以上引っ張るのは無理だと判断してナイトメアスライムを使いワープしたんですかね。



何て無謀…いや機転がきく手でしょうか。





「ハァハァハァハァ…」


と言うか、服がビショビショに濡れて気持ち悪い。

ドライヤーで乾かしたい…






【この鍵には格が高いトリック魔法が仕掛けてありますね…】


【この魔力の感じからマーシェルかと思います】



カミューラは呪いのカメラに挿さった鍵を見ながら言う。




((マ、マーシェルさん…!?))





【マーシェル、いや誰ですかそれ!?】


ドップスは首を傾げて言うが…



【【ああっ、思い出したよ!!】】

【マシェールは人形にしようとして、逃げられて失敗した人だったね。彼女は小汚ない村の出身にしては、美貌があって魔力も高いから良い商品になると期待していたんだけど…人形にしようとした時に私に一撃を喰らわせて逃げたのでした。そして、最期は追い詰めた港の倉庫の中で、自ら命を絶ったんでしたね】




【そうそう、ドップス様…】

【彼女の水刃で首を一刀両断されてましたよね】


ギレンも言う。



【死んでしまった者は人形にしても質が落ちるからね。なので結局、彼女を人形にする事を断念したのでした。とても残念だったのを覚えていますよ】


【彼女だったのか、鍵を盗んだのは…】





「…」(私)




(えっ、マーシェルさんってもう死んでいるの!?)


(でも、私の目の前に普通に現れて話していましたけど…)



急に背筋がゾオオオオオ~とする私。

ちょっと、ここのお化け屋敷よりも怖いんですけど(汗)




「とりあえず、それもトリック魔法の一部だと考えるのが筋かな~!!」


「でも、そんなトリック魔法聞いた事ないけどね。それしかボクも説明が思いつかないね~!!」


ゼニィーは言う。





「そ、そうなのね…」




「…」(私)


それで、ドップス達を見れば腰を抜かしてオロオロとしていました。目の前で起こる予想外の出来事の連続に、凄く混乱している様です。


あと少し驚かせば、観念して人形を戻してくれそうな気もしますね。




但し、1人を除いては-





【ですが、今の仕掛けで鍵に纏っている魔力が殆んど消失してますね。じきにトリック魔法の効果も消えて、鍵も取れるでしょう】







【ニヤニヤ…】 【ニヤニヤ…】 




    【ニヤニヤ…】 



【ニヤニヤ…】 【ニヤニヤ…】







【確か、イブさんと言いましたか…】


【フフフフ、待ってましたよ】




【【【【【この場所に来る事をねええええ-】】】】】







「「「!!」」」(私)



カミューラは今日一番の不気味な顔でニヤリと笑う。


赤黒く輝く黒衣は、まるで炎が燃えてる様に揺らめいていた。その揺らめく業火の中から見える血に染まった目は…




私を一直線に見ていた。



ま、まさか、アイツ!!

呪いのカメラに挿さった鍵を取る為に…つまり、鍵に仕掛けられたトリック魔法を消失させる為に、わざと迷宮に誘き寄せて鍵に力を使わせたんじゃ…だとすると、何てIQなんだ!!


そして、この待ち伏せされた場所にも罠が仕掛けてある気がする。


何かヤバそう予感が-





【ドップス、そこ邪魔だ】


【は、はいいい、すいません】



直後-


カミューラは、ビビって動けないでいるドップス達に合図を出す。すると、ドップス達は腰を抜かしながら走り出す。





「「「「「パカアアアアアアアア-!!」」」」」



「「なっ!!」」(私)


「「ウワアアアアアアアアアアア~!!」」





「「「「「「ガシャアアアアアアアアアアアア~ン!!」」」」」







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